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罠迷宮の管理主   作者: 久吉
39/43

36話 セントール3


「ほぅ」

 迷宮の管理室、そのモニターを見ていたものは感嘆の声を漏らす。それは迷宮へやってきた二人組にたいするものだ。いままで対処することが不可能だった大岩、鉄球をあっさりとあのふたりは対処してのけた。 


 これはひょっとしたら期待できるかもしれない。そう、やっと戦いを期待できそうなものなのだ。

この調子ならご主人様が配置した罠を抜けて二階層までやってくることも考えられるかもしれない。


ご主人様としては自分の罠で倒せなくて少し落ち込むかもしれないけど……そうなると僕らの誰かが戦うことになるだろう。久しぶりの歯ごたえのありそうな相手、みんな自分が戦いたいと思ってる。



 そういえばこの間のおじいさんは強かったのになぁ。ご主人様にさっきを向けるものだからつい、本気で手を出してしまった。せっかくの楽しめそうな相手、あんなにあっさりやってしまうのはもったいなかったなぁ。でも、ご主人様に手を出そうとしたんだし仕方がないよね!


 だから、今回の相手は僕がしても何も問題はないはず……何よりもご主人様と一緒になるためにははやく強くならなければいけないのだから。

 



・・・・・・・・・・


 迷宮の罠をするすると突破し、あっという間に二階層までやってきてしまった二人。まさかこうも簡単に罠が抜けられるとは思わなかった。ぷに子たちは自分が戦えると喜んでいる。まあ、もとより二階層まで来たものはぷに子たちに渡す予定だ。ぷに子のおかげで命の危険もない、楽なものだからいいのだが。


 で、もちろんのことここで問題になるのは……

『お前は前にナオヤとセントールに言ったじゃねえか!!』

「それとこれは別だろう。何よりこの間のは何もなかったのだからノーカウントというものだ」

「……それは私も」

「!!」

 

 終わることにのない言い争い。誰もが自分が行きたいので譲る気はないようだ。こうしている間にも二人は進んでいるわけだが……いつものように最終的な判断は俺へとまわってきた。


「主殿、今回は我であろう?」

『なぁ、ナオヤ、たまには俺だろ?』

「……私」

「!!(僕も行きたいよ!!)」

「はい、もうくじ引きで!! これで文句なしな!?」


 このままでは決定のしようがないので俺は皆をまとめるべく言った。渋々ながらも頷く面々。早速俺は古典的なあみだくじを地面につくり、各々にどれかを選ばせる。


 結局、その中で一番を勝ち取ったのは……

『おっしゃああ!!』


 珍しい事に運がなく、いまいちついてないミーちゃんだった。ミーちゃんは一番を引けたことに歓喜している。ちなみにその後の順番はミア、ぷに子、ヘルの順番である。ミアやぷに子はまだしも……迷宮で最強であるぷに子の後のヘルには出番はないであろう。本人もそのことを分かっているのか、久々に現れた手ごたえのありそうな二人と戦えないことを理解し、落ち込んでいる。


「まあ、なんだ……ドンマイ?」

「ぬぅ……」

 しょんぼりと頭を伏せるヘルを慰める様にその体を撫でるのだった。それを見て、ヘルだけずるい! と言った具合にナオヤの胸の中へとすっぽり納まるぷに子。続く様にミアも同じく、ナオヤの方に寄り添う。


三人に囲まれる、ナオヤも満更ではなさそうにその体を撫でる。ただ、ミアに対しては手を出すことは未だにないのである。それが分かっててなおミアは自分へと何かしてくれないかと期待を籠めて、体を寄せるのだが、未だに進展はない。だからこそ、より積極的になってもいるのだが……


 ぷに子によって止められるのがいつもの光景だ。


 ただ、このほのぼのとした光景に、何時もいるはずの一人はいない。その一人は迷宮へとやってきた二人の元へと向かっているのだ。一人だけはぶられているのだが、本人は満足そうに向かっているのできっと問題は無いのだ。決してその後、無残にあっさりとやられることになろうとも。






 目を閉じると共に、乗り移る意識。そして目の前には二人の人間。いきなりあらわれた俺様に驚きながらも武器を構える。その反応、ふふふ、そうでなくてはこちらも楽しめないというものよ!


「竜? いや、しかし……」

「本物の竜だろうが、思念体だろうが、倒すことには変わりないでしょ。さっさやってしまいましょ」


 随分と舐めた口をきいてくれる。人間ごときがこの俺様をそう簡単に倒せると思っているのか? 小手調べに軽く魔法を放つ。


『風牙!!』

 目の前の二人へと襲いかかる風の刃。だが、それは風刃とは規模も威力も何もかもが違う。下手したらこの部屋全体どころかこの階層すべてに行き通りそうな勢いの突風である。その風に触れたものは全て切り裂かれるはず……だった。あろうことにかミドラの放った風牙は二人の前であっさりと霧散する。


『なっ!?』

 目の前の二人が何かをしたようには見えない。だが、確かに自分の放った魔法は防がれている。一体なぜ……そう頭を悩ませているミドラへと後ろから襲いかかる、風の鎌。それによってあっさりとミドラの体は引き裂かれた。


『え、ちょ……まっ』

 制止する暇もなく、ぷに子によって作られた体はあっさりとその風の鎌によって切り裂かれたのだった。




またもや短し。できたら明日も更新……したいです(希望的観測)。

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