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竜玉翡翠伝  作者: Hifumi
第二章~鳥と馬~
6/9

PART1


師匠と別れ独りになってしまったリュシア

彼女が出会う不思議な人物?とは…?


 過去を思い出すうちにリュシアの心には怒りと悲しみが渦巻いていた。

 逃げ出してしまった自分への怒り、あそこまで頑なに生きようとしなかった師匠への怒り。

 そして、独りになってしまった悲しみ。

 

 冷静になってよく考えてみれば、師匠はあれだけ嫌っていた竜の姿をさらけ出してまでリュシアを追い出そうとしたのだ。それに、師匠にはそんなことをする体力はあまりないことをリュシアはよく知っている。

 辛いのにそこまでしたのは強い思いがあったから。ここで引き返せば逆に師匠を苦しめることになる。


 リュシアは決心した。

 師匠の意思を継ぎ、竜玉を竜に渡すために頑張ろう、と。


 まずは師匠の言うとおり、馬人族のいる森に向かうことにした。一日中頑張って歩けばとどく距離だが、我に返って過去を思い出すうちにもう暗くなり始めている。

 傍らに誰もいない寂しさが、胸に風を吹かせる。

 心細く思った瞬間、どこからかガサガサッという音がした。

 人か獣か分からないが、どちらも厄介だ。リュシアは短刀を持って構えた。護身を習っていたといっても、もし男と戦うのであれば、勝つ見込みはほとんどない。逃げるための護身だ。

 緊張が張り詰めている。すると、ガサガサッという音が急にとまった。



「構える必要はありません」



 どこからか少年の声が聞こえる。上だ。

 リュシアが見上げると、樹の上に白い人がいた。

 白いダボッとした服を着た、純白の髪の少年…。髪には沢山の飾りがついていて、キラキラしている。白いまつ毛の下の瞳は漆黒で何を考えているかつかめない。目の下にあるのは翼の形の刺青だ。

 表情は無邪気か邪悪か分からないような笑みを浮かべている。

 そしてなにより目をひくのは背中にある純白の翼。鳥の翼だ。

『鳥…?』

 リュシアの心に鳥という言葉が引っかかった。確か師匠も鳥と言っていたような気がする。

 すると少年は明るい声で自己紹介した。

「リュシア=ドラゴニア様、人の姿では初めて御目にかかります。私、竜の使いを勤めている、『鳥』と申します。何しろ鳥目なものですから下には降りれませんが、ご無礼をお許しください」

 そういうと鳥は恭しく頭を下げた。

「本当に鳥という名前なの?」

 別にそんなことは気にしたことがない、とでも言っているかのように鳥は首を傾げた。本当の鳥みたいに。

「竜様のお力で人の姿になっていますが、もとはただの鳥です。だから名前も鳥」

 にやにやと笑いながら言う。

 なんだか信用していいのか否か迷う。

「玉守様のご命令であなたの旅のお手伝いをさせていただきます」

 もしかしたら師匠とよく一緒にいるのを見かけた、あの白い鳥は彼なのかもしれない。リュシアはなんとなく思った。

「では早速…。風の噂によると、竜ほどではないにせよ、馬人族は人を警戒しているようですよ」

 決まり文句を言うように自信ありげに鳥が言う。

「じゃあどうすればいいの?」

「そんなことはご自分でお考えください~。お嬢様のそういうところ、玉守様も心配してましたよ」

 鳥が師匠のことを喋るのは胸糞悪い。それに鳥は竜に使える身であって、人などに敬意を払う気持ちもないくせにわざとお嬢様などと言うのでさらにリュシアはイライラした。

「わかった。自分で考えるわ!もう用はないでしょ?じゃあね」

 鳥は白い眉を少し上げると、目は笑っていない笑みを浮かべて言った。

「お気をつけて」

 それも無視してリュシアはずかずかと歩き去った。


 鳥との出会いがリュシアのこの先への不安をさらに募らせた。


鳥との出会い編終了です。

鳥は嫌なやつですね。

私は未熟ですので性格のねじ曲がった生き物がどうしても上手く書けないので、珍しいキャラだと思います。


次は馬人族との出会いです。お楽しみに。

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