新年
「あけましておめでとう!」そう言いながらあーくんは僕を起こした。
「あけましておめでとう…」僕はそう言いながら起きた。友ちゃんはもうさっさと起きてしまったらしい。
「どうした?テンション低いな…」そう言ってあーくんは僕を覗き込んだ。
「あーくんがテンション高いだけだろ」そう言って笑ったけど、今日は朝からだるさを感じていた。
まー新年最初の日だから、何事もなく終わりたいけど…
洗面所に行くと、友ちゃんが顔を洗っているところだった。
「友~ちゃん、あけましておめでとう!」
「あけましておめでとう!」そう言いながらリビングに向かうと、あーくんが、
「2人ともそこに正座!!」って言った。
僕は(ふぇ?)って思ったが、友ちゃんと一緒に正座する事にした。
友ちゃんと顔を見合わせたとき、あーくんが口を開いた。
「ひな君、友ちゃん。お年玉」そう言いながらあーくんは僕らにぽち袋を渡した。
「「ありがとうごさいます」」そう言って僕らはニヤニヤしながらそのぽち袋を受け取った。
「神社行くぞ!」そう言ってあーくんは車を走らせた。
行き先はもちろん神社だ。
車に乗っていると、案の定車に酔って、吐き気が襲ってきた。
しかし、すぐに着いてトイレに駆け込むことが出来た。
「お待たせ~」そう言いながら僕はあーくんたちの元に平気な顔で帰った。
あーくんたちは幸い、僕の体調不良に気づいてないようで、参拝の列に並んだ。
5分くらいして、頭がぼーっとしてきた。
僕の体調の変化に1番に気づいたのは、あーくんではなく、友ちゃんだった。
「お兄ちゃ~ん、手、つなご~♪」
「……」
「ん?陽斗お兄ちゃん?大丈夫?」そう言って僕の顔を見上げた。
「ひな君、どうした?少し休もうか」あーくんがそう言ったけど、それだとまた列ばないといけなくなるので、
「ううん。お参りしたら…」そう言ってがまんする事にした。
「じゃあお兄ちゃん、友と手、つなご?」そう言いながら、友ちゃんが手を差し出してきた。
「分かった」そう言って、僕はその手を握った。
「ひな君、少しあっちのテント行こうか」そう言ってあーくんは僕を休ませようとした。
「うん。ありがと」そう言いながら僕は友ちゃんと手を繋ぎながら、テントに向かった。
そのテントでは、甘酒が売っていて、たくさんの人がイスに座って甘酒を飲んでいた。
「朝日お兄ちゃん!あれ飲む~」そう言って友ちゃんはあーくんにせがんだ。
「はいはい。ひな君も飲むよな?」そう聞かれたので、首を縦に振ると、
「すいませ~ん!甘酒3杯ください」そう言ってあーくんは甘酒を注文した。
「それでひな君、熱ありそうだな…」そう言いながらあーくんは僕のおでこに手を当てた。
「へーきだって」そう言ったけど、頭はガンガンしていたし、体もだるかった。
「うわっこれが甘酒!?」そう言いながら友ちゃんは、初めて見る甘酒に感動していた。
そして、甘酒を飲むために、僕の手を放した。
僕はなんだか寂しい気持ちになったが、その代わりとして、あーくんに甘えてみた。
「あーくん、眠たくなっちゃった…」そう言いながら僕はあーくんの肩に頭を乗せた。
「ん?ひな君?おやすみ~」そう言って、あーくんは僕の頭をポンポンしてくれた。
「ひな君、帰るよ~」そうやってあーくんに起こされた。
「んー」僕は曖昧に返事をして、立ち上がった。
ふらついてしまった僕を、あーくんはそっと支えてくれた。




