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4.大浴場にて~裸の付き合い~

碧、ノウェムと裸の付き合い、語り合い。



「づーがーれーだー」

 私はパワードスーツを脱いでから突っ伏した。

「つかれるのは君の考えなしの突撃にあると思う」

「でーすーよーねー」

 ノウェムさんの皮肉に、私は唇をとがらす。


 つい一時間前の事、銀行強盗が発生し、現場に急行した私たち。

 逃亡を図るパワードスーツの男たちに私はそのまま突撃し、車毎貫き、強盗たちはパワードスーツで助かったが伸びていた。

 逃げようとするヘリにのったチームにも私は突撃し、ヘリに上がると強盗犯たちをボコボコにして担ぎ、その上でロケットランチャーでヘリコプターを爆散させるということを行った。


 警察官に「やりすぎ」のお小言を貰い、レティシアにも「少し考えて行動をね」とたしなめられ、宗一には「碧、お前死ぬ気か馬鹿もん!」とこんこんとお説教を喰らったのだ。


 それが終わったのが先ほどー。

「つかれたー温泉か銭湯いきたいー」

「温泉? 銭湯?」

「そうだ、つかれたし一緒に行こう⁈」

「いや、私は……」

「家族風呂入ればバレないから、大丈夫だって!」

「……承知、した」


 ノウェムさんはなんとも言えない表情をしていた。

 いやぁ、性別は不詳でもついてないなら裸の付き合いもありだよね!



「おう、お嬢さん。何処へ」

「近場の大浴場! 大浴場招き猫のところ!」

「誰と行くんだ?」

「ノウェムとーじゃねー」

「……」


 るんるん気分で私はその場を後にした。


「いらっしゃいませー……あら、碧ちゃん!」

「女将さんご機嫌よう!」

「元気そうで何よりだわ」

「ははは、元気じゃないとやってられないんですよ。あ、家族風呂大人二枚で」

「家族風呂ね、丁度空いているわよいいところが」

「でも、お高いんでしょう」

「それが今なら大人一人で三時間千円~~! しかもしっかりとしたサウナとか色んな設備完備~~!」

「やだ~~! やす~~い!」

 私たち家族と女将さんのやりとりだ、昔からのご贔屓さん限定の奴。

「……」

 ノウェムさんは、なんか得体の知れないものを見ている目をしてる。

 そんな目でミナイデ。

「……取りあえず、休めるんだな」

「そう! じゃあ、二千円!」

 そう言って私は千円札二枚を出す。

「え」

「だって、ノウェムさんを連れてきたのは私だもの。お金は私が払うの!」

 そう言って鍵を貰い家族風呂のエリアへと歩いて行く。



「あ゛~~しみるわ~~」

「……」

「あ、じじ臭いとか思ったでしょう」

「いやその、普通このような体でも男要素はあるのに、一緒にこうして風呂に入るのはどうかと……」

「男性の裸は見慣れてるよー何せ、親父が風呂上がりにフル○ンスタイル……裸族だったからね、最初はビビったけどもう慣れたし」

「はぁ……」


 私はノウェムさんをみて言う。


「ノウェムさんは家族みたいなものだからね、だから気にしないで」

「……レティシアから頼まれた新入社員なのに?」

「家族経営って悪いイメージあるから、私の代では払拭したいの! で、もし私の次に次ぐ人が出たら、その人は血のつながりは無くていい。会社を、社員を大事にしてくれるなら」

「まだ社長になってあまり経たないのにそこまで考えてるのか……」

「まぁねー」

「……その割りには猪突猛進すぎる」

「うぐ」

 図星を指されて、私は言葉を失う。


「君は彼らが、ロボットたちが大切なんだね」

「そうよ! 小さい頃から一緒だったの!」

「そうか……だから彼らは君に過保護なのだな」

「そう、今でも私が何かあると『お嬢ー‼』って四人とも、絶叫するの、いや三人かな? ガンツはそんなに驚かないから」

「……四体、ではないのだね」

「うん、私にとって、家族だから」

 ロボットだから「体」と数える人がおおいけど私は「人」として数える。

 これが長年私が彼らと共に生きてきたあかしだから。


 と、言ってもまだ十八年もたってないけどねー、大体十数年くらいかなぁ、いや十三年かな?


「今頃、会社は阿鼻叫喚だろうな」


 ノウェムさんは、頭にのせたタオルで顔を拭いて言った。

「どうして」

「……分からないというのが罪だな」

 呆れるノウェムさんに私は首を傾げた。


 二時間近くたっぷり温泉を堪能し、飲み物も飲んで、サウナでデトックスもしてすっきりして家路につくと──


「おい! ノウェム! お嬢に何かしなかっただろうな⁈」

 レイジングがノウェムサンに突っかかってきた、もうなんで?

「何もしてない」

「嘘ついてるんじゃないだろうな!」

「嘘ついてないよー寧ろ私がノウェムさんの体ぺたぺた触った」

 私は事実だけを言う。

「「「お嬢ー‼」」」

 ガンツ以外の三人の絶叫に耳を塞ぐ。

「もう、一体何なのよ!」

 思わず、呆れてしまう。

「嫁入り前なのに、そんな無防備な!」

「嫁に行く気も、貰う気もないけど?」

「なに? 碧、儂は聞いておらんぞ!」

 宗一お爺ちゃんが話しに混じってくる。

「だって借金二百億だよ、結婚は兄貴に任せる」

「え、マジ?」

「……無理」

 涼兄さんと順兄さんが顔をこわばらせる。

「碧、儂はお前さんの花嫁姿を見たいとおもってるんじゃぞ?」

 宗一お爺ちゃんが悲しそうに言う、でも結婚できなさそうだし。

「お嬢の結婚は俺達の目に叶った奴だけだ!」

「ええ、そうですね!」

「うん!」

「お前さんら過保護じゃの」

 ガンツが呆れたように言った。

 うん、過保護だ本当に、こういうのもあるから結婚する気は無い。


 昔からメフィストたちは過保護だ。

 私が泣いて帰って来ると「いじめか⁈ よし締める‼」と相手の家に乗り込んで脅すのをどうにかするのが本当に大変だった。

 お陰で「ロートルロボットたちのお嬢様」なんて悪口も言われた。

 その時は殴り返した。

 確かにロートルかもしれない、でもそれを他人が言うのは絶対許せない。

 勿論私も言わない。


 ピエロ型ロボットだったけど戦闘用に改造されてその上で廃棄されかけたメフィスト。

 工業型のロボットだったが、型落ちということで引退、もとい廃棄されかけたガンツ。

 元フェンシング用ロボットだったけど、戦闘用に改造されて廃棄寸前のところを拾ったクラレンス。

 戦闘用のロボットだけど型落ちとして廃棄されかけたレイジング。


 訳ありの皆だけど、私の大事な、大事な家族。

 心配されるのは嬉しいけど、過保護はちょっと勘弁して欲してほしいお年頃な今日この頃。


「ノウェムさん、また大浴場いっしょに行こうね」

「え、あ、ああ」


「「「お嬢ー!」」」


 絶叫する、メフィストとクラレンスと、レイジングの三人。

 相変わらず、ガンツ以外は過保護だなぁ。

 と思う今日この頃でした──






碧は結構明るいですが、根っこでは諦めていることも実は多かったりします。

だからこそ、早く借金返済したいのもあるのでしょう。

ノウェムはノウェムで自分の体を見てある意味「興味を抱かない」「普通に接する」碧が非常にめずらしくて戸惑っているのが本音です。

またロボット三体はめっちゃ過保護です、ガンツはお嬢(碧)の性格を把握した上で達観しているのですが、他の三体は分かってるからできないのです。

宗一がいった花嫁姿が見たいは彼の本音です。


ここまで読んでくださりありがとうございました。

次回も読んでくださるとうれしいです。

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― 新着の感想 ―
碧ちゃんめっちゃ明るくって少し憧れますね。けど、後書き見るにただ明るいだけではないんですね。まぁそりゃただ明るいだけの人はそうそう居ないかー。いつか太陽みたいな人になってみたいなってこの話見て思いまし…
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