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入院~発作~
「ひな君!ひな君!」
「あーくん?」
「良かった気がついて」気がつくと、息が苦しくて、頭がぼーっとしている。
「熱が下がらなくてさ、今きつい?」そう言われたので、
「うん…」って答えると、
「ごめんな、今から点滴するから、もう少し待ってて」って言って、僕のおでこに手を当てた。
その時、胸が急に痛くなった。発作だ。
「ハァハァ」あーくんの手を振り払ってベッドの上でうずくまってしまった。
「ひな君!?大丈夫だから、意識ちゃんと持ってね。今点滴持って来てるから…」
「あーくん…ハァハァ」
「喋らないで!お兄ちゃんここにいるから」そう言ってあーくんはナースコールを押した。
僕は痛みと息の苦しさで、意識を保てなくなってきた。
「ひな君!もう少し頑張って!」
「あーくん…無理かも…」その時、やっと点滴が到着したみたいで、腕に少し痛みがきた。
胸の痛みが収まってきて、息も少しは楽になってきた。
「ひな君頑張ったな。もう寝てていいよ」そう言ってあーくんは僕の頭をポンポンしてくれた。
そして、意識をすーっと手放した。




