入院
起きると、見慣れた病室だった。
僕には酸素マスクが付けられていて、腕には3本くらい点滴が刺さっていた。
体は重くてあまり動かせなかった。
しばらくすると、あーくんが病室に入ってきて、
「ひな君!?大丈夫?苦しくない?」そう言って僕を抱きしめた。
「うん。だからこれ外して」そう言って酸素マスクを指差した。
「大丈夫?外すよ」と言いながら、あーくんは酸素マスクを外した。
「ゴホゴホ」最初は苦しかったけど、だんだん慣れてきて、苦しくなくなった。
「ひな君教えて!なんであんな所にいたの?」あんな所?あっ体育館倉庫のことか、
「えっと、高野先輩に…」言いながら、倉庫での出来事がフラッシュバックして、息が苦しくなった。
「大丈夫だよ?お兄ちゃんいるから…ゆっくりでいいよ?」そう言いながら、あーくんは僕の背中をさすってくれた。
「あのね、高野先輩に呼び出されて、ハァハァ」
「うん。大丈夫だよ?」
「行ったらベルトで叩かれて、気づいたら発作がおきていたから…」言い終わると同時に、僕の目からは涙が溢れていた。
「言ってくれてありがとな。疲れただろ?」そう言ってあーくんは僕をベッドに寝かせると、僕の頭をポンポンした。
僕は安心して、すぐに夢の世界に入っていった。




