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猫と月の夜想曲~猫に転生した異世界転生者は脇役です~  作者: 高月 すい
第十一章 精霊の寵児
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110.精霊の寵児 29


 容易に他国の者が潜入できるということは――。



    これまでにも他国の暗殺者が王都に潜入し、王族を屠った事例があるのでは――



『皆無とは、言えないね』


 ラドフィクトの考えに答えるニルディアート。


 過去、王族が不可解な死を遂げる事案があった。


 後継者争いではと、囁かれる事例もあった。


 理由は判明せず、突然死、事故死等、とされたが――。


 隣国暗殺者によるものも存在すると、ニルディアートはほのめかす。


 明言しないが、全てを知るニルディアートが否定しないのなら――ラドフィクトの推測が真実となる。



    国の重要人物が、他国の暗殺者に屠られた事例有り



 ラドフィクトは思案に暮れた。


 自分自身、村と村民、国の状況を考慮し尽くした上で、ラドフィクトは父である国王に進言する。


 

  「ファ・ディーンを、隣国に対処する防波堤にさせて欲しい」



 ――と。


 ラドフィクトがファ・ディーンに定住し、潜入者の対応を行う。


 村民にも協力を願うため、身分は庶民だが、貴族籍と近しい魔法を行使できる権限を求めた。


 ニルディアート曰く、


『貴族籍同様の洗礼を受ければ、貴族籍同等まではいかないけれど、村民も襲撃者に対処できる魔法は使えるはずだよ』


 ――と。


 同時に、本題を切り出す。



   精霊神の守護を受ける自分が、ファ・ディーンの領主となり、国防の要となりたい



 非常時に権限を行使できるよう、王族、ウォルチェスター家に次ぐ貴族籍に。


 国防のため、精霊神の守護を、自分に続く一族へ。


 人の統治は王族が、近隣国からの脅威にはファ・ディーンが統率する。


 国の内と外、それぞれで対応してはどうか。


『了承するなら、僕たちの守護はラドフィクトの家系に移るけど、王族には他の貴族籍と一線を画す加護を与えると約束するよ』


 精霊神の守護がラドフィクトの血筋に移ると聞いて、国王、ラドフィクトの兄は一時躊躇した。


 塾考の結果、特別な「加護」を受けられる点から受け入れた。


 拒否しても、現状、ラドフィクトの兄は精霊神の守護を受けられない。


 それなら、貴族籍と一線を画す権威を保持したい。


 そうした想いと、小事の争いをファ・ディーンに任せられるとの想いから、王族はラドフィクトの提案を受け入れた。


 こうしてラドフィクトは「エルディナード公爵家」の爵位を得た。


 その後、ファ・ディーンは「精霊教会シルニーファ」として洗礼体制を確立させ、今に至る――。



 アグロテウスの話を聞いたゲオルクは、顔を伏せて渋面する。


 話を聞いて、納得した。




連日更新2日目です。


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アカウント @taka_sui_x


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