入院~予選大会~
甲子園の予選が始まった。
僕は起き上がるのがきつかったから、足元にあったテレビ台を横に持ってきてもらって、あーくんと2人で見た。友ちゃんは友達の家に遊びに行ったらしい。
僕の学校は強豪校。相手の学校は、まだ一度も甲子園に行ったことのない高校だった。
3回の裏までは0対0で、試合が大きく動いたのは、4回の表、相手の攻撃だった。
ピッチャーの中澤先輩が、フォアボールでランナーを出し、続くバッターに、特大ホームランを打たれたのだ。
更に、裏の攻撃では点を入れれず、2対0で5回表を迎えた。
この回で魅せたのは、サードの新田先輩だった。
ファール線ギリギリのライナーをダイビングキャッチして、流れを引き寄せた。
そして裏の攻撃。流れに乗ったチームは、先頭バッターが三塁線を破る3ベースヒットを打ち、更に続くバッターがセンター前ヒットを打った。
その間に、三塁ランナーがホームインして、2対1になった。
更に攻撃は続いて、この回に5点も入れた。
その流れで最後までやり通し、2対9で圧勝した。
「あーくん!凄いなぁ先輩たち圧勝だよ!!」僕は結構興奮していた。
「そうだな。後何勝だ?」
「えっと…4勝すれば甲子園!」
「4勝!?結構大変だな…」とがっかりしていたが、僕は甲子園に行けるって信じている。
「と言うか、ひな君疲れてない?顔色悪いけと…」言われてみれば、応援に熱が入って、少し疲れたかもしれない。
「ちょっと疲れたかも…寝るね」そう言って僕は眠りについた。




