回想終了! あほだからあまり覚えてないぞ‼
極まれに体力がある時に過去のを見直して添削中( ;∀;)
見返すたびに文章荒いなあとか誤字がみつかる( ..)φメモメモ
俺は二人の教えを思い出す。あの辛くも懐かしい日々……と言いたいが実は全然途中の途中、それどころか始まってやんわりと掴みを抑えた程度なのだが。
トカゲの師匠とは、なんというかあの人はクールでセンスが良く、できる男って感じの雰囲気を纏っているので気難しいところもあったが意外と師弟としていい関係性を築けたが、意外や意外あの女蜘蛛とも実はかなり相性は良かった。
まあ、お前だけは殺すと口を開くたび言っていたが。髪の一房を上げたらちゃんと交換条件で師事してくれた。世界中がお前の敵にまわってもあたしが誰よりも先に駆けつけて他の誰でもないあたしの手で殺すと言われたが。
トカゲの方は質問しずらいというかしてくんなってオーラ垂れ流すけどその分蜘蛛の方は気安く喋りかけれて随分距離は縮まったと思える。
世界中が何かの間違いでお前の敵でなく味方になってもあたしだけは敵対して例え世界があたしを阻もうとそれを乗り越えてお前だけはこの手で殺すと言われたけど。
もうね、これ愛の告白だよ。あの人一周回って俺のこと好きだよ。いつの間にか口説き落としてたね。まだ女性の口説き落とし方教えてもらってなかったけど、これはあれだな。見て覚えろ、自分で考えて俺の生き様から学んでみろとトカゲの師匠が背中で如実に語っていたな。
教わった初歩技は以下だ。
歩法、両手話、尻尾操り、体術。
歩法は文字通り足音を抑えて歩くのだが、それに加えて体重移動と体幹強化。トカゲの師匠はなんというか見て覚えろ、自分で考えて学べ、しかし間違った道を行っていたり躓きそうだったらすぐにそれとなく教えてくれるのだ。
間違えたり躓いても自分でなんとか試行錯誤を繰り替えして前に進むのも自分の成長だと思うが、既に俺は色々な勢力に狙われている身だ。
しっかり一歩一歩自分の足でしっかり行ってもいいが、とりあえずすらすら―と行くのも有り。どっちが正しいなんて神のみぞ知る。大事なことは正しくあろうとすることなんだと。それはギネスブックに人類史で最も正しい人間として記載されているこの俺には息をするように簡単なことだからよかった。
その分蜘蛛の姉さんの修行の方は一歩一歩地道に行かないといけないから堅実な努力はそちらに任せたようだ。
なんというか師匠曰く人には2パターンいるらしく、ただ黙って静かに立っているだけでも賑やかでうるさい奴と水面のように落ち着いた人間がいるらしい。
落ち着きがないとかそういうのもあるが表情筋、佇まい、性格、それまでの人生でどのような歩みをしてきたのかが如実に出るらしい。
俺は静かでもありうるさいと言われた。半々っていうやつ。あまり向いていないと言われたが諜報員は役割でどのような人物も演じるから努力次第らしい。
基本目立たず、しかし必要があればカリスマ性を前面に出して注目をひく。
これが大事らしい。
うん、よくわかんね。
取りあえず師匠と歩いてみたり走ってみた。
そこで発見や学んだことを随時海馬に書き込む。メモをしたいのだが大事なことは体で覚えろということみたいだ。
まずわかったことが師匠は走るとき肩の上下が極端に無い。まるで切り取ったようにピタッと最小限の動きをするのだ。息も荒げず汗ひとつ書かない。
そして足音がしない。
足音に関してはどうしてしないのかわからない次元で足音がしない。どこが俺と違うのか。わからないところがわからないレベルで意味不明だ。よく学校の勉強であるやつ。
それをやれというのだから難しい。
少しの段差を越えるだけで能力によって体重の重い俺はドスッという音がする。
けどこれが普通の体重でもきっと無理だ。なにが駄目だというのだ。考えろ。何が違うのか。
よく見るんだ。そう、これだ。
衝撃が伝わる時の緩衝を足首の柔らかさ、膝の曲り、腰使い、腕の振りや体全体で抑えているのだ。
ここが俺と違うところだ。
油のささった抵抗が少ない新品のブリキの人形と壊れかけの錆びた機械のように違う。
もっと言えば足の平自体の柔らかさが違う。きっと綱渡りの人間のように足でロープを巧みにつかめるレベル。
うん、無理だろ。こういうのって長年の努力とかいうやつジャン。昨日の今日でできるかよ。
これは逃げだが、とりあえず体重が俺は重いから無理だと言ったらその言い訳を潰すようにトカゲの師匠はバーベルを肩に担ぎ、しかしその重さを感じないように以前と同じように走り出した。当然足音もしない。
ヤメテヨォ‼ 体重重くてもできるの証明しないで‼
「仕方ない、使いたくなかったが特別な靴を使うしかないか。これは矯正をしてくれるのだ」
全く進歩しないでげんなりしている俺に呆れて師匠がそう言うと、蜘蛛女のところが作ったという特別な靴を持ってきた。
パッと見は標準的な運動靴に使えそうな見た目だが、衝撃吸収だろうか。シークレットシューズのようにすこしだけ靴底が厚い構造になっている。
「なーんだ、こんなん最初から有るんだったら出してよー‼ つーかこれって歩法だなんだ言って技術でも何でもないじゃん‼ ただの物使うのかよ」
聞いて呆れた。かっこつけて無音で歩く歩法とか言って実際は靴のおかげ。
でもしかたないか。時代に迎合しているっつーの? 何か靴とか水着を変えたら記録が簡単に出たとかあるし。流れゆく時代に合わせてそういう情報収集とか物を使いこなすのも諜報員としては当然なのかもしれない。
もうね、ネタがばれたらこっちのもんですよ。確かに師匠の身のこなしは卓越していた。しかし昨今じゃあ人間の役割だなんて所詮機械とか物に奪われていく運命なんなんですよ。ぷぷぷ、無駄な努力でしたねー。
俺は早速靴を履きかえて、気分はまさに心機一転。新品のパンツを履いたような爽やかさが俺を包み込んで手放さない。
爽快な気分で走り出す。
俺の誇る健脚はまさにアスリート顔負け。
さあ‼ 輝かしい未来に‼ こんなんさっさとクリアして女の口説き方講座に移行するんだ‼
―――――プニュ‼ プニュプニュプニュプニュ‼
「……何これ?」
思っていたのと違う。全く足音がしなくなると思いきやその真逆。あほみたいに音がする。
「それの音がしないように走るんだ」
「いやこれって小さい子供が履いてる笛付きベビーシューズじゃん」
「そうだ。これからは四六時中それをしろ」
そうだじゃねーよ。
いい年した高校生になんつーもんを履かせるんだよ。あと、蜘蛛女。お前税金使ってこんな大人サイズのくだらないもの作ってんのかよ。
俺明日から税金払うのやめようかな。
だがこの効能は凄いらしい。
諜報員とかなりたがる奴は潜入とかのために美形が多い。意識高い系でどこかキザでかっこつけている。
そんな奴らにしてみたらこんなのをしていたら恥ずかしい。メンツ丸つぶれで皆こぞって短期集中して上手くなるらしい。
俺はそこでふと思いついた。
ドラゴンは物理学的にはあの体重を翼の浮力だけで飛べない。角から特殊な力が発生して重力を軽減してるのかそれとも浮力を増加しているのかその両方かまたはそのどちらでもない他のかわからんが、とりあえず角の力で飛んでいる。
それはあの緑色の親ドラゴンが赤ドラゴンを倒す時に角をへし折って弱体化させたことから確認済みだ。加えて親ドラゴンは東京に降り立つとき角の力で誘導ミサイルとかをあらぬ方向へ曲げていた。
角には周囲の力場に干渉する何らかの器官なのだ。
俺は額に集中して力を込めて角を生やす。
意識したらわかる。
フッと体が軽くなり、それどころじゃない。
地面から足が離れて宙に浮く。そして前方に意識するとスーッとホバー移動を始める。
あれ? これでいいんじゃないかな。
そもそも足に地を付けなければ足音もしないどころか足跡すらしない。完璧な気がしてきた。
とりあえず振り返って様子を見るとトカゲの師匠と蜘蛛女が呆れたように俺を見ていた。
「降りてこい、それ無しでやれ」
「え、駄目これ?」
「いやいいけど、能力者症候群っていうのかな。それはそれで見えてくることもあるけど」
能力者症候群。
それは能力者にありがちなことらしいが、力があるがゆえにある程度の物事を自分の好きなようにできるからこそ物事を考える力を失いがちなことらしい。短絡的思考。
高木に成った実をだべる為に人は頭を使って、梯子を作ったりロープだったり弓矢で落としたりと考えるが能力者の答えは単純に能力で手に入れる。
思考も糞もない。
不自由だったり制限下で人間はそれを克服するために成長するのだ。
取りあえず俺の角をへし折って調べようとしてくる蜘蛛女を脇にどけて地上に降り立つ。パミュっと音がした。
意外と盲点だった。能力に頼りすぎている。確かに能力を手に入れてから俺はほぼ能力中心で動き感じ考えている。いつの間にか思考がそれに染まっていた。勿論能力を十全に使って強み弱みを理解して運用することも大事だ。けどただの人間としてその性能を使い込んでみるのも遅くない。
それに能力がなくても、それこそただの訓練を受けた人間でも歩法はできるらしい。
それが俺は冒険者として短い期間だが経験を積んで能力で身体能力が上がったのに出来ないとは、なんというか腹が立つといか対抗心? 誰に足してかよーわからんがなくもない。
ならばやってみるのもいいかもしれない。
そういうわけで俺はまず歩法を学んだ。
因みに今現在でもできないし、なんなら一番進んでいないのが歩法でもある。
蜘蛛女。
なんかぴちっとした服でありつつもちゃんとスケベにならないようある程度装飾が施されている格好の後方支援向きの開発兼業諜報員。
俺実はこの格好結構好きなんだよな。全部見えているより見えていないエロティックさみたいなのがある。
特にあのお尻が良い。スクワット系で鍛えている女の太ももと尻は俺のどストライクだ。健康的で大きくてスケベだなあ。
その俺のいやらしい視線に気づいたのか、挑発的に蜘蛛女はフンと鼻を鳴らしていた。
褒め言葉としてでっかいおならしそうと称えたらめちゃくちゃ追いかけられた。
やはり中身が残念なのが欠点だ。
そんな彼女との修行はまず最初は意外と意外、お遊びのようなことから始まった。
何をするのかと心構えしたのに拍子抜けだ。
特にきつい肉体労働でもなく、特殊なこともない。
やることは自分の右手と左手でじゃんけんをする。
右手を勝つようにしたり負けたりと。
それだけだ。
取りあえず俺は言われた通りのことをやった。
そして5分もしないで俺は彼女に言われた。
「やっぱベルトコンベア工場経験者だね。君は慣れ方だね」
「慣れ方?」
「悪く言えば思考停止型ともいう」
じゃんけんの一回一回ごとに毎回考えるのが思考型、俺みたいにパターン化したり体に覚えさせたりするのが慣れ方らしい。
どちらも一長一短で、しかしどちらも習得するのが今回のゴールらしい。
そこで彼女はおもむろに俺の目の前に来た。
あたしはバリバリの武闘派じゃないけどそれでもこんなことができる。
そう言って彼女はそれぞれバラバラな色が塗ってあるナイフを取り出して俺の右手と左手に2本握らせて、刃挽きをしてあるから安全だから抵抗しないでと付け加えた。
それで糸でマリオネットのように操られて今しがた渡されたナイフを俺は振り回すことになる。
そこを彼女は自身が持ったナイフをジャグリングしながら俺のナイフを防ぎ、落下するナイフを持ち替えて攻撃し、加えて俺の手足まで指先から伸ばした糸で操っている。それを何順も、時にはパターンも変えつつまるで踊るように繰り返す。
一人で何役もこなしているのだ。
そして最後にピエロがお辞儀するように綺麗な動きでお辞儀をした。
「君はあほだからただ基礎をやらせてもあきるだろうけど、一度こうやって見本を見ればやる気は出るでしょ」
「いやーすごいすごい‼ めっちゃかっこよかった」
「どやー」
俺は惜しみない拍手を送った。やるじゃねえか。
確か飛行能力者のルームメイトが思考並列とか言っていたのだろう。彼らは幼少のころからピアノとかで訓練していると聞いた。
これがちゃんと冒険者なり軍人になってモンスターを倒して脳が進化するなり身体能力が上がって努力が実れば、初めて触る楽器でも1時間もしないで一曲弾けることもできると言っていた。
これをまずは両手じゃんけん。
それができたら次は口で残りのじゃんけんを言うに移行。それができたら歩きながら。走りながら。ラダーを設置してラダートレーニングをしながら。
最終形態は右手にスマホを持って文章を打ち込み左手ではルービックキューブ、右足で将棋をして左足でチェスが同時にできるようになるらしい。
因みに彼女が実際にそれをやって見せ、俺はそのうちのそれぞれ一つだけで挑んだがまさに片手間で敗北した。
足で指された将棋に負けるとかかなりの屈辱だった。
同時4勝負であたしに勝てたら何でも好きなことしていいよとの言質はもらったのでとりあえずやる気に燃えた。
彼女は俺の扱い方までもがうまかった。
尻尾繰り。
これは文字通りアニマル能力者の尻尾が生えている中でしかもごく一部の者が習得できることだ。
豚のようなおまけでついているレベルの尻尾でなく、ある程度の長さが必要とされる。そのためかなりマイナーではあるが、熟練すれば手足が一本増えるようなもの。手数はもちろん近接戦でできることも格段に増える。尻尾を使った専用の格闘技があるくらいらしい。
猿の尻尾の器用さ、サソリの強力な武器、カンガルーのように体を支える。そんな風に尻尾を扱う訓練する。
長さと太さによってはできることできないことがあるが特に太くて長い部類に入る尻尾の俺はそれこそ椅子のように尻尾だけでも体を支えられる。逆に繊細な動きは苦手だが。
利き手じゃない方の手で箸を扱う数倍難しい。そりゃあ今まで存在してなかった器官の操作なんて難しいに決まってる。しかも生まれたての赤ん坊のようなもの。
筋力も著しく低い。それでも人を投げ飛ばすくらいはできるから鍛えれば面白いことになる。
けど物凄い背面の筋肉を使う。主に背筋。踏ん張りのためにキュッとケツを何度も閉めるからお尻も筋肉痛だ。加えてこれは尻尾を出すにはアニマル系の第2形態を維持しなくてはいけないのだ。
トカゲの師匠が尻尾のことを当然教えてくれているのだが、いい年こいた男二人が互いの尻尾を触りあう授業風景はほのぼのしてたが実にシュールだった。
因みにトカゲの師匠の尻尾は千切れてもまた生えてくるらしい。
千切ってもいい? と聞いたら専用の治療をしないと長さが短くなって中の骨も軟骨みたいなのになるし、また一から鍛えなおさないといけなくなるから止めてくれと言われた。
「……いいこと思いつい―――」
まだ何も言っていないのに無言で師匠の尻尾が引っ込んだ。
師弟で信用がないってとても悲しいことだと思う。
体術。正確には通常の空手や柔道と違う身体能力があがった冒険者や軍人コンセプトの体術だ。
普通の格闘技との一番の違いは寝技の少なさ。そう始めるときに教えられた。
教師は蜘蛛とトカゲどちらかが手が空いているときに受け持っててくれている。どちらもできるかららしいが、一応トカゲの師匠の方が上手ではあるみたいだ。
「寝技少ないの?」
「対モンスターも想定してる。人型は少ないしいたとしても身長が違いすぎることが多い。自分の腰くらいまでの身長しかないゴブリンもいるし、逆にこっちが脛までしか届かないくらいでかい図体のやつもいる」
確かにそんな奴らに対人を想定した格闘技は意味がないかもしれない。
けど。そう加えてトカゲの師匠が俺の手を取って寝技をかけてくる。
「本当の理由は―――」
「ああ……体重がないのか」
腕十字固めをやられたが簡単に師匠の体ごと持ち上がる。モンスターを倒して身体能力が上がるけど体重は大して増えない。場合によっては減る人すら出るらしい。そして冒険者の3クラスなら片手で簡単に成人男性の体重くらいなら持ち上げることができる。特に師匠は軽くなるタイプらしい。
寝技をかけられても簡単に対処できるから寝技が少ないのだ。
「だからお前にはあえて寝技を教える」
「体重が重いから?」
「ああ」
人と違うそこが武器となってくる。場合によっては初見殺しのように活用できるだろうと言われた。
それと同時進行で体重の軽い相手との対人戦もする。
バスケでトリプルクラッチを初見で平気でできてしまうような跳躍競技選手をより人間の枠外に投げ捨てたような常軌を逸した滞空時間とそれによって繰り出される圧倒的手数の多さは経験が浅いうちはほぼ成す術無く一方的に刈られるらしい。
特にトカゲの師匠なんかは俺が先に腕を伸ばして殴りに行っても、あとから余裕で俺を追い越して先にこぶしが届いて殴られる。
両手でガードをして殴るには片手を解くのだがそれをちゃんと見て、処理されるから勝ち目がない。
ワンで俺の顔面を打ち抜き、目をつぶって視界がつぶれたところに変幻自在にツーで仕留めにきている。
一からボクシングと柔道を習うことになった。
うむ、懐かしい日々だった。
二人の総評は平凡かチョイ下くらいの出来の悪い生徒という俺としては過分な評価を貰った。二人には修行中にあほみたいに怒られたから最低評価も覚悟の上だったからなあ。単位で言うなら可もしくは再テスト合格って辛い現実。
けれど身体能力があるから中身がポンコツでもカバーできる。できるができるからこそスペックに甘えて成長の阻害になっている。
これからに期待らしい。
さてと休憩が終わったらぼちぼちダンジョン探索に戻って上の階層を目指そう。
基本的に主人公の戦闘スタイルは能力なしで戦って必要なら発揮していくタイプ
素でも体が頑丈だからある程度いける感じ




