友ちゃんの看病
「あーくん?」起きて周りを見渡すと、あーくんの姿がなかったけど、
「お兄ちゃん?」と台所にいたっぽい友ちゃんが、僕の所にきた。
「お兄ちゃんならコンビニ行ったよ!」
「ありがとう。というか友ちゃん大丈夫なの?」
「うん!もう元気だよ!だからお兄ちゃんの看病する!」
「僕の!?いいよ。ちゃんと休みな?」
「えーー」そこであーくんが帰ってきた。
「ただいま~ひな君起きた?」
「ゴホゴホ。おかえり」と僕が言うと、
「熱下がったっぽいね、良かった!喉乾いてない?」と、今買ってきたらしいスポーツドリンクを出した。
「少し…」
「じゃあついでくるから、ちょっと待ってろ」
「待って!友が注いでくる~」と友ちゃんがあーくんの後について行った。
「友ちゃん?まだ休んどけ」ってあーくんが言っても、友ちゃんは
「嫌だ。友が看病するの!」そう言って引き下がらなかった。
「分かった。これ注いでくれる?」ってあーくんが折れて友ちゃんにペットボトルを渡した。
「お兄ちゃ~ん飲める?」友ちゃんがこぼさないように両手で慎重にコップを持ってきた。
その姿がとてつもなく愛くるしくて、『目に入れても痛くない』とはこの事なんだと思った。
「友ちゃんありがとう」そう言って友ちゃんを抱きしめた。友ちゃんは恥ずかしそうに、
「こぼれちゃう~」って言って笑った。
「はいはい」といいながら友ちゃんの持ってきたスポーツドリンクを飲み干した。
「まだ寝る?」と友ちゃんは首を傾げた。
「うん。まだ寝るね、おやすみ」
「おやすみ」




