第9章 7話
フェアが連れて来たのは、思わぬ友人だった。
それは・・・。
あのワー・ウルフのボスである彼女だった。
「久しぶり!!どうしたの?」
そう・・・。
彼女たちは残ったワー・ウルフ達と共にルドルフの城へと行ってたはずだけど・・・。
「へへっ・・・。ヨーコの事が気になってね。抜け出して来たんだ」
あらら・・・。
私のために・・・こんな危険な所まで・・・。
「行く先は分かっていたからそれほど難しい事じゃなかったよ。”巨人の口”までは匂いを嗅げたし」
そういえば・・・。
彼女は狼だものね。
嗅覚はかなり鋭い。
バタン!!
突然扉が開かれる。
ユニコだわ。
どうしたのかしら・・・?
あんなに慌てて・・・。
「とりあえず扉に鍵を」
意味も分からず、とりあえず扉に鍵をかける。
「大変です!ヨーコ様!!」
「え?どうしたの・・・?ユニコ」
「外を見てください・・・。エルフ達がここを取り囲んでます!」
え・・・!?
私は窓からそっと外を見る。
これはどういう事・・・?
エルフ達が私達の泊まってる建物をびっしりと埋めている。
しかも・・・。
手にはなにやら物騒な物が見える。
剣だのハンマーだの斧だの・・・。
何で・・・???
「何やら分からないが・・・。逃げた方が良さそうだな」
確かに・・・。
あれはどう見ても私達を狙ってる。
表情を見ると・・・。
いつものあれだわ・・・。
クロウの魔力にやられている・・・。
理性を失った目・・・。
どういう事・・・?
突然・・・こうなるなんて・・・。




