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砂漠化する世界でオアシスを創る  作者: 地下水
第一章 砂漠のオアシス
8/43

ラクダ

 島緑しまみどりは現地に住む人とようやく接触できた。砂漠に移動ワープしてから1週間も時間が過ぎていた。オアシスを自由自在に出現させる魔法?で砂漠を横断しようと思ったが、まだ能力を検証したいと思い砂漠にいた。商人から思わぬ情報を入手して顔は笑顔でほころぶ。

 

 島緑しまみどりがいる場所はエイモス王国の西にあるノダル砂漠。現地人の商人たちは日本もアメリカもその他の国も知らなかった。話を聞いてみると、電話に飛行機等、現代文明が存在しない異世界に俺はいるようだと分かった。なぜか言葉は通じた。


 この世界は近年、砂漠化が世界規模で広がり、緑が減りつつあるらしい。エイモス王国の国土の大半を砂漠と荒野が占めていると聞いた。水は大変貴重で、人命より重い価値があるそうだ。


 オアシスを自由自在に出す能力があれば緑化できるのでは?食料も無限に生産できるし、この世界ではまさに神の力と言ってもいい。

 何となくで漠然としているが、もう2度と日本には戻れない予感がする。

 隊商キャラバンの中継地点にオアシスの利用を許可したのは、人と関わりたいと思ったからだ。いずれこのオアシスの周りは人が増えて、町ができるかもしれない。



 「隊商キャラバンの人達はラクダを利用してたよな」


 砂漠と想像したらラクダ。オアシスと想像したらラクダ。自己暗示完了。

 目を開けると、ウインターさんが連れていたラクダにそっくりのラクダがいた。


 「おおー、成功した。1週間の魔法の練習の成果が出たようだ。名前を決めないとな。ラクダの性別は分からないが、多分…男だ。クリスだ。よろしくな」

 「名前を命名してくれてありがとうございます。ご主人様」


 少年のような明るい声が聞こえた。


 「…今の声はクリスなのか?」

 「そうです。ご主人様に生み出されたラクダのクリスです」

 「ご主人様は止めてくれ。俺の名前は島緑しまみどりだ。みどりとでも呼んでくれ」

 「承知しました。ミドリ様」

 「…様もつけなくていい。ただのしまか、みどりでいい」


 人間の言葉を話すラクダなんているはずがない。待てよ…こは地球じゃなかった。

 疑問をクリスに投げかける。


 「ミドリが望んだ事が反映されたのでしょう」

 「俺が望んだ…こと…?」


 思い当たることがある。この砂漠の楽園で常に1人でいた。孤独で寂しかった。誰かと話したかった。商人達を引き留めて食事を振る舞ったのは会話がしたいから。だから島緑しまみどりは話せる相手が欲しいと願い、会話をできるラクダを作りだしたと思う。


 クリスに乗せてもらったが揺れて気分が悪くなった。

 島緑しまみどりは練習しようと決意した。


 


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