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BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている  作者: 青緑三月
<ジルベール>恋愛ルート

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17

 気分良く学園の廊下を歩く。機嫌が良い理由は、図書館で借りることの出来た本だ。術の研究に関する学問書で、高くて手が出なかったからリクエストしてたんだ。やっと入手できたらしくて、借りることが出来た。

 ただいつものごとくレベルアップしてくれない表情筋のせいで、外から見れば無表情で愛想のない顔にしか見えてないだろう。


 ―― まあ、いい。いつものことだ

 それに外が成長しなくても、中は成長した気がする。なんてたって親友が出来たからな。ほらなんというか、人として成長した気がする。


 ―― そんなわけないないか

 人はそんな簡単に、成長したりしない。もし成長したというのなら俺と、親友になったジルベールの方だ。良く俺と親友に―― そこまで考えて微妙な表情をしていたことを思い出す。あんまり浮かれるのはよそう。実は嫌なのに、はっきりと言えなかった説が残っている。

 ただやっぱり親友じゃなくて、友達だと言われてもヴァルには黙っていようと思う。ぬか喜びになったら、申し訳がない。

 それに実はと言われてしまっても、問題はない。親友じゃなくても、友達であることに変わりはないからな。


 ―― あれは……

 ジルベールと、ロイだ。

 廊下で笑顔を浮かべて、立ち話をしている。見つからないように迂回して、死角を選んで進んでいく。

 別にやっぱりジルベールは、ロイが好きなんじゃないかって期待しているわけではない。もしかしてイベントが起きるんじゃないかなんて、思ったりはしていない。そう萌えイベントが起きることを期待なんて――してるな。

 心の中でどんなに言い訳をしても、脳みそが妄想を始めてしまう。悲しいかな腐男子の性だな。

 見つからないギリギリまで、距離を詰めてそっと見守る。


 ―― 随分と楽しそうだ

「好きです!」

 そのまま良い感じになって、萌えを摂取できないだろうか。そう期待していると、衝撃の言葉が聞こえてくる。

 ―― ロイが、ジルベールに告白しただと?

 どういうことだ。もうそこまで進展していたのか。ということは俺は一体幾つの萌えを、見逃してきたんだ。

 あまりのショックに倒れそうになるが、なんとか堪える。


 ―― 顔が赤くなってるように見えるな

 告白を受けたジルベールが、顔を赤くしている様な気がする。なにかロイに返している気がするが、声が小さくて聞き取れない。

 けれど悪い反応には、見えなかった。


 ―― ジルベールは、ロイが好きなのか

 俺にはロイとは違う特徴を、言ってきたから勝手に違うと誤解していた。もしかして俺もロイを知っているから、正直に言うのが恥ずかしかったのかも知れない。


 ―― そうかジルベールは、ロイが好きなのか……

 好きですと告げたロイと、顔を赤くしたジルベールもう確定だろう。

 ―― なんだろうか

 これからはジルベールに注しておけば、萌えを摂取し放題だ。良いことのはずなのに、なぜかテンションが上がっていかない。上がるどころか気分が、沈んでいる気がする。

 萌えを摂取できるというのに、なんでテンションが上がらないんだ。


 ―― もしかして気づかないだけで、体調が悪いのか

 腐男子が萌えを摂取して、元気がでないなんて大事だ。きっと疲れているに違いない。

自分が気づかない疲れというのは、放っておくとダメージが大きい。次の講義は行かずに、少し休むことにして踵を返した。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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