童女とじじいの世界③
すみませんでした。
と、今回は謝罪から入らせてもらいます。
投稿が半日分くらい遅れてしまいました。
完全にペースが悪いです。はい。
確認したら、過去の話を含めて5万字すら超えていないことに驚きを隠せません。結構投稿したと思っていましたが、全然でした。なので1日ぐらいの誤差は出てしまうかもしれませんが、10万字行くまで投稿頻度は落とさないようにします。(文体は短くなっちゃうかもだけど)
これからも、御付き合いのほどお願いいたします。
一枚、一枚空間のかけらが落ちながら砕ける。砕けた破片は見えなくなる様に消えていく。
老人は、勢いよく正面右手を突き出す。その右手を中心に巨大な魔法陣が形成され魔法陣が黒く塗りつぶされる。
「今すぐに!」
出来たのは、ゲートと呼ばれる移動魔法だった。
だった。
過去形で締めくくられる通りの結果が起こってしまう。
出来たゲートは、ひび割れた空間とともに亀裂を発生させ砕けてしまった。
「そこから」
老人は諦めなかった。砕けたそばからまた新しいゲートを作る。種類、形を変え多種多様なゲートを作り出す。だが、一枚たりと形を保つことが出来たものはなかった。
「そこから」
目の前でひび割れた空間のかけらが次々と消滅していくのを眺めることしかできないでいる。
破片を隔てた先にいる少女はうずくまりしゃがみこんでいる。彼女を襲っているのは、未知にに対する絶対的な恐怖で恐怖から逃げるための逃避行動である。
「今」
今まで一度も見たことがない視覚からの恐怖を目を塞ぎ、今まで一度も聴いたことがない聴覚による恐怖を耳を塞ぎ、今まで感じたことがない触覚の恐怖を体を小さくして震えることしか出来ない。今少女を襲っている恐怖は、少女にしかわからず抱えてしまっている恐怖は絶大である事が見て取れる。
「お助け致します!」
老人は、絶えずゲートの魔法を繰り返し形成し続けたが、出来てはすぐに亀裂が発生してしまい形を保つことが出来ない。
空間の亀裂のせいで声や音は聴こえないが、少女は、きっと、ずっと、助けを、老人を求めているであろう。
幾度も、幾度もゲートを作成しそして消滅していく。その度に、砂時計の砂が落ちていく様に、亀裂の入った空間が崩れて消えていく。
老人は、気を集中し次の一手に出る。
「われが命ずる!我が魔力を糧とし理り持つ万物を貫き我点と虚点とを繋ぐ線とし導たれ!我、欲するは門にあって門にあらず!われを妨げる壁を砕き路とせよ!」
老人が、怒気を込めて絶唱する。
絶唱している間に老人の足元に巨大な魔法陣が生成され、老人を囲う様に三つの魔法陣が回りながら生成された。
「繰り出すは今!砕くは阻むもの全て!抉れ!削り取れ!“ジ・ガ・ア・ブレイク・ディメンション!“」
老人の周りに生成されていた魔法陣が、黒い光となって右手に集まり収束する。
飛んでくる蝿を振り払うかの様に、黒く輝く右手を横一線に振る。
手の動きに合わせ、なぞる様に空間が消滅する。
老人と少女を隔てていたひび割れた空間すらも消滅し開いた隙間から少女のすすり泣く声が聞こえてくる。
「。。。。。。。。。。。。。。。」
声にならない音を感じ、二つの意味で心が跳ねる。一つ目は、見るからに怪我などが見受けられなかったことを確認できたことと、目と鼻の先に、手を伸ばせば手の届くところにいたにもかかわらず少女をここまで悲しませてしまった事への自分の不甲斐なさの二つである。
消滅したはずの亀裂は、また2人を隔てるために発生し始める。
「これでもか!」
亀裂は、先ほどの魔法のせいか、発生に多少時間がかかっている。しかし完全に遮断されるのも時間の問題で亀裂は確実に広がっていく。
「お嬢様」
「!!!。。。じぃ。。じ?」
できた隙間から、なく子あやす親の様に優しく語りかける。それを聞き少女は、泣いて赤くなってしまった目で声の主人を探し始める。そして目と目が、視線が交差する。
「じ。。。じぃじ。。。!!」
少女は、言葉と一緒により一層大きな涙が溢れ出す。
「じぃじ!じぃじ!じぃじ!じぃじ!じぃじ!じぃじ!じぃじ!じぃじ!じぃじ!じぃじ!」
少女の不安が爆発する。何度も、何度も老人を求め叫び続ける。叫ぶ声が少し枯れているのはすでに、大きな声で、何度も、何度も、助けを求めていたからで痛みを感じながらもなお叫び続ける。
「いけません、お嬢様」
突然の叱責により求める叫びが“ズズッ”と鼻水を啜る音に変わる。
「こんな事で涙を見せてしまっては、じぃじは恥ずかしくて外にも出れなくなってしまいます」
「で、でも、、じぃじが、、じぃじが〜!」
少女の不安が、心が言葉を作らせてくれない。
「お嬢様、今どんな御気持ちですか?悲しいですか?寂しいですか?両方ですか?」
少女は、流れる雫を垂れ流しながら言葉を探す。しかし、見つかる前に言葉が返ってくる。
「お嬢様が感じている感情、悲しみと、寂しさ、じぃじは全て分かっています。きっと、お嬢様の1000倍強く感じて、感じすぎて、血涙が止まらないほど感じています。大変です。このままでは、血を流しすぎて、じぃじ、出血多量で死んでしまうかもしれません」
「じぃじ死んじゃやだ〜!」
優しい、優しい少女は、心からの言葉を泣きながらに叫ぶ。
「では、約束してください。こんなくだらない事では泣かない事。その代わりに、笑顔を見せてください。そうすれば、お嬢様の笑ってる顔が見たくて、じぃじは飛んで来ちゃいますよ。ビューンなんてもんじゃないですよ!ピュンって、一瞬で飛んできます」
「ぜったいくる?」
鼻をすすりながら手で雫を拭う。拭った先から雫が溢れ出す。
「絶対です。だって約束ですから」
そう言って老人は裂けた空間から少女に向かって左手を伸ばす。小指を立て少女に合図を出す。
「指切りです」
とめどなく溢れる雫を拭いながら少女は、差し出された小指に自分の小さな小指を絡める。
「指切りげんまん♬嘘ついたら、針千本の〜ます♬」
老人は、絡まった小指を確認してから歌い出す。歌のリズムに合わせて手を振る。少女は、されるがままに任せ言葉も出てこなかった。
「指切った♬」
歌は終わった。しかし、なかなかつないだ指は離れてくれなかった。少女は、顔を下に向けてしまい表情を確認することができなくなってしまった。聞こえてくる音は、鼻水を啜る音だけ。
「お嬢様。必ず、約束を守りにきます。それまでずっと強い子でいてください。お嬢様が泣かれてしまうとじぃじはとても悲しいです。それに、」
「じぃじ!」
「お嬢様に似合うのは、ニッコリと笑う。。。」
言葉は途切れ、老人の言葉は最後まで届くことはなかった。
老人と約束を交わした小指には、老人の小指ではなく指輪がはまっていた。大きさ5mmほどの紅い宝石がはめ込まれた、少女の小指にピッタリの小さな小さな指輪。
少女は、新しく出来た宝物の指輪を抱きしめるようにして大きな声で辺りを気にせず泣いた。
さっきとは違い、寂しくはなかった。悲しくもなかった。小指に残った温もりにそう言った感情は似合わなかった。
ただ、自分のことを大事に、大切に思ってくれる人に会いたい思いが絶叫をさせる。
最初に、涙が枯れる。次に、喉が枯れ声に血が混じり始める。そして最後に、少女の体力が枯れた。
力尽きた少女は、糸が切れた操り人形のように”ぼとっ“と音を立てて崩れ落ちた。
今回の話は、視点が変わる感じで感情移入が難しくなってしまいました。ただ、流れを通りに書き足すとどうしても視点が切り替わってしまいました。
一応じじいと童女視点ではあるので、御了承ください。
次回はまた来週に投稿いたします。また、是非見てくださいね。(アニメの次回予告にこんなキャッチフレーズがあったはず)
何卒宜しくおねがいします。