第7章 10話
やっと巨人のてのひらの先へとたどり着いた。
そこに立つと・・・。
湖が見える。
あれは・・・?
「ヨーコ様。あれが”巨人の口”です」
あれが・・・。
「・・・?何やって?」
ロボが聞いて来る。
「あれが次の目標の”巨人の口”なのよ」
「そういや・・・。わいがいた時とはだいぶ地形が変わってるんやな」
まぁ・・・だいぶ年数が過ぎてると思うしね。
「わいも”巨人の目”ぐらいは知ってはおるが・・・。正直、実際に”巨人の目”を見た事は無いんや」
え・・・?
「見た事が・・・無い?」
「ああ・・・。あれはアーティファクトと言われておって、凄い力ちゅーのは分かってるんやけど・・・それが逆に怖いんや」
怖い・・・?
「ほら、わいは戦闘用ロボットやろ?魔法的な力とは相反するんや」
へぇー・・・。
この妖魔界はほとんどが魔法的な事の方が多いとは思うんだけど・・・。
このロボの意識はちょっと違うのかしら。
だいたい・・・。
フェアの存在自体、魔法的だと思うんだけど。
う〜ん・・・。
「それに・・・あれは真実を映しすぎるとも言われておる」
映しすぎる・・・?
「どういう・・・事?」
「わいも聞いた話なんやけどな・・・。知りたい事以上に教えてくれる・・・って」
知りたい事以上に・・・。
「ヨーコ様・・・」
フェアが心配してくる。
何か・・・不安になってるみたいね。
「大丈夫よ。私はクロウの居場所を知る為にあそこに行くんだもの。それ以上って何があるのよ」
そう。
私の親が実は妖魔界出身とか・・・。
そんなとんでもない事実が出てくるとか・・・?
ありえないわ。