体育館倉庫
次の日はちゃんと学校に行けて、部活にも顔を出せた。
まだ少し体調が悪いから何も部活に参加出来ないけど…
「おー陽斗!昨日は大丈夫だったか?」
「うん。友ちゃんが僕を看病してくれてさ…」こんなことを話していると、
「陽斗、ちょっとこっち来て」そう言って高野先輩に呼び出された。
「はい。なんですか?」
「今日部活終わったら体育館倉庫に来い」
「えっ倉庫ですか?」
「あぁ、陽斗に話があるから」
「あっはい分かりました」
「先輩なんて?」
「部活終わったら体育館倉庫に来いってだから先帰っていいよ」
「うん…了解!」
<部活終わり>
「圭じゃあな!」
「あぁ。また明日」圭と別れたあと、体育館倉庫まで急いだ。
「先輩~?」先輩はもう倉庫の中にいるようだ。
「陽斗入れ」高野先輩だけじゃなくて、3人くらいいるみたいだ。
「えっはい」倉庫の中に入ると、すぐに入口の扉が閉められた。
「えっ先輩!?」
「お前本当うざいんだよ」そう言っていきなりズボンのベルトで背中を叩かれた。
「ゴホゴホ」えっ何?先輩!?
「その仮病も止めろって」仮病か…それだったらどんなにいいものか…
「少し上手いからって調子に乗りやがって。そのせいで俺らのポジションがないだろ?」
高野先輩は、3年生だけどレギュラーではない。僕らの野球部は強豪校だから、3年生だけでも30人もいる。
だからレギュラーじゃなくても僕のせいじゃないのに…
そんなことを考えていると、またベルトで叩かれた。
「ゴホゴホハァハァ」僕はベンチに倒れ込んだ。
息も苦しくなってきて、胸も痛くなってきた。
「高野もう止めようぜ」そう言いながら、先輩たちは倉庫を出て行った。
「ハァハァ」僕は倉庫を出ようとしたが、体に力がはいらず、床に倒れ込んでしまった。
咳も止まらなくなって、意識を保つことで精一杯だった。




