あーくん
その人は、
「またお兄ちゃんたちを心配させるつもりか?」そう言って僕を怒った。
「うるさい。僕の勝手でしょ?邪魔なんだよこれ…」
「本当は邪魔なんて思ってないだろ?何で抜くんだよ…」図星だった。
別に普通に過ごすうえで、邪魔だなんて思わない。
だけど、抜く理由としては最適…だった。
「別にいいでしょ?」
「だめ。発作おきる…」
「そんなの知らない。別に良いんじゃない?おきたって…」そう言ったとき、今まで僕の手を握り締めていた手が、僕の頬を触った。
「そんなこと言わないで。ひな君が苦しんでいるのを見るの、辛いんだよ…」そう言って一粒の涙を流した。
「うん…ごめん…」僕は、素直になれなかった自分と、心配しかかけてなかった自分を反省した。
「ううん。眠いだろ?おやすみ」そう言って僕の頭をなでた。
僕は優しさに触れて、涙が止まらなかった。
「おいおい、発作おきちゃう」そう言いながら、笑顔で僕の涙を拭ってくれた。
「本当にごめんね。でも嬉しかった…」
「もうひな君は本当にバカだな…でも、そんな所も全て大好きだよ」そう言って僕に最大の笑顔を見せてくれた。
僕は、その笑顔を見ながら、夢の世界に入っていった。




