野球の仲間
僕は、キャッチボールのみ参加させてもらえることになった。
それ以外は、日陰か保健室にいろって言われてしまった。
野球部顧問の大宮先生にはあーくんが伝えるらしいけど、やっぱり自分でも言っとかないとな…
そんなことを思っていると、親友の圭が話しかけてきた。
「陽斗!!練習していいのか?」
「いや。キャッチボールだけ…」
「そうか…甲子園は?」そう聞かれたので、僕は首を横に振った。
「今回は先輩に花を持たせろってことだな」
「それあーくんにも言われたよ…まー僕に気を遣うなよ?」
「気を遣うもなにも、俺レギュラーですらないし…」
「圭も先輩に花を持たせるってことか?」そう言って僕らは笑った。
「あっ大宮先生ー」僕はあまり走るなって言われたけど、部活中だから、走って先生の所に向かった。
「神谷?←(陽斗の苗字)あぁ…」
「ゴホゴホ。先生、あの…」息が切れて、上手く話せなかった。
「ゆっくりでいいぞ」
「えっと、僕のことですが…すみませんでした!」僕は頭を下げて謝った。
「神谷?心配せんでいいぞ。ちゃんと休め。そのかわり来年俺を甲子園優勝の先生にしろよ?」
「はい!」
僕は最初のキャッチボールだけ参加して、後は木陰に立っていた。
休憩時間のたびに圭をはじめとした2年生の仲間たちが、僕の所に集まってくれて、僕は本当に幸せ者だと思った。




