421/753
8話
「やっぱ、むつさん出ないですね」
「出る余裕ないくらい、亡者が出てるのか?湯野さんと狛犬も居るのに…男もまだ折り返しないか?」
「西原さんですか?無いですね…」
地蔵探しをしつつ、状況が気になった祐斗はむつに2回、電話をかけたが出る気配はない。ついでにと西原にもかけた。子供のように、ちかを見上げるようにし少し首を傾げながら、祐斗は携帯を耳に当てている。
『…はい、西原…』
かすれた声の確実に、寝起きだろうなという感じの西原が出た。すぐさま喋らなければ、今にも寝てしまいそうな声だった。
「谷代です。お休みの所、すみません」
『やしろ…祐斗君か?何だよ…何時だと思ってんだよ。おっさんを休ませてくれ』
「勿論、休んで欲しいんですけど…むつさんが」
『むつ?何かあったのか?』
むつの名前が出た途端に目が覚めたのか、西原の声に少し緊張が混じっていた。
「実は…」




