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猫と月の夜想曲~猫に転生した異世界転生者は脇役です~  作者: 高月 すい
第十一章 精霊の寵児
751/754

124.精霊の寵児 43


 

    古の家系(エタニティ・クラン)


 それは、サヴィス王国始祖と光の精霊神エターナルローズの血筋を受け継ぐ家系だ。


 4親等以上離れた親戚との同族婚を繰り返しながら、時折、無関係の外部の者と婚姻する。


 そうして血筋の濃淡を操作する家系が、茶会に参加した一族達であり、ゲオルクのルスター家も、その一つだった。


 寵児ディーバの伴侶は、基本、古の家系(エタニティ・クラン)から選ばれる。


 精霊神達は、光の精霊神エターナルローズの気配が薄まりすぎると、寵児ディーバを定めにくくなり、守護も与えにくくなる。


 そうした長年の経験から、現在の婚姻形式となった。



  寵児ディーバの不在



 それは、サヴィス王国の存亡に関わってくる――。


 そうした情報を、アグロテウスはゲオルクをねじ伏せつつ、意識下に情報を流してくる。


 寵児ディーバのあり方、存在意義。


 同時に――突きつけられる、過去の婚約落第者の記録。


 寵児ディーバがありながら、他の女性達と色恋沙汰に興じる者。


 寵児ディーバの意向を無視し、他者の意見を聞かず、自分が正しいと引かぬ者。


 寵児ディーバの権力を傘に、富を得ようとした者――。


 精霊神達が体験、もしくは当時の寵児ディーバの記憶が、一気にゲオルクに流れこんだ。


 実際は数秒なのだろうが、ゲオルクは数時間の情景を見せられた感覚だ。


 それらを見ても――思いに変わりは無い。


「――一つ、聞いてもよろしいでしょうか」


 威圧に飲まれながらも、ゲオルクは平静であろうと努めた。


『なにかな?』


 首をかしげながらも、アグロテウスは威圧の手を緩めない。


 浅い呼吸、深い呼吸を織り交ぜて、ゲオルクは威圧に耐えた。


「なぜっ! フリージア嬢は守られないのですか……っ!」


 威圧で声が途切れないよう、意識が飛ばないよう耐えながら、ゲオルクは叫んでいた。


 ゲオルクのその声に、アグロテウスの威圧が唐突に途切れる。


 圧力から解放された体は、極度の疲労感に見舞われた。


 ゲオルクは両膝をつき、激しい倦怠感をおぼえながら、アグロテウスに顔を向けた。


 アグロテウスは――狼狽していた。


 ゲオルクが驚くほどに。


『守られないって――どういう意味?』


 告げる言葉に、ゲオルクもわかるほど、動揺がにじんでいる。


 威圧から解放された体で、数呼吸、深い呼吸を繰り返して心肺を調えてから、ゲオルクは続けた。


「神遠の森での襲撃で、慎重にならざるをえないのは理解できます。

 しかし――それは本当に、セクルト貴院校入学を断念する理由だったのでしょうか」




連日更新16日目です。

寝坊して、朝は更新できませんでした……。


X(ツイッター)で、更新お知らせ始めました。

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アカウント @taka_sui_x

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