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俺は男だ? ~三十路オトコ性自認を探し求める~  作者: モーニングあんこ


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34/36

最終話 パンポリ ☆

エロ度★


休日


  ヒロ「ちょっと出かけてくる」


  レン「どこ?」


  ヒロ「図書館行ってくるよ」


  レン「ボクは?」


  ヒロ「行く?」


  レン「うーん。どうしようかな」


  ヒロ「ふふふ。来たくなったらおいで。ランチのタイミングでもいいよ」


 役場の近くの図書館へ。


  ヒロ「後回しにしすぎたかな。とりあえず調べてみるとしよう」


 徒歩で行ける範囲というのがうれしい。

 本屋とは違う本の香りがする。新刊が少ないのが本屋との違いなのかもしれない。おかげで青木まりこ現象が起きないから安心して読める。

 カゴに手当たり次第に入れしばらく歩く。

  ヒロ「こんなところか。ひとまずはね」


 人の少ない席を選ぼうとするが休日。選ぶのが難しい。誰かの目線を気にしない奥のほうへ。壁に向かう席を選ぶ。学生が多い。勉強するなら集中力が高まりやすい図書館を選ぶのだろう。でもそれは、思い込みのところがあるからね。注意してね。


 比較的重く分厚いハードカバー。あまり人気がないからか気を付けないと紙で指を切りそうになる。


  ヒロ「まぁ仕方ないな。読む人は限られるもんな」


 スマホのメモ機能を利用して気になるワードや言葉を書き込む。

 ※スマホ撮影はやめましょう。著作権侵害ちょさくけんしんがい窃盗せっとうになりかねません。

 

  ?「あーやっぱりそういうのを知りたかったんだね」


 頭の横から声がする。


  レン「来たよ。なんとなくそういうのかなとは思ってたけどやっぱりね。ねぇヒロさん。いつでもいいんだけど、相談所なとこがあるんだけど行ってみない?」


  ヒロ「あーうん。でもな」


  レン「大丈夫だよ。相手は別に物珍しく見てくることは無い人たちだから」


  ヒロ「いや、そういうことじゃなくてね。特殊な雰囲気のあるところに行くのがね。抵抗があるというか」


  レン「出会った日に行ったお店の時もそういう感覚だったの?」


  ヒロ「あーあそこか。あそこは、地下に潜るタイプだったでしょ。人からの目が気にならなかったんだ」


  レン「ん~じゃあ、出張で来てもらうのは?喫茶店で話すんのは」


  ヒロ「うんまぁそれならね」


 まだどこか気が重く返事が悪い。


  ヒロ「なぜ後回しにしたかわかる?そういう人に会いたくなかったんだ。あって話せば楽になると思うけど、それ以上にそういう人に会うのが今はまだつらいんだ」


 そういう人という言い方は、恋人のレンだから言える言葉であり、ゲイコミュニティで使えば人によっては毛嫌いされかねない。ただ、ヒロはまだ自身が何者なのかわからずに困惑している状態が続いている。


  レン「ボクもあまり得意じゃないよ。どういう気持ちなのかわからない人相手はね。でもね。心理カウンセラーな感覚で相談することができると思うよ」


 ふたりきりでいるとこの手の話はなかなかしない。どうしても話が重いからか。


 レン主導しゅどうで、そういう人に出張で来てもらい駅前の喫茶店で話すことにした。


からんコロンからん


 レンが手を振り席へ案内する。


  ?「あら、あなたがレンさんでこちらがヒロさんでいいのかしら」


 女言葉がチラ見するが、元男ですよね。と言いたくなる風貌にヒロは凹む。予想どおりすぎた。


  レン「そうです。今日はよろしくお願いします」


  ヒロ「よろしくお願いします」


  ?「はじめまして。わたし”みゆき”って言います。元の名前は、幸次郎こうじろうなのよ。よろしくね」


 クロスジェンダーと言うタイプの人。テレビなどでよく見るアノ人やソノ人たちが代表例。


  ヒロ「相談は私なんですが。。。」


 レンとの出会いから現在同棲していることまで話す。


  ヒロ「私は、レンという人が好きであって男が好きというわけではないんです。レンは元から中性的なところから入ったためそれほど違和感なくのめり込んで行ったのですが」


  レン「!!」


  みゆき「そうのめり込んだのね。素敵ね」


  ヒロ「ええ。今ものめり込んでます。レンなしではどう生きていいかわからないくらい」


  みゆき「相性が良かったのね。珍しいのよ。初めての同性でここまでキレイにマッチングするというのは」


  ヒロ「そうでしょうね。男女でもこうもピッタリと合うことは稀です」


  みゆき「そうね。それで相談とは?」


  ヒロ「えっと、自分の性というか性自認がなんなのか。これがずっとこうモヤモヤするというか。なんといえばよいか」


  みゆき「それは初期に誰でもあることよ。たとえば、あの子のことが好き。これは恋?とそれほど変わらないことでね。それが同性だから悩むのよね。苦しいのはよくわかるわ。わたしもそうだしコッチの業界人たちはそこで自分が何者なのかに気づくというか」


  ヒロ「私はレンという恋人がこうしていますが、女性は好きです街中で好みのタイプを見かけたら目で追ってしまいますし、雑誌のグラビアを見てこの子可愛いなと思います。かといって、セックスの対象になるかと考えることはありませんが。逆に、男性が好きと思っていないからか目で追いません。最近、以前可愛いなと思ってた俳優や男性アイドルを見て可愛いと口に出すのが楽にはなりましたが」


  みゆき「よくご自身のことを分析できてるのね。そう。最後の俳優や男性アイドルを可愛いと言ったときどんな気持ちになるの?」


  ヒロ「なんというか。胸の中にあったモヤモヤがすっきりするというか。でもどこか恥ずかしさはあります」


  みゆき「まだ葛藤かっとうがあるのね。モヤモヤがすっきりすることが分かってるならドンドンと言っていけばそのうち慣れると思う。そのほうがレンさんも気が楽でしょ?」


  レン「そうですね。ヒロさんの好みがわかりますし。心が楽になるなら。今はまだ同棲して間もないからいいけど、そのうちケンカに発展したらつらいな」


  ヒロ「うん。だからあまり言いたくないんだ。でも、時々言いたくなるから。ごめんね」


  レン「なんで謝るの?」


  ヒロ「だって」


 ニヤニヤして見つめる。


  ヒロ「失礼しました。はずかしい(小声)」


  みゆき「ヒロさんは、ご自身の性自認を知りたいと思ったのね」


  ヒロ「はい。どうなんでしょうか」


  みゆき「遅くなったけど、わたしは相談を聞くだけなの。あなたの性自認はコレです!というのはしてないのよ。ごめんなさいね。期待外れだったでしょ。今頃言うなって思うかもしれないけれど、後のほうで言わないと本音で話してくれないからなの。でも、勘違いしないで。あなたのことを笑ったりバカにする気はないの。ただ、なんていうか。この業界はね、ほんとに難しくてね。性器の有無で男女を決めるような簡単な話じゃなくてね。特に今の時代だと細分さいぶん化されてるから。昔のように、ゲイ・レズ・バイだけではすまなくなっててね。あー、わたしは見ての通りトランスジェンダーよ。ヒロさんが子供のころだと、ゲイの部類に入れられていたわ」


  ヒロ「そうですか」


 少しうつむく。


  レン「ヒロさん。それでも相談して少し気が楽になったんじゃない?今までボクしか話に参加してなかったから」


  ヒロ「うん。第三者は初めてだったから。みゆきさん。ありがとう。私はね、自分が何者なのかずっとわからなくて。でも、そう簡単にはわからないというのだけでも少し前進した気がします」


  みゆき「ただね。細分化と言ったように、本当にいろいろあるの。話を聞いた分だと、バイセクシャルというよりパンセクシャルの方が近いのかなって」


  ヒロ「ぱん?」


  みゆき「LGBTQのQで、クエスチョンになるんだけど、その中のパンセクシャルかもしれないなと思ったの。これについては、自分で調べるといいと思うの。ネットだとレインボー関連で調べると違和感なく調べられると思うわ」


 スマホで早速検索。


  ヒロ「レン!失礼だよ。後にしなさい」


  レン「そっか。ごめん」


  みゆき「んふふふ。仲いいのね。検索結果はどう?」


 スマホの画面を見せる。


  レン「これでいいですか?」


  みゆき「そうね。トップのほうに出てくるからそれでいいわ。黙読もくどくしてみて」


 ”好きになることに相手の性のあり方なんて関係ない”


  みゆき「日本語にすると全性愛となるの。男性も女性も性別に関係なく好きになった人が好き。話を聞いただけだとそれが近いかも。ただそれでも、ポリセクシャルもあるかもしれないから。長い目で見つけていくといいと思うわ。ようは自分がどのセクシャルなのかを知るだけのことだから。履歴書に書くわけじゃないし、ね」


 近い将来さらに細分化すると思われる。○○ハラスメントと似て。


  レン「ヒロさん。どう?少しスッキリした?」


  ヒロ「うん。まだモヤモヤするけど長い目でと言われてもっとモヤモヤするけれど、分からないことが少し分かってホッとしたよ。自分が何者なのか少し理解できた気がする」


  みゆき「よかった。少しはお役に立てて。また気になったらいつでもお話聞かせてもらうわ。いつでもいいから」


 約束らしい約束はせず、また、料金はかからないと言うことではあったが、軽食程度のお食事を一緒にすることにした。


 仲間意識を持つことなのか。それとも、ハッキリとした答えが無いことから料金を取らないようにしているのか。ひとつわかったことは。


  ヒロ「パンなのかポリなのか。その他にもあるのかもと思うだけでも助かります。病気の部類じゃないってことが分かっただけでも」


  レン「みゆきさんごめんなさい。まだ彼慣れてなくて」


  みゆき「うんうん。わかってる。そういうつもりじゃないことくらいは」


 キョロキョロとふたりを見る。


  みゆき「ごちそうさまでした。いつでもどうぞ。お幸せに」



 カップルということからの「お幸せに」とは分かっているが、それとはまた別の意味かもしれないと考える。


  ヒロ「さっきのお幸せにって、俺の胸中を察してなのかな」


  レン「たぶんね。2つの意味だと思うよ。いい人に相談できてよかった」


  ヒロ「ほんとうにね。なんだかすっきりした気がするよ。時間が経ってようやくわかるもんなんだね。パンとポリか」


  レン「またはその他か」


  ヒロ「ややこしいけど、先人せんじんが苦しみながら見つけたと思うと、よく見つけてくれたなって感謝したくなるね。誰に言えばいいかわからないけど」


  レン「あっちが東だからたぶん、東の方向へ感謝の言葉を言えばいいと思うよ」


 大きく息を吸って


  ヒロ「ありがとーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


 通りの人々が何事かと振り向く


  レン「スッキリした?」


  ヒロ「うん。おかげでね。誰か分からないけれど届くといいな」


  レン《かわいい》


 腕に絡みつく。


  ヒロ「どうしたの?」


  レン「ううん。なんでもない」


 ぎゅ


 タイトル回収しました。これで、レン×ヒロの話は終わりです。

 家族や職場の人たちが出てきましたが、名前がついたのはヒロこと日野宏一とレンこと池野彗蓮。ヒロの元嫁の恵美、最終話の相談に乗ってもらった幸次郎ことみゆき。

 極力登場人物が増えすぎないように注意した結果、4人だけがネームドとなりました。強そうですね。


 特に注意したのは、本番シーンで実況しすぎないようにしたこと。なるべく現実的な話にしたかったので。せっかくの15禁ですからね。描きたかったんです。愛がある描き方はこれが今は精一杯です。18禁を頭の中で想像してもらえると嬉しいですね。


 またそのうち、別のBLを描いてみようと思います。

 最後まで読んでいただき、お疲れさまでした。

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