サイト
ギャヴに連絡をした。向こうの国とこっちの国とは時間が反対だが、一日中ほとんど連絡の繋がるギャヴにとってそれは全く関係なかった。
「暇だ。そっちの生活が恋しいよ。今そっちは深夜か?」
ギャヴへの僕のこのメッセージはもちろん英語だが、日本語にするとこんなもんだろう。
「いまこっちは5時、朝のな。日本人ってのは相手を第一に考える民族って聞いてたが、お前は何人だ?ははは」
英語圏のチャットにつく特有のhahahaは最初は鼻についたが今ではあまり気にならない。僕自身が使うのは特に好きではないが。
「どうせゲームしてたんだろさっきまで。日本は平和で暇すぎるんだ。何か面白いサイトでも教えてくれよ。日本に帰ってからは違法ダウンロードとか気にしてたけど、この際それは気にしないから」
日本よりも取り締まりが緩いというギャヴの母国では、僕自身がダウンロードしてた訳でもなかったので特に気にしていなかったが、こっちで自分のpcを使うからにはそうはいかない。ネットには疎い僕だからそこは気にしていたが、暇というものはそういう危機感を薄れさせる。
「面白いサイトといえば、最近俺はI don't care ってサイトをよく見てるぜ。見るだけなら違法でもなんでもないがやってることはある意味違法だな、まあ見る俺たちには関係ない。最初は無視してたが、このサイトのタイトルがなんともお前のようで一度覗いたら最高にクレイジーなやつばかりで笑わせてくれてよ、さっきまでもそのサイトを見てたんだ」
なんだ、ゲームをしてたわけではなかったのか。それにしても、日本語訳にして"どうでもいい"なんて言葉が僕のようだなんて、なんとも言えない感覚だ。とりあえず、その僕のようなサイトを覗いてみようか。海外からの帰国後、二ヶ月のバイトのお金でようやく買った、僕には似合わない高スペックのpcに、お世辞でも早いとは言えないタイピングでサイト名を打ち込んだ。




