第九話 あたし達が目指すべきは(5/9)
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○白組
[先発]
1二 徳田火織[右左]
2中 有川理世[右左]
3右 松村桐生[左左]
4一 天野千尋[右右]
5三 リリィ・オクスプリング[右両]
6捕 冬島幸貴[右右]
7指 伊達郁雄[右右]
8左 秋崎佳子[右右]
9遊 月出里逢[右右]
投 ???
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そんなこんなで、打順は決定。
と言っても元々メンバーは限られてるし、誰が先発であったとしても概ね攻撃パターンは変わらんかったと思う。少なくとも今までの実績やこの一週間の内容を見る限り、天野さんと松村さん、リリィと火織の4人が攻撃の要になるのは確定的。
万全であれば伊達さんも当然計算に入ってくるけど、流石に怪我明けで控え捕手の立場もある伊達さんに無理強いすることはできんわな。
「よし、次は先発を決めるか」
「それは当然、ボクがやりますよ。事の発端の責任を取る意味でも、ボクが投げるのが筋というものですよね?」
食い気味に立候補する雨田くん。そう言うと思ったわ。
「……ま、オレも道理だけで言えば雨田くんが投げるべきやとは思う」
「あっしもあん時結構言っちまったけど、流石にちょっと先発の責任は負いかねますね……当然、投手陣の1人としての責任は全うするつもりっすけど」
「おれも遠慮しとくよ。ルーキー達のせいだから、譲ってやるだけだけど」
夏樹ちゃんと山口さんはやはりと言うか消極的。まぁ言っちゃ悪いけど、オレも最初からこの2人は先発としては考えてなかった。
「だったらやっぱりボクが「でも、オレは篤斗を推すわ」
「……はぁ!?何だよそれ!?」
(まぁ、そうだよね……)
あくまで目指すのは勝利やからな。
「別にオレは正捕手兼キャプテンとしての権限を濫用するつもりはないで?あくまでいち捕手としての見解や」
「……だったら冬島さんの意見だけでは決められませんよね?」
「せやな。んじゃ、打つ方の立場としてクリーンナップの3人に聞きたいんやけど、この1週間、打撃練習で投手陣と何度か対戦してきた中で、誰が一番先発に相応しいと思った?」
「そんなんあっくんに決まってるっしょ?」
「いや、火織。お前にゃ聞いてへん」
どうせそう言うと思ってた。どういうわけかコイツ、やけに篤斗の肩を持つからな。その辺みんなわかってるから、コイツも打つ方の実力はあるけど、公平に判定するにゃ向いてないってことで外した。
「……まぁ、ぼくも篤斗くんかな」
「えっと……私も氷室さんですね」
「ウチも篤斗を推すわ」
満場一致。当然やな。
「何でだよ、揃いも揃って……!」
「……おい雨田。肩あっためてマウンド上がれや」
「?何ですか突然……?」
「3打席……いや、5回までやから2打席でええわ。ウチを抑えてみぃや。それができたら、ウチは雨田を推したるわ」
「……そうだね。勝負の内容次第で、ぼくも考え直すよ」
「そうですね……私も右に同じです」
名乗り出たのはリリィか……まぁ同じルーキーとして、この役割は背負わんといかんし、
「上等だ……!」
先発以外やらせるにしても、この甘ったれの生意気坊やにはお灸をすえんといかんわな。
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