第5章 3話
ゆっくりと降りて行く。
やがて・・・一番下が見えた。
地面がある。
そこに・・・ぐったりと倒れたユニコの姿も見える。
問題は・・・。
その周りに沢山のゾンビだった。
さっき私を襲っていたアガラットとは違う。
何処へ消えたのかしら・・・。
どう考えても罠ね。
何せユニコには何もされてる様子が無い。
縄で縛ってないし、檻に入ってる訳でも無い。
ただ・・・横になって眠っている感じ。
でも問題は・・・この大群のゾンビ。
武器の無い私にとって、これをなんとかするのも難しい話。
ユニコは無事そうだけど・・・。
そうだわ!
「ねぇ、フェア。ユニコが無事かどうか確かめてくれる?」
そう。
まずユニコがただ眠ってるかどうかを確かめないと。
「分かりました・・・」
フェアがゆっくりと降りて行く。
こういう時飛べるって便利ね。
ユニコの側に降りる。
まだゾンビ達は気づいていない。
もっとも・・・気づいたとしてもフェアは飛んで逃げればいいだけだけど。
やがてフェアが戻って来る。
「ヨーコ様、どうやら力が抜けているみたいです」
なるほど・・・。
どうもアガラットの能力でやられてるみたい。
こうなるとやっかいだわ。
しばらくはユニコは立ち上がる力も無いって事ね。
どうすれば・・・。
・・・!?
誰か・・・ユニコの側にやって来る。
私は慌てて身を隠す。
ちらりと見たけど・・・黒い布みたいのを被っていて顔は見えなかった。
人間のように二本足で立ってる感じだったけど・・・。
全身が布で覆われているので中身は分からない。
でもあいつもゾンビとかの仲間に違いないわ。
「おまえが仲間のユニコーンか・・・。どういう気分だ?」
・・・仲間!?
どういう事・・・。
やはり・・・私を狙って?
「うるさい!殺すならさっさと殺せ!!」
ユニコ・・・。
「ヨーコ様を危険にさせるぐらいなら、死を選ぶ!!」
「そうはいくか。そいつは必ずやって来る。あいつはクロウ様にとって邪魔者だからな」
くっ・・・。
やはりユニコは私を釣るためのエサなんだわ。
そうなると・・・一体どうすれば・・・。
「それにあいつはラカスタをも破ったからな。同じ四天王としてあいつは危険だ」
なっ・・・。
あいつも四天王・・・。
これは・・・。
下手に降りない方がいいわ。




