PM 6:55
「そろそろ午後の部が終了になります。先にお会計をお願いします。」
と催促されて、もうそんな時間なのかと驚いた。
時刻は十九時を回っていた。結局、本を読み進めることなく、だらだらと考えあぐねてしまったわけだ。
私はレジへ向かう。気付かなかったが、どうやら御客は私だけになってしまったようだ。
「あそこに座っていた少年達はよく来るのですか?」
「うん? ああ、あの子は一年ほど前から来てくれていますね。常連ですよ」
店長の言葉に、私はいささか突っ掛かりを覚えた。だから、私は次のような言葉をかける。
「あの青年と少年はどんな関係なんでしょうね。兄弟には見えませんし、友人関係と見るには年が離れているようにみえる。」
店長は怪訝そうな顔をする。何が言いたいのか分からないというような・・・。
「でも、現代っ子は、ネットで繋がることもあるだろうし、そんな珍しいことではないのでしょうけど」
「・・・あの、すみませんが、あの席に座られていた方ですよね?」
「そうです」
「私が気づかなかっただけなのかもしれませんが、少なくともお会計の際は少年だけでしたよ。まあ、たまに大学生の方と話す風景をお見受けしますが、今日は来ていませんし・・・」