前世の記憶をおもいだす。
『……お願いだ!!
目を開けてくれ!!お前がいないと私わなぜ、生きているか
分からない!!
………………お前に、お前にあって初めて息が出来たんだ…世界に色があると初めて知ったんだ、』
知らない人、記憶に無い人、
でも知っている人、記憶にある人と
なぜ、泣いているの?
なぜ、苦しそうなの?
あなたは誰なの?
私はあなたのなまえをしらないわ……
『お願いだ……お前がいないと精霊王達が悲しむ……
神までもが嘆く……民が、俺達が世界の人々が
光を失うんだ……
だから…息をしてくれて』
光を失う?
『…………何を言っているの?
闇なら……魔神なら封印したじゃない……
世界に太陽が戻ったばかりよ?
……ふふっひどい顔ね…あなたのそんな顔初めて見たわ
ふしぎね幼い時から一緒にいたのに、
こんな時に貴方の新しい顔が観られるなんて……』
この声は何?
今にも途切れそうなのに、
苦しそうなのに
なぜ、こんなにも嬉しそうなの?
なぜ、私はこの声を知っているの?
『ツッ……これから!!これから!!どんなかっこ悪い顔だって見せてやる!お前に見せてこなかった色んな顔を見せてやる!……この世界の行ったことのない場所えだって連れていく!!だから!……いきてくれ……!』
『……ゴメンね……魔力が底を尽きてるの……
増幅させることも、貰うことも出来ないの…………
私は死ぬのよ……
ねえ……私の願いを聞いてくれる?』
なんでだろ?
私はこの願いを知っている……
『……なんだ…?』
『あなたが……王になって…
私の変わりにこの世界を見守って……
何も一滴も血を流さないような国を作れとは言わないわ
この、最悪だった時代よりも、少しだけ争いがなく、少しだけ皆が仲がいい様な国でいいの、
時代は、変わっていくわ……だからあとの時代に任せればいいの……ただ、心残りなのよ……
私の愛した皆が、あの人達が、そしてあなたが……
私が死んだあと、国を作って、行けるかということが……』
『……なぜ、何故そんなことを言う……俺たちにとって
それほどお前が必要だと分かっていながら!!
……なぜ、生きる事をあきらめる…』
『残酷な事を言っているのわ分かってるの……
でもね、せっかく世界を救ったんだから、生きて欲しいじゃない……だから!あなたには王として皆の先頭で立って欲しいの……』
『ツゥっ……』
『 その代わり……約束をしましょ…
あなたと私だけの約束……何千年もの時を経ても色褪せることの無い魂の約束を……』
私はこの約束を知っている……
『……何時になるか分からない……100年後かもしれないし、数千年後かもしれない、けれど私はもう一度あなたと共にこの国で生きるわ……!
奴隷でも平民でもでも貴族でも王族であろうと、どれだけいる身分差別があろうと、生まれわって、
貴方を愛するわ……』
『……そんなことが出来るのか?』
『……私わね、神に祝福された女王なのよ?
それに世界を救ったわ……これくらいのこと叶えてくれなきゃ神を殴るわ……私はね、どんなに無理なことでも1度決めたら、絶対に叶える女よ?あなたが1番分かってるでしょ?』
『…ははっ!……あぁ!分かってるとも!
おまえと何年一緒にいたと思ってるんだよ
あぁ、お前の言葉を信じるよ……』
あぁなんだろ意識が途切れる……
『ありがとう!!これからよろしくねー!
私は一足先に転生の準備をして待ってるわ
何時になるか分からないけど、あなたと会うのを楽しみにしてるわ
私の愛しい“ ________”』
……「お嬢様!!お嬢様!!…姫様!!」
『あぁ!また会おう!我が愛しの女王“カリーナ”』
……『起きてくださいお嬢様!!』
目に光が差し込む……
「ああ!起きた!良かった!!心配したんですよ!
怪我してませんか?」
誰……あぁ、なんだリサか、なんでそんなに慌ててるんだろう?
「どうしたんですか!ヤッパリ痛かったですか?!!
……お嬢様が泣くなんて……お医者様をよばなきゃ!」
……泣く?誰が?私が?……私わ泣いているの?
「今お医者様呼んできますね!」
……不味い!
「リッリサ!大丈夫だから!!これはなんでもないから!
落ち着いて!」
「でも!お嬢様いきなり倒れて、頭をぶつけてしまわれたじゃないですか!」
「これは、貧血だから!寝れば治るから!」
「そうですか?ではもう少し寝ますか?」
「うん……また夕食の時に起こしにきて、それまでへやに誰も入れないでね」
「分かりました、ではおやすみなさい」
ガタン
ふぅ、やっと1人になれた。
あぁまさかいきなり、“前世の記憶”を思い出すなんて…
……それも、2000年前の魔神を封印した聖女カリーナだった時の記憶だなんて
……なんて、タイミングの悪い……まさか婚約者が決まったその日に思い出すなんて……
最愛だ……