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猫と月の夜想曲~猫に転生した異世界転生者は脇役です~  作者: 高月 すい
第十一章 精霊の寵児
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117.精霊の寵児 36


 先代寵児ディーバの死後、公爵を継いだフリージアの父は、ガイアーティスの加護で奮闘した。


 加護でも、行使する魔法は常人より強力だ。



    加護と守護には大差ない



 領民や警備人はそう思った。


 フリージアもその一人だ。


 先代寵児ディーバが亡くなってから、フリージアは魔法の鍛錬を始めたが、父である公爵のように上手く行使できない。


 呪文ルキを唱えても、魔法が発動しないことも、ままあった。


 そんなフリージアに、公爵は苦笑する。


「時間はある。これからじっくり鍛錬を重ねればいい」


 そう励ました。


 そんな日々でのことだった。


 その日、公爵はフリージアを伴って、国境を巡回していた。


 きな臭い噂のない時期だった。


 抗争の無いとき、後学の為に国境巡回を経験させようと思ってのことだったが、運悪く、潜入者と遭遇してしまう。


 公爵はフリージアを戦線から離脱させ、応戦した。


 ファ・ディーン側優勢の戦況だったのだが。


「っ!

 お父様っ!」


 流れ矢が公爵に当たりそうになり、フリージアは反射的に魔法を使った。


 矢は当たる寸前、盛大な業火に包まれ、消し炭となる。


 規模、精度ともに上級魔法だったが、最前線から離れた場所だったので、気付いた者は少ない。


 気付いたのは、公爵と、側にいた警備人数名。


 直後、フリージアは慣れない魔法を使った、過度な気力消費で、意識を失った――。




 国境警備を明かし、アグロテウスとゲオルクが話し込んだあの日。


「……ずるい」


 フリージアはゲオルクと話し込んだアグロテウスに、胡乱うろんな眼差しを送った。


 アグロテウスは苦笑し、部屋主であるゲオルクの承諾なしに、勝手に入室を許可した。


「勝手に話を進めるな」と、ゲオルクは即座に退室を求めようとしたのだが。


 嬉々としてオズマに抱きつくフリージア、嬉しそうに尻尾をパタパタ揺らす自身の伴魂を見て、何も言えなくなる。


 ――オズマから伝わった感情も、フリージアに「退室」と告げるのを躊躇わせた。


 オズマから、フリージアの切迫した雰囲気が伝わってきた――。


 フリージアはゲオルクの勉強机に設えた椅子に座り、ゲオルクと真向かう。


 オズマを抱きしめる姿は「誰がオズマの主か」と戸惑うほど、仲がいい。


 フリージアはひとしきり、オズマと触れ合った後、つと、アグロテウスを見た。


 アグロテウスは肩をすくめただけ。


 ゲオルクにはわからなかったが、それがフリージアへの返事だったのだろう。





連日更新9日目です。

二桁が見えてきました!

書き溜めできてません。(苦笑)


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