第5章 5話
「・・・!!ヨーコ様・・・それは危険です!!」
「そんなのは百も承知よ」
そう。
危険なのは分かってる。
かなり危ない賭けである事は間違いない。
でも・・・。
他に方法が無い。
この私が出来る事はいくつも無い。
その少ない出来る事の中で選んだ最善の方法。
それはフェアが心配するほどの危険な事。
これならユニコを助ける事も出来るし、あいつらを倒す事も出来る。
もっとも・・・。
私の考え通りになるという保証は何処にもない。
かなり推測が入ってるのは間違いない。
この考え自体が間違っていたその時は・・・。
まず間違いなく死んでしまう。
それでも構わない。
何せ・・・それしか方法が無いんだから。
私はゆっくりと螺旋階段を降りる。
失敗してたり間違っていた時の死は、すでに覚悟の上。
ユニコを助け、さらに四天王を倒すには綱渡りのような危険な方法でも取るしかない。
しばらく降りると地面が見えて来た。
その中央にはユニコがぐったりと倒れている。
そして・・・。
その周りにゾンビ達が囲んでいる。
さっきと同じ光景ね。
ただ・・・四天王の姿は見えない。
何処へ行ったのかしら・・・?
でもいいわ。
いないなら、いないで都合がいい。
もう少し下へ降りる。
・・・ん?
例の黒い布を被った・・・四天王の一人がやって来た。
何か妙な感じね。
そう・・・。
なんでこの距離になると来るのかしら?
まるで・・・分かってるみたいに。
確かにユニコはエサで私を釣るための罠だというのは分かる。
でも・・・。
なんで計ったかのように、一定の距離まで降りるとユニコの所へと来るのかしら・・・?