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「よわよわショボいポーター実は最強のスキル待ち〜追放されたので、なぜか女子パーティーに拾われ溺愛されています〜」  作者: 虹の箸


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路地裏の無能

俺つえー、勇者パーティーザマァの痛快で明るく楽しい小説が思いついたので書いてみました。

ノヴリスペクト。

「お願いします、どうかクビにしないでください! 僕、なんでも……なんでもやります! ですから……っ!」

「うるせぇよ、このゴミクズが!」

ドゴォッ!という鈍い音と共に、僕の腹部に勇者ゼロの容赦ない前蹴りがめり込んだ。

石畳に崩れ落ち、胃液を吐き出す僕の頭を、ゼロは汚物でも踏み躙るように革靴でグリグリと踏みつけた。

「俺は選ばれた『勇者』だぞ? なんで俺様が、テメェみたいなどこにでもいるような無能をいつまでもパーティーに置いてやらなきゃなんねえんだよ。ああ!?」

「ひっ……ご、ごめんなさい……でも、僕がいないと野営の準備や、皆さんの武器の手入れが……」

「はっ! そんな底辺の仕事、少し金を出して優秀なサポーターを雇えば済む話だ。テメェみたいな無一文の無能はもう目障りなんだよ!」

息も絶え絶えにすがりつく僕を、魔法使いの女シャルが腹を抱えて嘲笑う。

「あはははっ! ほんと無様な寄生虫ね! あんたさぁ、自分の無能さを少しは自覚してる? あんたの持つハズレスキル【空間収納】って、たったの『1立方メートル』しか入らないじゃない。私の予備の杖や、高価な美容液の数々すら入りきらないのよ? 荷物持ちとしても三流以下の役立たずじゃない!」

「そ、それは……回復ポーションや魔石を最優先に入れないといけないからで……っ」

「言い訳すんな! ほんっと気分が悪いわ!」

シャルが僕の顔に軽蔑の視線を投げつける。

さらに、慈愛に満ちているはずの聖職者、女僧侶のミランが、極寒の氷のような、見下すような目で僕を冷たく見下ろした。

「不快です、アレン。あなたから発せられる貧乏たらしく惨めな空気が、私たちの輝かしい冒険を汚しているのですよ。女神様ですら、あなたのような出来損ないには見向きもしないでしょう。……ええ、あなたは誰からも必要とされない、哀れなゴミなのです」

ミランの冷酷な言葉が、僕の心を完全にへし折った。

「さあ、これまでの『指導料』として、お前の持ってる装備と路銀は全部置いていけ。あ、ギルドには『こいつはパーティーの資金を横領して逃げようとした』って報告しといてやるからな。もうこの街で日雇いの仕事すら受けられないと思えよ? ぎゃはははっ!」

そう言って、ゼロたちは僕からなけなしの金貨と、雨風を凌ぐための外套すらも身ぐるみ剥ぎ取った。

「あ、ああ……」

冷たい雨が降りしきる路地裏。絶望で声も出ない僕を置き去りにして、彼らは高笑いを響かせながら温かい高級宿舎へと消えていった。

冒険者ギルドに駆け込んでも無駄だった。ゼロの宣言通り、僕は「横領犯」としてギルドを出禁になり、完全に生計を立てる道を絶たれてしまったのだ。

「はは……終わった……」

それから数日。僕は街の片隅のボロボロの木箱の裏で、飢えと寒さに震えていた。特別な戦闘スキルもなければ、魔法も使えない。唯一のスキルは、空間に「縦・横・高さ1メートルの荷物」をしまえるだけのハズレ能力。

泥水をすすり、もう指先を動かす力も残っていない。僕はこのまま、誰にも知られず餓死するんだ。薄れゆく意識の中、視界がふっと暗くなった。



お読みいただきありがとうございました。

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