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燃えゆく王都

王都は海に面した都市で、デンマークのクロンボー城というお城をモチーフにしています。

王都 


17:00王都領沖 実験艦フィーア艦橋

ポイントデルタから離脱し、先行するヘイルダムの後に付けて3時間が経過していた。

太陽が西の地平線へ沈みゆこうとしている。

周辺を覆う霧はいつの間にか消え、気温が下がってきたせいか粉雪が舞い始めていた。


「そろそろ王都が見えてくるはずだな」


「王都…無事だといいが…」


「ラース、そういえばお前の家族は確か王都に…」


「ああ…。俺の親父はもう軍を退役しているし、母親は病院の看護師だ。陸軍の連中に喧嘩でも売らない限り、殺されたりはしていないはずだ…」


「王都には警備部隊や王城に駐屯している近衛部隊がいます。そう簡単に陸軍に占領されているとは思えません。ラース先輩のご家族もご無事のはずです」


「アンナの言う通り警備部隊はともかく確かに近衛は精鋭だ。陸軍の物量と言えど1日や2日で占領はされないさ」


「そうだな。今は目の前のことに集中するか。クルト、アンナ、ありがとうな」


その直後、見張り員より報告が届いた。


「前方に王都を確認!王城、市街地より無数の黒煙が上がっています!」


「艦長!」


「陸軍によって王都が占領されていた場合、海岸砲と城塞砲から攻撃を受けるかもしれんな…。総員戦闘配置。針路そのまま。引き続きヘイルダムに続け」


「了解!」


ーヘイルダム艦橋ー

「ぺタス司令、各位配置に就きました」


「よし、各員に通達する。これより本艦は王都湾内へ突入する。王都の状況が分からない以上こちらから先制して攻撃を行うことは禁じる。敵に攻撃された場合、王城・市街地への被害を考慮して反撃は副砲以下の小口径砲にて行うものとする。ただし、側面の海岸砲より攻撃を受けた場合は主砲での反撃を許可する。以上」


「艦長、今の文言をそのまま通信でフィーアに送ってくれ」


「了解!通信室応答せよ」


「艦長!ヘイルダムより通信!内容は…」


「先制攻撃を禁じる…か。ぺタス司令らしいな。民間人やこのクーデター後の事も考慮している。クルト副長、この内容を各員に通達してくれ」


「了解!」


「アンナ砲術長」


「はい」


「主砲弾を試製白燐弾から対城塞用徹甲弾に変更してくれ」


「艦長!対城徹甲弾と白燐弾では、」


「分かっている。だが今回はアングレットの時と違い長時間湾内に留まることとなるだろう。それに王都の海沿いはアングレットよりも風が強く吹く。煙幕がすぐに流されてしまう恐れがある。海岸砲からの攻撃があった場合、艦の安全確保も含めて通常弾で破壊するしかないだろう」


「艦長…気候まで考えていらしたとは…。私、今初めて艦長のことを心の底から尊敬しました」


「今まで尊敬していなかったのか?全く、俺だってやる時はやるんだ。普段はこの才能を隠しているだけなんだ」


「はいはい、艦長は大変優秀です。普段からその才能を遺憾なく発揮されていればヘイルダムの艦長も夢ではなかったでしょうに」


「人生で一番大切なことは地位や名誉ではない。大切なのは上質な睡眠だ。人間は寝ている時が一番幸福なんだよ」


アンナは呆れたようにその場で息を吐くと主砲塔へ指示を出し始める。

艦長は肩をすくめて、艦長席に戻る。


「間もなく湾内へ入ります」


「左舷方向の海岸砲に注意しつつ突入せよ」


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