小ちゃいおっちゃん物語 其の二十
8月6日…
広島に原爆が落ちた…
「時来也が言っておったのはこの事か…」
数分前…
「只今広島に米国の新型爆弾が!甚大なる被害があるものと…」
「何!くっ…遅かったか…」
「鈴木殿!最早一刻の猶予もないぞ!」
「うむ…陛下に連絡だ!この戦争を終わらせるのは私ではない!陛下が直接国民に自らの声で告げねばならぬ!」
約14万人の被爆者…
「どこへ行くのだ!」
「阿南…」
「朧…誰じゃ…」
「あの方は 陸軍大将の阿南様です…」
「では あやつが反対派の親玉か…」
「この国はもう終わりだ…あまりにも犠牲を出し過ぎた…私がこの戦争を終わらせる!」
「まだだ!ここからこの戦争は巻き返せる!」
「無理だ!竹槍で何が出来る!燃料がなくて飛行機が飛ばせるか!目を覚ませ阿南!」
「…黙れ!まだと言ったらまだなのだ!」
「朧!」
「ハッ!金縛りの術!」
朧は阿南に術をかけた
「今じゃ!鈴木殿!」
貫太郎が陛下の元へ急ぐ
「居たぞ!」
「しまった!反対派の奴らだ!」
「このまま やられっぱなしで終われるか!」
「愚か者!」
「うわぁ!ネズミが喋った!」
「ネズミ如きに驚くお主達が戦さに勝てると思うてるのか!キェーーーーーーーー!」
バタバタ……
おっちゃんの奇声で反対派を倒す
「行くぞ!鈴木殿!」
バーーーーン!
「陛下!」
「鈴木…」
「最早ここまでです!」
「そうだな…」
「今すぐ降伏文の発表を!」
「そうもいかんのじゃよ…」
「何故です!」
「世界で一番長い歴史を持つ 皇室…それ相応の文を作らねば」
プッツ〜ン!
おっちゃんの中で何かが切れた…
「ふざけるでない!」
「鈴木…の声ではないな?誰じゃ?」
「誰でも良い!お主はこの現状をどうみる!毎日 何人の犠牲者が出ておるかわかっておるのか!一番長い歴史じゃと…何故長く続いたと思う!皆が頑張ったからじゃ!この国の民がお主らを守ったからであろう!何故それがわからん!今度はお主が生き恥をさらし民を守るのが恩返しとは思わぬか!この…愚か者が!」
「陛下…失礼ながら私も同意見です」
「しかし…」
「また言うか!しかしもかかしも有るものか!お主の一言で民が救われるのじゃぞ!」
「わ…わかった…」
「約束じゃぞ!お主の判断の鈍さが この日の本を将来背負って立つ幼い命を…」
そこで おっちゃんは言うのをやめた…
それから数日後…
「太郎殿…晶殿…ようやく終わったぞ…聞こえておるか?最後まで判断が遅いやつで あの後も多大な犠牲を出してしまったが…」
8月9日には長崎に…
それから1週間後 ようやく無条件降伏を発表したのだった
「太郎殿…晶殿…お主らは今も一緒におるんだろうなぁ…あの無邪気な笑顔で…もう一度観たいのぉ…」
「おまえさん…」
「父上…」
「若…」
おっちゃん達妖精は 墓石に手を合わせた…
ヒュ〜〜…ペシ!ペシ!
おっちゃんの頭に何かの感触が…
「2人で触りに来おったな…」
おっちゃんは空を見上げた
「小太郎殿…小太郎殿…」
スゥ〜…スゥ〜…
「小太郎殿!」
「うわぁ!…なんだおっちゃん?」
「寝てたであろう…」
「おっちゃん話し長いぞ…」
「お主が聞きたいと申したのであろう!」
「もっと こう簡単に話せないのか?」
「どこまでじゃ!」
「何が?」
「どこまで聞いておったのじゃ!」
「おっちゃんが産まれたとこ!」
「一番最初の話じゃろ!それから寝ておったのか!」
「多分…」
「全く…」
微笑むおっちゃん
「お主は大物になる!わしが見届けてやろう」
「えぇ!」
本気で嫌な顔をする小太郎
「……何故じゃ」




