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変化ときっかけ

ダークサイド、感情の黒い部分吐き出してます。モヤっとしたらごめんなさい。

 閉じた――――んだよね???


 あれ?

目を開けるとそこは見慣れない景色が広がっていた。

 ここはどこだろう。駅のホームでも、病院でもないし、何か薄暗い石壁の部屋にいる。それに私、身体が全く痛くない。そもそも電車にはねられたはずなのに傷一つない。

どうなってるの?やっぱりここは死後の世界なの?


「成功しましたね」

「ああ、よくやった。これで異世界人のエネルギーを使って、エネルギーを強化することができる」


 声のする方を向くと、部屋の中には数人の人がいて何か会話をしている。

 一応、言葉はわかるみたいでちょっと安心だけど、何?いま異世界人とか言ったよね。自分の状況がよくわからなくて頭が追い付かない。


 すると、グレーの髪色のちょっと冷たさを感じる雰囲気の男性が話かけてきた。

「異世界人よよく来た。ここはルイン城。我が名はアインスと申す。そなた名は何と申す?」

「さえ、いえ、美琴ですけど...」

「美琴か、良い名だ。美琴には我の目的に協力をしてもらう為この世界に呼んだ」

「目的ですか?」

「ああそうだ。人とは都合の悪いことは他人に押し付け、それを当たり前だと思い感謝もしない。なのに自由でいる者に人々は集まり関心を向ける。では見向きもされない者は?ひたすら与えられた仕事をこなす日々、そんな人生を送ることは不条理だと思わないか?美琴にも心当たりはあるであろう?」

「それは・・・」

 確かにそうだ、自分の気持ちを表現するのが苦手で、他人の目を気にするのが習慣になってからは更に周りに馴染めなくなって学生時代も係の仕事を押し付けられたり、仲間外れにされてきた。目立つ子のところにはいつも人が集まって、私はいつでもその輪に憧れていた。流されるように親の知り合いの会社に就職しても、やっぱり上手く周りに馴染めなくて、そのせいで今日も責任を押し付けられた。


「その顔は肯定ととってもよさそうだな。どの世界にも他人のことは考えもしない輩はいる。そうだ、このような不条理はこのまま許されていいものではない。我はこのような世界に終止符を打ちたい。美琴よ、そなたのその負のエネルギーがあればそれが可能となる。我に協力をしてはもらえぬか?」


 自分の負の感情を見透かされることが嫌で私は目をそらし、うつむいた。

 正直、この人の気持ちも少なからず理解できる。私も、世の中や周りの人を妬んだり恨んだこともあったから。

 でも私はそれよりも自分自身を変えたかった。嫌なことを嫌だと言えない自分。間違っていることを間違っていると言えない自分。何より人を妬んだり、恨んだりする、このドス黒い感情を抱いてしまう自分が嫌で嫌でたまらない。

 さっき自分はここで死ぬんだって思ったとき、すごく後悔した。変わりたいと思いながらも何もしてこなかったから。でも、最後に勢いで痴漢をやったことにされそうになった人を助けようと行動できたとき。私だって変わることができるのかもって思えたから、やっぱり誰かのせいにしたり、ただ逃げることで終わりにすることはしたくない!


 私は顔を上げてアインスさんと目を合わせた。

「・・・い、いやです。ごめんなさい。私は変わりたいんです!上手くいかないことを人にせいにするんじゃなくて、自分自身が変わってもっと自由に生きたい。だから協力はできないです」


 自分の考えをちゃんと言えた!だってここで流されて自分の憎悪に飲まれて世界への復讐を手伝ったりなんてしたら、私はもっと今まで以上に後悔することになる気がする。


「...そうか、それは残念だ」

 アインスは一瞬苦しそうな顔をした後、微かな笑みを浮かべて静かにそう呟いた。


(ひッ!目が全く笑ってない、怖い...)


「死にぞこないを助けてやったと言うのに...美琴とは分かり合えると思っていたのだが残念だ。もうよい、こやつを禁断の森へ捨ててこい」


「えっと禁断の森?」

「あぁ精々、腹の空かせた動物に可愛がってもらうといい」

 とアインスはとても美しい笑顔で私を見送ったのだった。



続きを読んでくださってどうもありがとうございます。

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