部活~副作用~
「陽斗、ここ!」
「了~解」僕と圭はピッチングの練習を始めた。
やべー体がなまってる…
「おっけー今のいい玉」圭は結構褒めてくれるから、調子に乗りやすい。
僕は、中3で、145kmの球が投げられた。
高校に入ってすぐに150kmの球を投げられるようになり、期待の新人として注目された。
なのにあのざまで、投げられなくなってしまった。
今の最高は135kmで、だいぶ球速が落ちてしまっている。
「もう一回同じ玉」
「ほーい」そう言って投げたとき、激しい吐き気が僕を襲った。
「ごめん、ちょっとトイレ」そう言いながら僕は体育館裏のトイレに駆け込んだ。
3分くらい吐き続けて、少しは楽になった。
あれ?今日体調悪くないのに…
あっ副作用吐き気だった。あんまり聞いてなかったけど…
トイレから出ると、圭が立っていて、
「どうした?具合悪い?」そう言って僕を気にかけてくれた。
「ううん。新しい薬、副作用あるみたいで…」
「大丈夫?」
「うん!ピッチングしようか」
「分かった…けど、きつくなったら言えよ?」
「ほーい」圭は、ちゃんと僕の気持ちと体調を分かって接してくれるから、本当にありがたい。
「よし!いい玉。140km越えたんじゃない?」
「かもな、もう一回いくぜ」
「あぁ」
僕は放課後まで投げ続けた。それに圭は付き合ってくれて、結構楽しかった。
「じゃあな」
「あぁ」そう言って僕らは別れた。
すぐにあーくんが迎えに来てくれて、家に帰ろうと車に乗った。
「ひな君、今日体調大丈夫だった?」
「うん!」僕は副作用のことは言わなかった。
そのときまたさっきの吐き気が襲ってきた。
「うぅ…ハァハァ」
「ひな君?気持ち悪い?」そう言って車を路肩にとめて、僕の隣にきた。
「あーくん?」
「袋あるから戻していいよ」そう言われて、僕はあーくんが持ってきた袋に戻した。
「ごめんな、新しい薬の副作用だろ?きついな…」
「ううん。野球したいから、大丈夫」そう言って僕は眠りについた。




