文化祭
今日は青山学院の文化祭だ。
僕らのクラスは、『メイドカフェ&執事カフェ』と題した喫茶店をする事になった。
もちろん僕らはタキシードを着て接客する。
「ほら圭、早く出てきなよ」そうせかすが、圭がなかなか出てこない。
「陽斗~無理、恥ずかしい…」そう言う圭を無理やり引っ張り出した。
「圭なかなか似合ってるよ」
「これで接客!?」
「やってみなよ、『お帰りなさい、お嬢様』ってね」
「まー陽斗はなかなか様になってるよな…」そう言って笑った。
僕は結構楽しくて、早く接客がしたくてたまらなかった。
しかも、今日の文化祭は、あーくんと友ちゃんが遊びに来てくれるらしい。
そして文化祭が始まった。
「お帰りなさい、お嬢様」僕がそう言うと、
「キャーカッコイい」そんなことを言ってくれるお客さんもいた。
「やばい陽斗…」そう言って圭が笑いながら僕の方に来た。
「どうした?」
「このカフェにかっこいい人が居るって噂になっちゃって、お客さんが半端ないぜ」
「誰?かっこいい人…」僕がそう言うと、
「陽斗だよ…」圭は呆れながらそう言った。
「えっ僕!?」かっこいいとかあまり言われたことなかったから、かなりびっくりした。
だってあーくんの方が断然かっこいいから…
そう思ってしまう僕はやっぱりブラコンだ。
「あっ朝日さんたち来たみたいだぜ」
「マジで!」僕はかなり嬉しかった。多分顔もニヤニヤしていただろう。
「ひ~な君、来たよ~」と手を振りながらやってくるあーくんは、やっぱりかなりかっこよかった。
「ありがとう!友ちゃんも…」そう言って僕は友ちゃんの頭をなでた。
「えへへ」友ちゃんは、僕になでられて嬉しそうだった。
「ご注文は何にしますか?」
「何にしようか…うーん、お兄ちゃんはアイスコーヒーで。友ちゃんは?」
「友は…コーラフロート!!」
「はーい。では少々お待ちください」僕はそう言って裏に下がった。
「神谷君」とクラスの女の子に声をかけられた。
「ん?なに?」
「あのさ、さっきのお客さん知り合い?」さっきの…ってあーくんたちか…
「うん!兄と弟だけど…」
「マジで!超かっこいいね」
「でしょ、僕の兄すごいかっこいいよな…」僕は少し誇らしかった。
「後でメイドカフェにも来てもらおうっと」
「そう言っておくよ」
「ありがとっじゃあね」そう言って彼女は去っていった。
「お待たせしました。コーラフロートとアイスコーヒーです」
「ありがと~」
「あのさ、クラスの女の子がさ、後でメイドカフェにも来て欲しいって」
「何で?」
「さぁ?あーくんがかっこいいからじゃない?」僕が笑いながら言うと、
「お兄ちゃんが?」そう言って首を傾げた。
「そうだよ!!」って僕が答えると、友ちゃんが
「ねぇ友は友は?」って聞いて来た。その姿がかなり可愛くて、つい笑ってしまった。すると友ちゃんが、
「ぶーお兄ちゃんひど~」そう言って頬を膨らませた。
僕はその膨らんだ頬をつまみながら、
「友ちゃんも一緒にね」そう言った。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去った。
来年はどんなことをしようかな…そんなことを思いながら僕は家に帰った。
でも忘れてたんだ、僕は病気だってこと…
今思えば、これが最後の文化祭だった…




