部活~試合~
あれから1ヶ月たった。
「行ってきま~す」
「気をつけてな、本当に今日見に行けなくてごめんな」
「ううん。じゃあね」
今日は練習試合で、僕は先発で投げる予定だ。
「なぁ陽斗、俺完全試合してみたいんだよ。陽斗頑張れるか?」
「あぁもちろん!僕もしたいからな」
「了~解。じゃあピッチングするか、全力でこいよ!」
「あぁ」
何球か投げたとき、副作用の吐き気が襲ってきた。
「うぅ…やばいかも」
「陽斗?大丈夫?トイレ行こうか」
「あぁ、ありがとう」そう言って僕はトイレに着くなり戻してしまった。
「大丈夫か…」そう言いながら圭は僕の背中をさすってくれていた。
「陽斗、ちょっと痩せたか?」
「かもな…」
戻した後は点滴をして栄養をとっているし、部活がない日は前の吐き気がでない薬を飲んでいるけど、やっぱり体重の減少は否めない。
「きつい時は俺に言えよ。無理すんな」
「サンキュー」
そして試合が始まった。
今年から高校野球でDH(打つだけの人)が解禁されて、僕は投球に集中する事が出来た。
そして1回、2回はすべて三振に討ち取った。
しかし僕らのチームも1点も取れずに3回を迎えた。
先頭バッターを三振に討ち取ったものの、次のバッターに打たれてしまった。
それでもショートの竜也がナイスキャッチしてくれて、ランナーを出さずに済んだ。
そして最後のバッターはきっちり三振に討ち取った。




