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8話
そのままでは当たる。颯介も狛犬もそう思ったようだったが、当たる事はなかった。むつは1歩前に出て、身体をずらして避けると、女の後ろに回り込むようにして日本刀で背中を打った。ばしっと鋭い音がしたが、女は痛みを感じないのか、すぐに振り返った。
振り返り様に、むつの方にバットを振るったが、むつはそれを日本刀で受け止めていた。びりびりと手が痺れるような、衝撃があり日本刀を落としそうになった。普通の日本刀なら折れていたかもしれない。そう思うほどの衝撃だった。
むつの手がまだ痺れているというのに、女は間髪入れずにバットを振り上げた。みしっと鞘が鳴ると、むつは流石にやばいかもと思い、バットを握る女の手を蹴り上げた。手首を蹴ったはずだが、バットを落とす所か、握る手の力も緩まないようだった。
一昨日同様に女は喋りもしなければ、前髪で顔を隠すようにしている。視界が悪そうにも関わらず、女は的確にむつを狙っている。




