偽
少し大きな回る椅子に、50代くらいの男が座っている。その男の前には、書類の置いてある机。
その時、急に部屋の扉が開き、一人の男の子が入って来た。
男の子「何ですか、わざわざ呼び出して。」
その男の子は、片手をポケットに突っ込みながら、開いた扉によしかかりながら話す。
男「まず、姿勢を直せ。」
椅子に座る男は、一枚の書類を手に取る。その書類には、こう書かれている。
《「偽」出現者 永瀬 紗奈》
椅子に座る男は、ドアによしかかる男の子に、その資料を見せる。すると、よしかかる男の子の表情が変わる。
男の子「通りで、呼び出すわけだ。」
男「最凶の偽の眷属、お前は一人で大丈夫だな」
扉によしかかっていた男の子は、座っている男の方に近づき、資料を貰う。
男の子「もちろん。」
男「なら、早速言って来い」
男の子「ほーい」
資料をもらった男の子は、部屋から出て、扉をゆっくりと閉じた。
2032年4月6日
とある部屋。少女が寝ていて、充電器の繋がれたスマホのアラームが鳴る。
少女「うぅ…もう、朝か」
少女は、横にあるスマホを目を瞑ったまま、手探りする。そして、スマホのアラームを消す事ができた。
少女はゆっくり布団を脱いで、ベットから降り、立ち上がる。
少女「うっ!」
その時、少女の視界がぼやけ、少女は倒れかける。しかし、腕を床につき、何とか姿勢を保った。
少女「…学校……行きたくないな」
少女は、制服に着替え、カバンに宿題などを入れる。
そして、カバンを持ちながら駆け足で家の階段を降りる。そして、カバンを洗面台の下に置き、顔を洗って、またカバンを持つ。
少女「行ってきまーす」
母親「あら、朝ごはんはいいの?」
少女「今日もいいや。」
少女は靴を履き、駆け足で家を出ていく。
少女(なんで…なんでまた私、嘘をついちゃったの??)
私の名前は、永瀬 紗奈、中学2年生。あと数分で遅刻する訳ではない。時間には余裕がある。
紗奈(なんで私、こんなに焦ってるの??)
紗奈は少し、冷や汗をかく。その時、後ろから肩を叩かれる。
紗奈「!!」
紗奈は、咄嗟に振り返る。そこには、同じ制服を着た少女が居た。
咏羅「大丈夫?紗奈」
紗奈「なんだ、咏羅か〜」
咏羅「なんだって何よ!?」
少女の名は、華柄 咏羅
咏羅「紗奈、なんか顔色悪いけど大丈夫?」
咏羅は、紗奈の顔を覗き込む。
紗奈「大丈夫だよ〜。」
咏羅「さては、夜更かししたな〜?」
紗奈「ギクッ」
二人は、並んで学校まで向かう。そして、教室に入る。
紗奈「ふー、疲れたぁ〜」
紗奈は、自分の机に倒れ込み、咏羅は心配そうな声で言う。
咏羅「ほんとに大丈夫?風邪じゃない?」
紗奈「大丈夫だって〜。心配し過ぎだよ」
紗奈(その通りだよ咏羅!なんで、言葉に表せないの??)
私は、故意で嘘をついているのではない。自然と、嘘をつく。こうなってしまったのは、今週からだ。
「ドサッ」
夕方、オレンジ色の光が差し込む部屋のベットに、紗奈は倒れ込む。
紗奈「疲れた…」
一日中吐き気に襲われながらも、紗奈は乗り切り、家に帰ってきた。ただ、着替える気力さえ残っていなかった。
紗奈(このまま、もう寝よう…)
紗奈は、ベットに頭を乗せながら、ゆっくりと目を閉じた…
男の子「はい、招かれましたね。ターゲット」
資料を持った男の子は、誰かに電話をする。その男は、白い空間に浮いていた。その空間には、何か灰色の球体が無数にあった。
男の子「ボス、眷属は殺して大丈夫なんですよね?」
ボス「あぁ。できれば、嘘の欠片を回収してほしいが、余裕がなかったら倒すだけでいい。」
男の子「分かりました。じゃ、行ってきます」
資料を持った男の子は、灰色の球体に乗っかる。そして、手を当てる。すると、扉が現れた。
そして、資料を折りたたみ、ポケットに入れる。男の子は、扉から灰色の球体の中に入って行った…
紗奈「……っ…」
紗奈の視界が、急に明るくなる。紗奈は思わず目を開け、飛び起きた。
紗奈「眩しっ!!」
紗奈の視界が戻っていく。すると、視界に映ったのは、懐中電灯を持った男の子だった。
男の子「あ、ごめん。眩し過ぎt」
男の子がそう言いかけると、紗奈はその男の子を思いっきりビンタした。
男の子「痛っ!」
紗奈「誰あなた!!私の部屋に、勝手に侵入して…」
男の子「何言ってんの。周りを見てごらん」
紗奈は、ふと気がついた。周りには、灰色の階段が何個もあった。そして、その階段は無限に続くかの様に長かった。紗奈がいる場所も、階段の上だった。階段は比較的大きかった。
紗奈「何ここ!?」
男の子「最低でも、君の部屋ではないよ」
すると男の子は、二つ、カップ焼きそばにポットでお湯を入れ始めていた。
紗奈「何処にあったの!?」
男の子「まあまあ、今は何か食って落ち着け」
男の子はあぐらをかき、じっとカップ焼きそばを見る。
紗奈「説明して。あなたは誰」
すると、男の子は生意気な顔で言った。
男の子「普通自分の方から名乗るでしょ。なんで相手側が先に言わないといけないんだよ」
紗奈は表情を変えずに、こう思った。
紗奈(生意気でムカつくなこのガキ)
紗奈は、少し呆れた顔で言う。そして、紗奈も階段に座る。
紗奈「私は永瀬紗奈。中学生。これでいい?」
男の子は、文字の書かれた紙を見ていた。
男の子「条件一致だね。ターゲットで間違いないな」
紗奈「?」
男の子「俺はビケ。お前を助けにきた」
紗奈はきょとんとする。
紗奈「えっと〜、ヒーローごっこかな?」
ビケ「俺はガキじゃねえぞ」
ビケはため息を吐き、話した。
ビケ「ここは何処だって話だよね。ここは偽界、君の意識の中だよ」
紗奈「え?」
ビケ「君は、永瀬紗奈の意識だ。」
ビケは、カップ焼きそばの蓋を開け、熱湯は階段の下の方に落とす。
紗奈「え、そこに流していいの?」
ビケ「どうせこの空間は、無限に続いてるからな。」
ビケは割り箸を割り、カップ焼きそばを食べ始める。
紗奈「無限に続いてる?」
ビケ「偽界は、現実とは違う偽物の世界だ。現実の常識は通用しない。だから無限を実装できてる。で、今なんか困り事ない?」
紗奈「困り事…最近嘘しかつけない事?」
ビケ「それを、俺は解決しに来たんだ。この偽界は、偽の封印場所だ」
紗奈「いつわり?」
ビケ「人は、嘘をつく。それは悪いことではない。でも、嘘をつき過ぎると…」
紗奈は、息を呑む。
ビケ「偽が解放され、嘘つきになってしまう。そして最後、偽は人の意識を取り込む」
紗奈「取り込む!?」
紗奈は立ち上がって、驚いた表情をする。
ビケ「偽は、檻に閉じ込められてるんだ。この偽界の中心部にな」
紗奈「あれ?無限に続いてるって言ってなかった?無限なら、中心とか分からないんじゃ…」
その時、ビケと紗奈の横を液体が通り過ぎて、また落ちていった。
ビケ「最深部はあるよ。でも、さっきの見ただろ?あれは、俺がさっき落とした熱湯だ。」
紗奈「!?」
ビケ「下につくと、上に転送される仕組みだ。ようは無限って事だ。で、話戻すけど、偽は通常閉じ込められ、出ることはできない。でも、偽の力の源は、《嘘》だ。」
紗奈「だから、嘘をつき過ぎると、偽はパワーアップして、檻を壊して出てくる。」
ビケ「その通り。で、偽は意識、つまりお前を取り込みに来る」
紗奈「なんで!?」
ビケ「さぁ。俺も知らねえ」
ビケは両手を上げ、首を傾げる。
そしてビケは、紗奈にカップ焼きそばと割り箸を手渡す。
ビケ「お前、食わねえのか?」
紗奈「あ、食べる。ありがとう」
紗奈も、カップ焼きそばを食べ始める。ビケは完食済み。
ビケ「偽は、もう檻から出てる」
紗奈「!?」
ビケ「意識…お前は、通常ここには居ない。でも偽はお前を取り込むために、お前をこの偽界に招く。お前が偽界にいるのが、偽が解放された証拠だ」
紗奈「さっき、助けるって言ってたけど…ビケって、何者?」
ビケ「偽を倒す組織、真だ。国も知らない組織だけど」
紗奈「知らないの!?国も!?」
ビケ「まあな。言っても信じられないからな。」
そうビケが言っていた時、ビケの目つきが急に鋭くなる。
ビケ「紗奈、カップ焼きそば、なるべく早く完食できるか?」
紗奈「え?あ、うん」
ビケ「足音が聞こえたな。もう近くかも知れない」
その時、紗奈が急に箸を落とす。紗奈の目の前に、自分と同じ顔の何かが現れたからだ。
紗奈「え?」
?「…」
その時、紗奈の後ろからビケが足を伸ばし、紗奈と同じ顔の何かを蹴り飛ばした。
ビケ「偽は基本的に、本人と同じ顔だ!気をとられるな!」
その時、ビケは何か違和感を感じた。
ビケ(おかしいな…資料には、眷属って書いてあったけど、手応えが全然…)
その時、ビケはハッとする。
ビケ(まさか、能力!?)
その時、ビケは後ろを焦りながら振り返る。そこには、顔は紗奈ではない。一人の少女が両手をポケットに入れて立っていた。
眷属「私こそ、最凶の偽の眷属だ」
その瞬間、ビケは何かに操られる様に、階段の横から、下へ落ちて行った。
ビケ「!?」
そして、紗奈は座ったまま動けなくなる。最凶の偽の眷属は、ゆっくり紗奈に近づく。
眷属「こんにちは永瀬紗奈。悪いが、最凶の偽様の封印を解くために、意識を乗っ取らせてもらう」
紗奈「へ?」
最凶の偽の眷属の後ろから、黒い煙の様なものが立ち上り、紗奈を包む。
眷属「《嘘操作》」
その時、ビケが最凶の偽の眷属の頭を掴み、階段に押しつける。すると、紗奈の周りの黒い煙の様なものは消えた。
紗奈「ビケ!!」
しかし、ビケは無反応で、無表情で眷属を階段に押しつける。
紗奈「ビケ…?」
その時、ビケの背中から刃物の様な黒い物が突き出てくる。すると、ビケは消えた。
紗奈「え?」
眷属「能力か。厄介な能力だ」
眷属の手には、黒い刀。紗奈の顔色は、青くなっていく。
紗奈(ビケが…死んだ??え?)
眷属は紗奈に近づく。紗奈は、後退りする。
紗奈「近づかないで!!」
しかし、眷属の足は止まらない。
紗奈(私…どうすれば…)
その時、眷属の上の階段が壊れる。
眷属「?」
すると、ビケが落ちてきて、眷属を横に殴り飛ばした。
紗奈「ビケ!?」
ビケ「よう。」
ビケは着地し、眷属は階段の端を手で掴み、落ちない様にしている。
ビケ「さて、眷属。よくやってくれたな」
ビケは、指をポキポキと鳴らしながら眷属に近づく。
紗奈「ねえ、眷属って?」
ビケ「あぁ。今は封印されてるけど、《最凶の偽》って言う神の偽がいたんだ。そいつの嘘の塊、あ、嘘の塊って言うとは、本人のついた嘘を固めてある、偽の命みたいなものかな」
紗奈「ほうほう。あまり理解できていない」
ビケ「言葉で聞くとややこしいか。まあ、その命の欠片から生まれた偽を、俺たちは眷属と呼んでいる。」
紗奈「じゃあ、こいつは私の偽じゃないって事?」
ビケ「半分そうだな」
紗奈「半分?」
ビケ「ここからは、ややこしくなる。取り敢えず、眷属を倒す」
その時、眷属は少しニヤついていた。
眷属「…お前、偽か?」
その言葉に、ビケと紗奈は驚いた表情をする。
ビケ「何でそう思った」
その時、ビケの視界から眷属が消える。そして、いつの間にかビケの背後に、眷属が立っていた。そして、ビケの肩に片手を置く。
眷属「聞いていたら、お前、真なんだろ。でも、偽でもあるだろお前」
紗奈「ビケ??この眷属、何を言って…」
ビケ「…そうだよ。俺は、偽だ」
その時、眷属は動けなくなる。そして、ビケは振り返る。
ビケ「俺は、真であり、偽だ」
眷属「…はぁ?真は偽を殺すのが目的だろ。何で偽が、真になれる」
ビケ「なれるんだな。特殊な理由で…」
その時、階段の色が段々と黒に染まってゆく。
眷属「へー?特別扱いか」
その時、眷属は急に動き出し、ビケの首を掴む。
ビケ「なっ!?」
眷属「特別扱い、嫌いなんだよね」
ビケ「何で…動ける」
ビケは首を絞められ、苦しそうに言う。
眷属「お前の能力なんてどうにでもなるよ。」
その時、紗奈が眷属の腕を掴み、ビケから引き離そうとする。
眷属「お前、邪魔すんなよ」
眷属は、ビケから手を離す。すると、次は紗奈の首をしめる。
ビケ「紗奈!!」
眷属「《嘘操作》」
その時、黒い煙が大きな手の形に変わり、ビケを突き落とす。
ビケ「なっ!?」
ビケ(クソ!こっから紗奈を、助けるには…何か大きな隙が必要だ!あいつは、この技を勘づく。でも、どうやって隙を…)
その頃、紗奈は必死に眷属の手を掴んで、首から離そうとしていた。しかし、離れない。
紗奈
紗奈の手の力が、段々と弱くなる。
眷属「終わりだな」
その時、紗奈は口を開ける。
紗奈(一か八かだ。嘘には、嘘を)
紗奈「あ!!UFO!!!」
紗奈は、眷属の後ろを指差し、そう言った。
すると、眷属は呆れた顔をしてこう言った。
眷属「舐めてるのか?この空間に、そんな物、存在するはずがないだろ…」
しかし、眷属は青ざめる。眷属の横を、何かが横切った。円盤型の何かだ。
眷属「な!?嘘だろ!?」
その時、眷属の手の力が弱くなる。そして、紗奈は言った。
紗奈「うん。嘘だよ」
紗奈は、眷属の腕を自分の首から離す。その瞬間…
ビケ「《ゲル》」
その時、黒色の光が眷属を包む。そして、その黒い光は、爆発する。その爆発に紗奈が巻き込まれる前に、ビケは紗奈の腕を掴み、階段を蹴り飛ばしながら移動し、爆発した階段から遠い階段に着地した。
ビケ「ナイスな嘘だな。紗奈」
紗奈「ふーっ、気づいてくれて良かったよ。カップ焼きそばがあって助かった」
ビケは、紗奈が「あ!UFO!!!」と叫んだ時、その言葉の意味を理解した。ビケは、カップ焼きそばの空をまだ持っていたことに気がつき、すぐにそれを投げる。それを、眷属はUFOと勘違いしたのだ。
「ガラガラッ」
爆発によって、一つの階段が崩れてゆく。その階段からは、黒い煙が出る。
紗奈「これで、倒せたの?」
ビケは、自分たちの立っている黒い階段を見る。
ビケ「いや、まだ倒せていない」
紗奈「え!?」
ビケ「階段が黒い。これは、偽が偽界内に居る証拠なんだ。偽が消えれば、階段は白くなる。」
その時、階段の下の方から足音が聞こえる。上がってきたのは、無傷の眷属だった。
眷属「偽の君、面白い事してくれるじゃん」
眷属はそう言って、人差し指を下に向ける。その時、黒い煙が立ち上り、龍の形に固まった。
眷属「《嘘操作》」
その龍は、ビケに向かって飛んでくる。
紗奈「何あれ!?黒い煙が、龍に…」
ビケ「黒い煙に見えるのは《嘘》だ。あいつは、嘘を操ることができるみたいだ。」
すると、ビケはポケットから白いコインを取り出した。コインには、「真」と書いてある。
眷属(何だあれは…《真実》?)
ビケは、そのコインを歯と歯で挟む。そして、噛み砕いた。
ビケ「ちょっと本気、出しちゃうよ」
ビケは、向かってくる龍に視線を向ける。そして、拳を丸める。その時、ビケの拳が灰色に光る。
ビケ「《嘘拳》!」
ビケは、その龍の顔を思いっきり殴る。その途端、龍はどんどんと顔から崩れて、灰のように消えていった。
ビケ「いつ降参する?」
ビケは、生意気な顔で眷属に向かって言った。
眷属「自分の心配をしたらどうだ」
眷属が両手を広げる。その瞬間、黒いミサイルが数十個現れた。
眷属「数も質もいいよ?」
ビケ「おっと〜、」
ビケは、少し冷や汗をかく。
ビケ(流石だな。眷属はレベルが違う。これは、猫の手も借りるか)
ビケ「紗奈、頼みがある。」
紗奈「え?」
ビケ「今回は下の方かな。偽界の中心部に向かって欲しい。そこに、嘘の塊がある。俺は足止めで手がいっぱいそうだ」
紗奈「分かった!この階段を降りてけばいいんだよね?」
その時、ミサイルがビケと紗奈に向かって飛んでくる。
眷属「行かせるわけ無いでしょ?」
すると、ビケはため息をつく。
ビケ「紗奈、お前は紗奈の意識だ。だから、落下死はしない。」
すると、ビケは紗奈を階段から突き落とす。
紗奈「え?」
ビケ「これが移動手段だ」
紗奈は、どんどんビケから離れてゆく。そして、ビケが見えなくなるほど落下している時、上の方が黒い煙で包まれ、爆音がした後、物凄い爆風が紗奈を加速させた。
紗奈
紗奈「ビケぇ!!」
その頃、ビケは階段に堂々と立っていた。周りは黒い煙で何も見えない。その時、急に煙が離れる。
眷属「お前、無傷だと??」
ビケ「透明なバリアを作ったんでね」
眷属は、ビケの方に走る。そして、黒い煙が眷属の後ろから出て、たちまち刀に変わる。
眷属は、ビケに刀を突き刺そうとする。しかし、数十センチ離れたところで、その刀は壁に当たったかのように動かなくなる。
ビケ「俺の能力は《コピー》。俺自身の偽物を作ることができる。そして、編集できる。例えば、ドーム状になり、色は透明なバリアになるように、頭の中でイメージがつけば、コピーは自由自在に編集できる」
眷属は、刀を遠くに投げ捨てる。
眷属「チート能力と言いたいが、お前じゃ持たないな。お前は偽。嘘が尽きれば死ぬ。能力は嘘を消費する。その能力、消費が激しいだろ」
ビケ「お前は良いよな。嘘が沢山あって。でも、宝の持ち腐れだ」
その時、眷属の片手が黒く染まり、ビケのバリアを殴り壊した。
ビケ「!?」
眷属「宝だとぉ?これの何がだ!!!舐めた事言ってんじゃぁねぇよおー!!!」
その時、眷属の後ろに、眷属が現れる。その後ろに、また眷属。その後ろにまた…
眷属「俺の能力、《嘘操作》の…俺の恐ろしさ、見せてやる」
ビケの周りを、眷属百体ほどが囲む。
眷属「全員が俺本体と、同じくらいの強さだ。」
ビケ「随分鬼畜な事、してくれんじゃん。」
嘘で作られた眷属の偽物が、ビケの方に拳を丸めながら向かってゆく。
眷属「百対一だ。」
その頃、紗奈は未だに落下途中だった。
紗奈(いーつまで落ちてればいいのー。中心部って言ってたけど、何処かわかんな…)
その時、紗奈は何かに激突し、そこに倒れる。
紗奈「いっった!?痛みは感じるのかい!」
紗奈はゆっくりと立ち上がる。そこは、階段が複数繋がっている、少し広い平地だった。所々に、落とし穴のように穴が空いている。そこには、壊された檻と、黒色の四角い何かがあった。
紗奈「これ、かな?」
紗奈は頭を押さえながら、ゆっくりその物体に近づく。そして、それを手に取る。
紗奈「えい!!」
紗奈は、それを床に叩きつける。その瞬間、その物体にヒビが入り、割れた。
?「ははっ…最高だ」
紗奈「!?」
その瞬間、割れた物体から黒い煙が立ち上り、紗奈を包んだ。そして、誰かの声だけが聞こえる。
紗奈(なんか、聞き覚えのある声…)
?「安心しろ、人間に害は出さない」
その瞬間、黒い煙…嘘は消えていった。
そして、ビケの方は…
眷属「ガハッ…」
眷属は、口から黒い液体を吐きながら、階段にうずくまっていた。居たはずの百体の偽物の眷属は、消滅していっていた。
ビケ「力の差、分かった?」
ビケは眷属の方に近寄り、しゃがみながら言った。
眷属(クソ…こいつ、あれで本気じゃねぇのかよ…)
数分前
眷属「百対一だ」
すると、ビケはため息を吐く。
ビケ「流石にめんどくさい。俺一人じゃ」
ビケは、手を叩く。
ビケ「《コピー》」
その瞬間、銃を持ったビケのコピー三体が出た。そして、百体の眷属の偽物全員を撃ち抜いた。
眷属「!?」
ビケ「《嘘拳》!」
そしてビケは、眷属の腹に一撃を入れた。
現在に戻る。
そして、眷属の体が消え始める。
眷属「!?」
ビケ「お、紗奈が、壊してくれたみたいだな。じゃ、バイバイ」
眷属「…ククッ。後で苦しむのは、お前らだからな…」
そう言って、眷属の姿は消えた。そして、階段も白くなっていく。
ビケ「フー、久しぶりに少しピンチだったな」
紗奈の部屋
紗奈「!!」
紗奈は、自分の家の床で横になっていた。そして、目を覚まして飛び起きる。
紗奈「あれ…夢??」
その時、紗奈はふらっとする。
紗奈(なんか、今日も体調悪い…)
紗奈は、そのまま下の階に降りる。そこには、台所で朝ごはんを作っている紗奈の母が居た。
紗奈「お母さ〜ん。なんか、体調悪い」
紗奈の母「あら。今週ずっと悪かったでしょ。今日は学校休んで寝てなさい。酷そうだったら言って。今日私も休むから」
紗奈「は〜い」
ある歩道。一人の男の子が電話をしながら、学校の前を歩いて過ぎてゆく。
ビケ「倒しましたよボス。本気出せば、一瞬でした」
ボス「そうか。あ、お前、しばらく帰ってくるな」
ビケ「は?」
ボス「お前は、紗奈の通っている学校に、転校生として通ってもらう。」
ビケ「は?え?どういう…」
ボス「最強の偽が、その学校に居る」
校内の廊下。一人の女子生徒が歩く。そして、職員室に入る。
◼︎◼︎「教頭先生、いいですか?」
教頭先生「おぉ、何です?」
◼︎◼︎「これ、委員会の資料です。」
女子生徒は、教頭先生の机に紙を二枚置いて、職員室を出る。そして、教頭先生はその紙を見る。その紙に書かれていた事は…
《リーダーからの指示 永瀬紗奈を殺害する。》
《最初は◼︎◼︎に任せる。それで失敗した場合、◼︎◼︎◼︎◼︎に任せる》
教頭先生は、小声で言った。
教頭先生「了解」
第一章「最強の偽 襲撃」
次回予告
紗奈「お、おはよう」
ビケ「おう。おはよう紗奈」
ビケがまさかの学校に!?
ビケ「タチが悪いな。最強の偽も」
ビケ達の前に現れる、「最強の偽」という存在
「あー、あ。よし、喋れるな」
紗奈の目が、黒く染まる。
「だから私は!紗奈を殺そうとしたって言ってんの!!」
偽 第2話へ続く…




