部活
7月に入って、僕の体調はより一層悪くなっていた。
でも、部活に行くため、重い体を起こして、リビングに向かった。
「おはよー」
「おはよーってひな君体調悪そうだな…」やっぱりあーくんにはばれたか…
吐き気も襲ってきて、
「気持ち悪い…」そう言って僕は洗面台に行って吐いた。
「ひな君、大丈夫か?」そう言いながらあーくんは僕の背中をさすってくれた。
吐き気が収まって、リビングに行こうとしたとき、軽い発作がおきた。
僕は壁に手をついて耐えていたが、すぐにあーくんが気づいてくれて、ソファーまで連れて行ってくれた。
発作が収まった所で、
「今日は学校休もうな」ってあーくんに言われてしまった。
「嫌だ。甲子園まで時間的ないもん」そう言いながら僕はソファーから降りた。それでもあーくんは、
「ひな君、発作おきたの分かんないの?学校は行くな」そう言って僕を軽く怒った。
「いーや。このくらい大丈夫だから…」そう言って準備をし始めたけど、本当は立っているのだけでも辛かった。
「無理しないって約束だっただろ?」
「無理なんかしてないもん」そう言いながら僕は家を飛び出した。
「おい待て!!」あーくんは追いかけてきたけど、僕は走った。
久しぶりに走って、凄く気持ち良かった。
「陽斗!走るな!!」
「えっあーくん?」僕はあーくんにいきなり『陽斗』って言われて、びっくりして走るのをやめた。
「馬鹿か。走ったら心臓に負担かかるって言ってるだろ?」本気で怒られた。
「うん、でも…」
「でもじゃない!送って行ってあげるから、家に帰るよ」
「ふえっ?いいの?」
「行かないならそれが良いけど?」
「行く~ありがとう」
僕は車に乗って、学校まで向かった。
「ひな君、授業は体調悪かったら保健室居ろよ!」
「はーい」
「それと、いつでも迎え行くから、やばくなったら電話な」
「はーいってあーくんは心配性だな…」
「朝倒れたんだそ?忘れんなよ!!」
「ほい!じゃあ行ってきま~す」そう言って僕はグラウンドに向かった。




