11.契約者らしい合理的判断
「なあ、四月一日はなんで、小説を書くようになったんだ?」
放課後。学校の図書館。私語厳禁だが、他には誰もいない。いるにしても、やる気のない図書委員だけ。隅っこの方にいれば、こそこそ囁くように声を潜めなくとも見咎められることはない。
俺と四月一日はここを一つの拠点として定めることにした。四月一日の自宅ならばいつでも使ってもいいと言われたのだが、やはり他人の家は気が引ける。ここだと、他のクラスメイトに見つかる危険性はあるが、外のファミレスなどで目撃されるよりかはまし。パパラッチのように情報拡散されても、学校の中ならまだ言い訳はできる。外だとデート感がでてしまって緊張するし、変な噂がでかねない。四月一日はそれでもいい風だったが、俺が固辞した。
それに、図書館ならば、小説の資料もあるから色々と都合がいいはずだった。だけど、そんな調べ物の前に、昨日のことが気になって、小説創作の邪魔をしてしまう。
「……どうしたの? 藪から棒に……」
「ちょっと、気になってさ……」
「何か、悩んでいるの?」
「なんのために、小説書いているのか分からなくなってさ。自立したいから小説書いているのか、それとも本当は現実から逃げるために小説を書いているのか」
勉強もせずに小説を書き続けていることに、妙な後ろめたさを感じていた。それを間接的に父親に指摘されたような気分になった。
「……両親と仲悪いの?」
「いいや、別に。普通だと思う。頼まれたらおつかいだってするし、話をきかないなんてことはしない。親に反抗したことだってない」
「それじゃあ、仲が良いの?」
「いや、そうでもないな。反抗したくてもできないんだよ。父親は俺が少しでも反抗したら家から追い出して、鍵かけるんだ。謝るまで俺を家に入れない。母親はとにかくヒステリックに喚いて、最終的には泣く。あとは、あんまり関係ない愚痴を永遠にぼやく。そんなことを繰り返されて、俺は両親に反抗しなくなった。――だけど、それでよかったのかなって今更思っている」
「……今からでも反抗してみたら? たまにはガツンって言わないと、窮屈になるだけだよ」
「それができたらいいんだけどな」
「今度ボクが一緒に夢野クンの家に行ってあげようか? その時はボクがキミの分もちゃんと反抗してみせるよ」
「いやいや、困る、それは色々と困る」
四月一日は本気で言っているから始末が悪い。
「……ボクは別にいいと思うよ。どんな気持ちでラノベを書こうともね」
「え?」
「ボクはキミの小説に出会って、本当に良かったって思っている。ボクは、ボクの人生で目標を立てたことがなかった。正直、ボクは大概のことをこなせる。情熱なんて見いだせなかった。生きがいなんてなかった。――だけど、ボクはキミに出会えて、初めてボクは見つけたんだ。――夢っていう、人生を謳歌するためのチケットを」
「…………」
「キミの小説がボクの人生に大きな影響を与えたんだよ。ボクはキミの小説を読んで小説を書き始めたんだ。毎日が楽しくなったよ。小説にはさ、終わりがないんだ。どんなに頑張っても足りない。答えがなくて、深くて、魅力的だ。一生書き続けても飽きない。そんな最高のことを教えてくれたんだ。だから自信を持っていい。どんな目的で書こうとも、キミの小説は素晴らしいって!」
「あ、ありがとう……」
小説を書いていると、四月一日以外にも「あなたの小説を読んで、私も小説を書き始めましたっ!」って言われることがある。そういうのはすごい嬉しくて、そしてその後、ランキングで軽く抜かされて、絶望する。ここまでがいつものセットで落ち。なんて、才能ないんだろ。書くのを辞めたいって何度も、何度も思ったけど、こうして直接言われると――心に響く。今度オフ会に参加するのも悪くないとさえ思える。
「それで、そんなキミに出した、昨日の宿題はやってきた?」
「……ああ、もちろん」
実は、四月一日に小説の宿題を出された。学校の宿題もあったが弱音を言っていられるわけもない。だけど、書けと言われたのは小説そのものじゃなかったので、思いの外楽だった。
「四月一日には、とにかく小説をどんどん書けって言われるかと思ったよ」
「初心者だったらね。『どうすれば小説書けるようになりますか?』っていう質問しながら、一度も書いたことがない人って結構いるよね。そういう人には『とにかく毎日書け、一文字でもいいからって』助言するところだけど、夢野クンは書けるんだから、とにかくまずやることは、『小説を書くな』っていうアドバイスだよ」
「小説は書けばなんとかなるんじゃないのか?」
「うーん。方向性を決めないと、着地点が定まらないんだよね。特に、夢野クンの小説最後らへんで超展開多いからしっかりプロットは立てるべきだよ。なんの伏線もなく最後、いきなりラスボスがでてきたりするよね。あれって、カタルシスがないから辞めた方がいいよ」
「あっ、すいません……」
ガチ説教ですよ。本当に憧れてくれているのだろうか。
「はい、プロット」
鞄の中から取り出したのは、おおまかな小説のあらすじのようなもの。今回は学園ものを書こうと思ったので、平凡なストーリー展開にしている。
ラノベは俺にとって、男版少女漫画だと思っている。主人公は冴えない系だけど、ヒロインはその良さを分かっている。そしてほとんどの確率で恋愛ものだ。少女漫画の男女関係を反対にしたものが、そのまんまラノベっぽいので、俺もそれに倣ったストーリーの起承転結を書いてみた。
タイトルは『お嬢様に常識を教えてあげる(仮)』。肝心要のストーリーは……。
裕福な家庭に生まれたヒロインがある日、会社が倒産してしまい庭付きの豪邸を手放すことになった。引っ越し先は主人公の家のお隣。貧乏になってしまった秘密を二人だけで共有し、勘の鋭い主人公の幼馴染ヒロインの追及をかわしながら、波乱万丈な日々を送るというストーリーだ。現金を出す買い物や、お風呂のお湯の出し方など一般常識を知らないお嬢様系ヒロインを、主民派の主人公が助ける――みたいな話も途中で何度か挟む予定だ。
という、王道展開で読者の心をわしづかみする予定だ。少女漫画的でありながら、ハーレム展開も視野に入れてラノベ要素を入れている。
「プロットってつくったことないんだよなあ。そんなに重要?」
A4の紙を渡すと、四月一日が紙をとりこぼす。
「……え? 作ったことないの? 夢野クン」
「そんなに驚くことないだろ。プロだって作らない人いるらしいし」
「逆にプロット作ってなくて、それほど小説書ける方が才能あると思うんだけど……。すごいね。アマチュアだからこそ、プロットは作った方がいいよ。そっちの方が絶対に小説書きやすいから……」
「そ、そんなもんか?」
「漫画で例えると下書きせずに、いきなりペン入れするようなものだよ」
「そ、そうなんだ……」
いまいちピンとこない例えだったが、そうとうありえないらしい。
さっ、とほんとうに読んだのか心配になるほどの速度で紙を一瞥すると、
「ああ、この程度か……。こんなことならもっと内容を指定しておけばよかった……」
「こ、この程度って、けっこう書いているだろ」
「まあ、初めてだから、そう思うのは当然か。……はい、これ。ボクがいつも使っている設定のテンプレート」
「うわっ、なんだこれ……」
俺が書いてきたプロットもどきの五倍以上の分量が書き込まれていた。しかも、ストーリーだけでなく、キャラの設定まで事細かに書かれている。具体的に言うならば、名前、伸長、語尾や喋り方から、血液型、利き腕、好きな食べ物、長所と短所、座右の銘と、まだまだ項目が連なっている。
四月一日の投稿作品はたった二つだけ。だけど、その二作品とも登場人物はかなり多い。そのうちの一つはクラス転移ものなのだが、そのクラス全員のプロット、というよりかはプロフィールが凄まじく細かく設定されている。中には一言、二言しか話さずに、速攻死んでしまうようなキャラでさせえも、縄跳びが苦手とか、謎の設定が書き込まれていて、本当に作品に生かされているか微妙なものもある。
「ラノベでキャラを尖らせるのはかなり重要なことだからね。キャラの特徴を事細かに設定するのは絶対の必須条件だよ。ストーリーはそこまで考えなくていい。ラノベで一番重要なのは設定だよ」
「ストーリーも重要だろ?」
「売れている作品のほとんどは、テンプレをなぞるだけでオリジナル性ゼロだよ。ファンタジー作品なんかは昔の偉人や伝説をひたすら語るだけで一巻が終わってしまうことなんてざら。ラノベを読む層は、自分が漫画を読む人種よりも文学的で知的だと思っている傾向にあるから、その自己承認欲求を満たしてあげるような作風にすべきだね。いわゆる、主人公SUGEEEみたいな感じだね」
「そ、そうか」
こいつ、本当にラノベ好きなのかと疑いたくなるが、ここまで言わしているのは俺の小説ではきっと人気がでないからだ。売れ筋、人気の作品と、自分の書きたいものが必ずしも一致するとは限らない。デビュー作でストーリーの凝ったものを書いていた作者が、売れるためにテンプレをなぞっただけの作品を出したら売り上げが激変したなんて、ラノベ業界じゃよく見る話。
だから、俺と契約した四月一日のこの考え方は合理的な判断といえる。
「とにかく、褒めまくるってことか?」
「そう。椅子に座ったり、掛け算できたり、肉の両面焼きできたり、そういう単純なことで褒めちぎってあげればいい。重要なのは、主人公が自我自尊しないことかな。『俺はそんな、全然凄くないよ』とか『えっ? 俺また何かやっちゃいました?』とか、とにかく謙遜しまくる。現実世界でそれをやったら絶対いじめられるような過剰反応を主人公にやらせるのが大事なんだ」
「まあ『俺すげええだろ、褒めろよ、もっとっ!』っていう人よりかはいいんじゃないかな? それで売れている作品もあるけど、ほとんどは、無自覚系、鈍感系主人公だよな。やり過ぎると嫌味っぽく聴こえるけど……」
「あと、最近の流行といったら、ストーリーにリセット機能があることかな?」
「リセット機能?」
「二週目の世界で復讐とか、一度攻略したダンジョンでデスゲームとか、とにかくみんな『安心』が欲しいんだよ。人生の攻略本が欲しいんだ。人生にリセットボタンなんてないからこそ、創作物にそれを求めるんじゃないかな?」
「それって攻略本読みながらRPGを進めるのと同じだよな? そんなの楽しいか?」
ネタバレが嫌だから、説明書にすら眼を通さないタイプなんだけどな、俺は……。プロットもネタバレみたいなもの。俺は俺の小説を楽しみたい。だから、ネタバレになるようなプロットを書いてしまうと萎えるのだ。書く意欲が湧かない。だから、プロットを書かなかったのだが、そうも言っていられないようだ。
「楽しいから売れているんだよ。ドキドキワクワクする作品よりも、淡々と作業のように物語が進む作品の方が、ネットでは人気が出やすい。だって、ネット小説だしね。映像や音楽があるアニメとかとはどうしても負けてしまう。だったら、違う持ち味で挑戦するしかない。だからといってボクはラノベがアニメに劣っているとは思えない。夢野クンだって、そうでしょ?」
「もちろん。アニメが最高だと思っているなら、俺はアニメーターを目指すよ。シナリオ募集しているかは知らないけどな。やっぱり、俺はラノベが一番だと思うからプロのラノベ作家を目指しているんだ」
ラノベは、特に、ネット小説は馬鹿にされがちだ。その癖、アニメ化になったら絶賛して掌返しする奴らが多くて頭が痛くなるが、そんな有象無象の意見は無視したい。
眼に見えない同調意識には強迫観念すら感じるが、俺はそんな曖昧なものに屈したくない。俺は、ラノベが好きなのだ。ネット小説が好きなのだ。周りからなんと言われようと、俺はボッチになってでも自分の好きなものを貫いてきた。そして、今、スポットライトが当てられている。自分の気持ちが正しかったことが証明されようとしている。いつだって、そうだ。周りからマイナーと揶揄される作品は、ほとんどが有名になって絶賛される。世間で認められているかいないかなんて、関係ないってことを何度も俺は経験してきた。
だから、俺は俺の正しいと思ったことを信じる。ネット小説を書き続けてやる。
「うん、その意気だよ。それじゃあ、これからのことについて細かく話そうか」
「これからのこと?」
「とにかく、今のうちにジャンルについて教えて欲しいんだ。大枠だけでいい。細かい設定はこれからだとして、とりあえず、ファンタジーものを書くか、現代ものを書くか、それだけでもね。夢野クンってどっちのジャンルも書くから、最初にどっちのジャンルの小説を二人で考えるかを知っておきたいんだ」
「いや、ちゃんと書いてきただろ? 現代もので」
「もちろん、そうなんだけど、何もジャンル指定しなかったでしょ? 夢野クンがどれほどのものか試したかったからでもあるけど、これならすぐにジャンルを絞って書いてもいいと思っている。どうかな?」
「ジャンルか……」
ファンタジーと現実世界の中間地点としてVRMMOがあるが、やはり今書きたいのはなんとなく決まっている。
「うーん、現代ものが書きたいんだよな。ファンタジー系は最近ずっと書いていたし、たまには違うものも書いておきたいかな」
ファンタジーは世界観を一から考えないといけないが、現実世界ならば考えなくてすむ。あと考えるべきは、部活ものにするか、しないかだろうか。部活ものにするのならば、変な部活動に入るか、登場人物が新しい部活を作るかの二択だろう。
「あと二年はなんだかんだ異世界もの、ファンタジーものの流れは続くと思うけど、斜陽だからね。ボクもそれでいいと思うよ。主人公はボッチで友達いない設定でひねくれ者、ヒロインは毒舌クール系黒髪ロング美少女でいいんじゃないかな?」
「……めちゃくちゃ具体的だな」
「だって、それが売れるんだもん。ラノベは同じような傾向のものしか売れない。アニメ化もした大人気作家だって、自分の作品よりも他人の作品のスピンオフの方が売れる時代。結局誰も彼もオリジナルなんて求めてないんだ。大量生産の消費物をボクらは書くしかないんだよ」
「………………」
なんだろう。どんどん、これでいいのか分からなくなってきた。人気がでるためなら、どんなことでもする。それが、プロの最低条件。それは分かっている。だけど、本当にこのままでいいのだろうか。
「それじゃあ、新しいストーリーのプロット提出期日は明日までね。テンプレートは渡しておくから」
「あ、明日っ!?」
項目がギッチリ書かれているプロットを渡される。大まかにどう書けばいいのかが、ところどころに書かれているので、俺でも書きやすい――が――流石に期日が短すぎる。
「大丈夫。一回で通るわけがないから、どんどん提出してね。なるべく複数枚のストーリーを提出して、それでボクが精査するよ。手抜きしないでね。手を抜いたらすぐに伝わるから」
「なんだか、不穏な言葉がチラホラと……。まあ、考えてみるけど、なんでそんなに急いでいるんだ?」
「とりあえず、ジャンルが決まったから、これに公募してみようかなって」
「これって、どこかのコンテストか?」
スマホをかざして見せてきたのは、とあるレーベルの公募要項だった。ぱっと見だと、文字数制限、プロアマ問わずとか書かれていて、いたって普通のコンテストのようだった。
「現実世界を舞台にした作品が最近アニメ化され、さらに最近大賞作品とったのも現実世界のもの。かなり力を入れていると思うんだ。特別選考員も、現実世界のラブコメを書くのが得意な《ユウヒーロー》さんだから、狙い目だよ。もっとも、締切は八月末まで。つまり、夏休みまでに書き終わらないといけないけどね」
「まじかよ……」
今が七月初旬。まだ一ページも書いていないどころか、完成プロットも作っていない。あと二ヶ月ほどで十万文字ほど書かなければならない。プロが新作を書くのに一年ぐらいかかる。続編を出すのとは訳が違う。新作を短期間で出すのは、それほど難しいということだ。
「死ぬ気でやるしかないし、四月一日が言うならそれに従うけど、これって、ネットじゃなくて、普通にレーベルで募集している奴だよな」
「そうだよ。夢野クンの作風だとネット小説に投稿しても、大賞をとれる作品は書けないと思う。投稿するにしても、一度どこかの出版会社に応募してから、デビューする道をとった方がより確実だよ」
「ま、まあ、確かにチート系を書くのは苦手なんだよな……」
別に読む分には構わないが、書くとなるとなんだか恥ずかしい。チートを書くと、必然的に無双するのだが、その中学二年生の頃のような妄想を垂れ流しにした小説を書くっていうのは中々の拷問だ。書ける人は煽りぬきで尊敬している。
「でも、ネット小説に投稿した方がいいんじゃないのか? 今やプロよりもアマチュアの作品の方が売れているんだから」
「……情報が古いよ。昔はそうだったよ? だけど、今は違う。発行部数が少なかったとはいえ、重版がどんどんされていたネット小説だけど、今はどんどん打ちきられている。むしろ、今はお金をかけて宣伝できる出版の方が売れてきている。やっぱり、後ろ盾がある方が強いんだよ。『出版したければ、ネットで人気取ってからにしろ』――なんて編集に言われる時代はもう、終わりになるだろうね」
母親と一緒に小説を買いに来たら、特典をプレゼントみたいな、大規模なキャンペーンができるのは、大手レーベルの強みだろう。ネット小説での宣伝力は侮れないが、あくまでネット小説だけのもの。まとめサイトやTwitterの発達した今、情報拡散力のある方に軍配が上がるのは必然だった。
「もしかしたら、このままネット小説という文化は衰退し、アマチュアはプロに掃討されるかもしれない。――だけど、だからこそ――燃えるんだ。そんな流れ、ぶっこわしちゃばいいんだって思える」
悲観的なことばかり言っていた四月一日が一転して、今度は希望的なことを呟いてえっ、と思わず聴きかえした。
「巨人殺し――つまりは、ジャイアントキリング。弱い者が強い者に打ち克つこと。ボクは夢野クンならそれができると思ったんだ。アマチュアがプロに勝つなんて、ベタベタな王道展開じゃん。そんなありきたりな展開だからこそ、ボクたちネット小説家がプロに勝ってみたいなんって思わない?」
確かに、燃える。プロの作品は編集の力もあって、小奇麗にまとまっている作品が多い。最初から最後まで計算しつくされ、読後感がスッキリとした作品が多い。だけど、アマチュアの作品は作者の心が剥き出しで、気分が悪くなるような作品が多い。でも荒削りな分、話の展開が読みづらい。
プロの作品はあまりにも綺麗になり過ぎて、数ページ読んだけで結末まで予想できてしまうものが多いのだ。そんな型にはまらずに、自由に書けるアマチュア作品がプロに勝つ姿を見るのは胸がスカッとするなんてものじゃない。
「そんなの、当たり前だろ」
グッ、と覚悟を込めて握りこぶしを握る。
「駆逐してやる。巨人を一匹残らずっ!!」