第90話:庭に鳥が来ましたわ!
朝、庭へ出た麗奈は、小さな鳥が噴水の縁へ止まっているのを見つけました。
「まあ。可愛らしいですわ」
麗奈はそっと近づきました。
しかし、あと一歩のところで鳥は飛び去ります。
「逃げられましたね」
「小春が声を出すからですの!」
「先に麗奈さんの足音で気づいていましたよ」
麗奈は鳥を呼び戻すため、餌台を置くことにしました。
数日後、庭には何羽もの鳥が集まるようになります。
「わたくしの庭が選ばれましたの」
「餌があるからです」
「わたくしの人徳ですわ!」
麗奈が得意げに眺めていると、シロが窓辺で低く身を伏せていました。
「シロ、狙ってはいけませんわよ」
シロは聞こえないふりをします。
さらにノアまで鳥へ興味を示し、庭へ飛び出しました。
鳥たちは一斉に逃げます。
「ちょっと! わたくしの人徳が!」
「餌台は残っていますから、また来ますよ」
翌朝、鳥たちは本当に戻ってきました。
麗奈は満足そうに頷きます。
「やはり、わたくしの人徳ですの」
「餌です」
「夢のないことを言わないでくださいまし!」
麗奈は鳥の種類を調べ始めました。
最初は見た目だけで名前を決めようとしましたが、橘が図鑑を持ってきます。
「こちらで確認されてはいかがでしょう」
「わたくしの命名では駄目ですの?」
「すでに名前があります」
麗奈は少し残念そうでしたが、次第に図鑑へ夢中になりました。
書庫へ鳥の本が一冊増えました。




