第10章 目
ついにここまでやって来た。
この旅の目的地。
巨人の目。
ここで・・・。
クロウの居場所を知る事が出来る。
そうすれば・・・。
クロウを倒す事も出来る。
私の妖魔キラーで。
それが・・・すぐ側にある。
かなり長くて険しい道のりだったけど。
それも、もうすぐ終わりを向かえようとしている。
ここに来れたのは、みんなの協力があってこそ。
フェア。
ユニコ。
ウルちゃん。
そしてロボ。
誰一人欠けていたって、ここに来る事は出来なかった。
感謝を言っても言い尽くせないほどだわ。
それにしても。
近くまで来ると・・・かなり大きな物なのね。
あと・・・もう少しで・・・。
ロボ・・・。
私は改めて覚悟を決める。
そう。
今までは仲間のために死ぬ覚悟はあった。
でも!
今は・・・逆に死ねなくなってしまった。
ロボのために・・・。
何が何でもこの妖魔界を救わないと・・・。
そりゃあ、確かにこれまでも覚悟はあったけど。
初めての仲間の犠牲が私の中で何かが変わった。
妖魔キラーを倒す運命を持ったロボ・・・。
その宿命は終わった。
でも私の運命と宿命は終わってない。
だからこそ。
ロボが夢見た、妖魔界の平和を私が実現しなくてはいけない。
ロボに代わって。
絶対にやりとげないといけない。
「ヨーコ様!!」
フェアの声でふと思考を止める。
「どうしたの?フェア」
「何かが来ます!」
まったく・・・。
のんびりも出来ないわね。