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オルタレイション  作者: マグciel
賢者の旅立ち
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プロローグ2 新しい賢者2

北東には吸血鬼が治め、常に夜である大陸、ミッドナイトがある。そこには吸血鬼の城があり、この大陸の中央には巨大な穴、ナイトホールがある。そしてこの城の王であるブラスク・スピネルの子であり王女であるエリス・スピネルが今、この巨大な穴へ入ろうとしていた。

〜数日前〜

「父様がこの間言っていた事なんだけど」

そう切り出したのは赤眼金髪の少女、エリスだ。

「あぁ、"暗黒神が再び蘇りし時、導かれし者たちがその闇を打ち消す”という、昔からの言い伝えの事か。あれがどうかしたのか?」

王であり父であるブラスクが言った。

「ナイトホールにある祠と関係があるとかどうとか言ってたし、この間は私の事も言ってたよね?」

どうやらエリスは自分が導かれし者である事、この瞳にある紋章がその証拠である事、そして祠が関係しているという事まで、ブラスクから聞いていたようだ。

「そうだな。紋章に選ばれた者があの祠に行き賢者の言葉を聞いたとき、その者に更なる力が宿ると石碑には刻まれていた。」

城にはいくつもの石碑が建ち並んでいたが、それはどれも先祖によって代々大切に守られていたものらしい。

「そ、だからあの祠に行こうと思うんだ。世界も見てみたいしね」

と笑顔で言ったエリスに対し、ブラスクは少し驚いたような顔をした。

「なっ女の子1人で大丈夫か?いや、護衛をつけようか…」

「大丈夫だって1人でいけるから!」

ブラスクは己が娘の成長を喜ぶべきなのだろうが、"娘1人で大丈夫だろうか。”という不安もあった。エリスはそんな心配を他所に、祠に行くことにした。翌日、ミッドナイトにある森の中を進んでいた。ナイトホールにある祠に行く途中のようだ。

「飛んでければ楽なんだけどな〜上から行くとモンスターに狙われやすいし、しょうがないか。」

そう言いながら歩いていると、やがて祠が見えた。上からは巨大な穴が空いているようにしか見えないが近づくと、祠の入口が見えた。

「えっと…ここに立てばいいのかな?」

入口にあるぼんやりとした光の筋が入った紋様の上に立つと、その瞬間エリス入り口から別の場所に飛ばされた。すると突如頭の中に声が聞こえてきた。

『ここはスペル・シュライン導かれし者の力を試す場。奥に眠る者にその力を示せ。』

それを聞き、エリスは奥に進んだ。この場所自体はただ広く、いくつかの支柱が建っているだけのシンプルな所だった。奥に3つの台座があり、その真ん中には宝玉がうまっていた。エリスが近くによると両端の2つの台座に炎が灯った。次の瞬間、真っ黒で黒い鎌を持ち、宙に浮いた影のような者が現れた。

「ふ〜ん、あなたがこの試練のボスなのかな?」

そう言うとエリスは先手必勝というように魔法を唱えた。

「ダークブラスト」

そう言うとエリスが影に向けた手から魔法陣が発動し、黒球が影に向かって放たれ、爆発した。だが、影は何事も無かったかのようにそこに佇んでいた。

「まぁこんなもんじゃ殺れないよね♪じゃあこれならどうかな?トラジディー」

その言葉を紡ぐと、先程よりも巨大な魔法陣が影の下に現れると、"ドクンッ”っと魔法陣内の空間が揺れ、黒い霧に覆われた。しかしこれも影には通じず、少し疲れた様子で

「う〜ん、これどうすればいいんだろ」

とエリスが言った後、影が突如エリスに迫ってきて、鎌を一振した。エリスは防御魔法を唱えようとしたが、その前にエリスの右肩から左腰あたりまで斬られてしまった。

「グッ、かはっ…」

エリスは膝を着いて血を吐いてしまった。だが影は攻撃を辞めなかった。影はエリスへ手を向けダークブラストを放った。それはさっきエリスが放ったダークブラストよりも威力が強かった。エリスは吹き飛ばされ、ボロボロになっていた。

「はぁ、はぁ…。な…んで、はぁ。(なんで私の魔法が効かないの?……とりあえず色々試してみないと。)」

影は鎌を少し離れた位置からエリスに向かって振り下ろすと、黒い斬撃が飛んできた。エリスはそれを避けると、

「ダークフレア」

と魔法を放つと影を中心に黒い炎が周りに広がった。だがこれも効いているようには見えなかった。(やっぱこれもダメ。どうすれば……っ!そうだ!これなら…)エリスは自分の左眼にある賢者の紋章を思い出すと、眼に魔力を集中させた。すると紋章が光り、影の右腕にコアがある事に気づいた。

「なるほど。試練ってこういう事だったのか。」

そう言うとエリスは影に迫ると、影はエリス目掛けて鎌を振り下ろした。

「メランゼーデル」

エリスはその攻撃を避けると、魔法を放った。闇属性の大きな斬撃は影の右腕を切り刻んだ。すると影は液体のようにその場で消えてしまった。しかしエリスもその場に倒れこんでしまった。薄れゆく意識の中、あの声がまた聞こえてきた。

『私の名はラミア。その紋章の力を解放せし賢者の末裔よ、その力の名は真実の眼(ファクトアイン)。真実を見抜く力である。導かれし者たちと暗黒神を倒す役目がそなたにはある。その力を使いその役目を果たしてくれ。頼んだぞ…』

エリスは這いながらも試練の証に埋め込まれている宝玉をなんとか入手し、意識を失った。その後意識を取り戻した時には既に城に戻っていた。後から聞いた話によると、3日程帰ってこなかった為様子を見に来た兵士が祠の入り口で倒れているエリスを発見し、城に連れ帰ったとの事だった。エリスは父に祠での事を話すと、父から

「そうか。実はお前の母ラミアは5賢者の1人だったのだ。しかし暗黒神を封印した後、殲誓天の一体と交戦し力を使いきり、命を落としてしまったのだ。」

あの声が母親の声である事を知り、エリスは驚愕していたが、

「…父様、私が暗黒神も殲誓天も倒してくるよ!絶対にっ……」

エリスはそう父に誓った。すると父は少し悲しそうにしながらもどこか嬉しそうにエリスに言った。

「お前も成長したのだな。ではセカンドパーロンの先にあるセントラルに向かうといいだろう。そこにお前達の仲間が集まる。"賢者が集いし時、新たな扉が開かれる”我が先祖から伝えられてきた最後の言い伝えだ。頼んだぞ」

「ありがとう父様。行ってくるね!」

エリスは父に成長して認められて嬉しくなった。そしてエリスは父に挨拶すると、ナイトフォールと城の周りを覆う広大な森ダークフォレストの南西にあるセカンドパーロンに行くためダークフォレストを進んでいた。影に付けられた傷はすっかり回復しており、吸血鬼族(ディアグレ)の驚異的な能力の片鱗を見せていた。

「ん〜この辺の魔物は全然襲ってこないなぁ」

とフラグを立てた瞬間どこからか攻撃が来たが、エリスはサッと身を捻り回避した。そこには1つ目の熊が居た。

「アルクトス。この辺りじゃあ割と強かった気がする♪」

余裕そうな表情を見せているエリスにアルクトスが爪で切り裂こうとした。しかしエリスは軽く避けると、後ろの岩が豆腐のように切り裂かれた。

「当たったらそこそこ痛いだろうけど、当たらなきゃどうということは無い(キリッ」

そう言うとエリスはファクトアインを使い、アルクトスに向け魔法を放った。

「ダークペネトレイション」

エリスが魔法を放つと、黒い光がアルクトスの心臓を貫きアルクトスは力尽きた。

「へぇ、下級呪文でもここまでできるんだぁ。やっぱこの眼、自分の眼だけどすごいなぁ」

と改めて感心したようだった。少し進み、橋が見て来た時だった。突如その辺にあった岩が積み合わさり、ゴーレムへと変わった。

「グォォォォ」

エリスに殴りかかってきたが、エリスはファクトアインを発動させ魔法を唱えた。

「ダークブラスト」

その眼で見えていたコアを魔法で撃ち抜くとゴーレムは音を立てその場に崩れ、起き上がることはなかった。

「ま、ゴーレムくらいならこの眼を使う事もなかった気がするけど、練習にはなるでしょ。長時間使うと結構疲れるし。」

と苦笑いしながらゴーレムを形成していた岩に付いていた光る石を採ると、セカンドパーロンを渡ってセントラルへと向かった。

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