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8話
女からの攻撃を受け止めるばかりで、この前のように自分から反撃しに行く事をしないむつは、どう見ても押されている様にし見えない。だが、まだ息が上がっている様子もなく、動きにも余裕があるようだった。
余裕があるとは言えど、散々亡者を相手にしている。その分の疲れはある。
振り上げられたバットを日本刀で押さえているにも限界はある。何とかしなくてはと、考えていても打つ手は見付からない。女が力任せに向かってきているから、まだ避けられるだけの話であって、そうでなければあっという間にむつの負けは決まっていただろう。颯介にフォローをと頼んでいるものの、颯介は亡者で手が空きそうにはない。
ぶんぶんっと断続的に降り下ろされるバットをかわしつつ、むつは日本刀の柄をぎゅっと握りしめた。じっとりとかいている手汗で、柄が少し滑る。まだ抜刀する気は起きない。




