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俺は男だ? ~三十路オトコ性自認を探し求める~  作者: モーニングあんこ


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5/36

5話 衰弱 ☆

エロ度★

 個室という名の従業員用の休憩所。ここなら誰かに邪魔されず、多少大声出しても大丈夫だろう。


 事のいきさつを宏一が話す。


  恵美えみ「なんで?ねぇなんで。よりによってなんで男なの!?」


  宏一「すまない」


  恵美「まだ女だったら。いえ。それでも許さないけど」


  宏一「すまない」


  恵美「そりゃ、小柄で可愛い顔してるけど。なんで男なのよ!」


  宏一「すまない」


 レンはふたりのことなので聞かれるまでは大人しく待つことに。口を出せば余計に燃え上がってしまう。そういうのはもっと前に経験している。


  恵美「もう2年もシてなかったものね。なんとなくそんな気はしてた。ビデオボックスに行ってるというから信じてた。信じてたのに」


  宏一「すまn」


  恵美「いくら謝ってももう無理!もう戻れない!」


 食い気味に言い放ち立ち上がる。


  宏一「どうするかは君に任せる。それと、レン。君とも終わりだ。もう。すまない」


  恵美「もう帰る。ここにいてもなにも進展しない」


 宏一は座ったまま頭を抱え別れる。隣の椅子にレンが座る。


  宏一「レン。もう別れよう。というか付き合ってなかったね。いいよ。殴りたければ殴れば良い。好きにしてくれ」


  レン「ねぇなんで、結婚してたこと言わなかったの?言えばこんなに頻繁に会わなかったのに。ボクはね。ヒロくんと付き合ってると思ってたんだ。でも付き合ってなかったんだね。そうか。セフレだったんだ」


 何も言えず頭を抱えたまま話を聞く。


  レン「こんなこと言ったら嫌われると思うけど、これからが本当のお付き合いにしたらどう?だって、ヒロくん独身になっちゃうんでしょ。いいよ。嫌っても。まだ、ヒロくんのことほとんど知らないんだもん。苗字も知らないし。ヒロじゃなくてコウイチだったし。年齢もたぶん違うんだろうし。ボクはコウイチさんが好き。今日のところは考えられないだろうから。また連絡ください。待ってます」


 そういうと店をあとにする。


  店員「奥さんにタクシー呼ぼうか聞いたけど要らないって言われて。ごめんね。何もできなかったわ」


  宏一「お気遣いに感謝します」


  店員「レンも帰ったわ。レンはね、以前にも同じようなことがあってね。その時は、二股だったの。遊ばれてたと思って自分から身を引いてたわ。落ち着いたらレンに連絡取ってあげて。ね?」


 深々と会釈をして店を出る。階段を踏みしめるようにゆっくりと上がっていく。足に力が入らず手すりを使いゆっくりと登る。


  ??「コウイチさん。コウイチさんを置いて帰れない。ごめんね。ボク」


 涙声で呼びかけられ頭を上げる。レンがこちらを見ている。逆光のため顔はわからないが、声からしてレンだ。階段の前に立つレンを抱きしめる。レンの胸に顔をうずめる。


  宏一「レンくん。今日はキミの部屋に泊めてもらえないだろうか。俺どんな顔して家に帰ればいいかわからないよ。顔も見たくないだろうし。始発に乗って着替えに戻るよ」


  レン「いいよ。来て。Yシャツくらいなら泊まった時のことを考えて買ってあるから」


 レンの部屋に連れて行ってもらう。

 ベッドは1つしかなくシングルサイズ。


  レン「ボクが下で寝るから。コウイチさんはベッドで寝て」


  宏一「レン。今夜は君の腕の中で寝たい。ダメかな」


 狭いベッドに男2人。体格の良い宏一。抱き合わないとベッドから落ちてしまいそうだ。


 宏一はレンに抱かれ、レンの胸の中で眠る。


 翌朝、レンの部屋から家に戻らずそのまま出勤。

 レンは玄関で宏一に一言。


  レン「家に帰れなかったらまた来て。待ってる」


 仕事が終わり自宅に向かう。家には恵美はおらず。荷物はそのまま残っている。

 翌日もその翌日も恵美は戻らない。

 その間、宏一は会社を休み話し合いをしようとする。

 家の鍵でドアが開く音がする。

 恵美が戻って来た。


  恵美「随分と髭が伸びたわね。仕事休んだの?」


  宏一「ああ」


  恵美「ご飯は食べて無いの?頬がこけてるわ」


  宏一「ああ」


  恵美「そんなことだろうと思ってコンビニでおにぎり買ってきたから食べて」


  宏一「いい。そんなことより。恵美。話し合おう!話をしたいんだ」


  恵美「ねぇ。食べ終えてからでいいからこれにサインしてもらえる?」


 出されたのは緑色の文字と緑の枠線が目立つペラペラの紙がテーブルに。


  宏一「もう無理なのか。そうか。女の恵美を傷つけてしまったんだ仕方ないか」


  恵美「そうよ。この際だから言うけど、なんでレスになったか分かる?」


 首を傾げる。


  恵美「あなたものすごくヘタだったの。自分勝手に腰振ってさ。あなたの大きいでしょ。痛かったのよ。最初はいつかは上手になると思ってたけど、全然ダメ。あなたの事は好きだったのよ。でも、身体の相性が悪すぎる。婚前交渉をしなかったのは、私その頃三十路手前でしょ。だから焦ってたの。誕生日が来るまでにって。焦って結婚したから。なるべくしてなったのよ。私も上手になるように仕向けなかったし。本音で言い合える関係じゃなかったのよ。良かったわね。あの子、私から見ても可愛いし。華奢だから。でもあなたが男が好きだったなんて知らなかったわ。苦しかったでしょ。4年も女と生活して。あなたを縛り付けてしまった。ごめんなさい」


 喉元まで「違う」と言いかけたが、話が余計にこじれると思い耐える。


  恵美「言い返さないのね。わかった。私今日はここで寝るけど、明日業者が来て荷物運んでもらうから。部屋のカギは閉めてポストに入れておくわ。あなたは仕事に行って。もう、戻らないから安心して。別に、慰謝料とか要らない。だって、私があなたのことを考えもしないに縛り付けたんだから。私にも責任がある。だから。それサインしたらあなたが届けてね。届けたらメール送って。それでいいわ」


 頷くしかなかった。


6話は、30日です。

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