7. 真
真
グイリ語 peiffa ペッファ
レンゾ語 tsparspam ペスファー
ゲルギ語 innqersen インクェルセン
ジェーイェー語 pale15 パーレー
カザベダ語 nazwahye ナザヘ
あらゆる道徳規範において「嘘をつかないこと」は尊ばれる。さらにレンゾ語、ゲルギ語圏の大部分で力を持つシンレ教正統派(正統は自称)は「秘匿しないこと」を美徳とする。ただしこの秘匿については解釈が割れる。神に対して秘匿してはならない、またはすることができないというのは全ての学派が認める。しかし人に対して秘匿していいかどうかには複数の意見がある。
一概には言えないものの、カザベダ語圏、グイリ語圏で優勢なシンレ教メルド派は「していい」、正統派は「してはならない」と規定するというのが大まかな傾向である。もっとも、日常生活においてメルド派シンレ教徒が平気で嘘をつくということではない。
上に挙げたグイリ語、レンゾ語の単語は原義を辿れば「まっすぐな」であったという。支配を意味するグイリ語 beipe ベーペ、レンゾ語 dspeztlyespont バピスフォーンも語源は同じである。両言語で「本当?」と聞き返すときに上の単語を使う。正式に誓いを立てるときにはより改まった言葉、グイリ語で peige ペーゲ、レンゾ語で tspabnezgyent パリザーンを用いる。
上のゲルギ単語は原義が「そのようであること」だと言われる。同様に「本当?」という聞き返しに Innqersna? インクェルスナー? という形で使われる。誓いを立てる場合にもこの単語を使うが、衒学的な祭祀者は gountqeren グントクェレンを用いることがある。大して変わるものではない。
ジェーイェー語ではジョー教的な「あらゆる虚飾を取り払った本質」という概念を念頭に置いて用いられることに注意が必要である。「本当?」という聞き返しは通常しない。「そうなのですか?」「冗談ではありませんか?」が普通である。「真」に近い意味の単語で日常会話において頻繁に出るものは存在しない。
カザベダ語の話されるレタラ諸島で発展し海洋世界全体の思想に影響を及ぼした論理学(mwu keryeswu ム・ケレス、「言葉に属する掟」)では、「真実」と「不真実でない」を区別する。nazwahye ナザヘは前者であるが、それでは意味が強すぎる場面では後者の yibwerwu nezwehya イベル・ネゼヒャが使われることもある。
人名としては、一般名詞を命名に使うことがほぼないジェーイェー語を除いてありふれている。
グイリ語では peigare ペガーレ、レンゾ語では tsparspamrent ペスファマーン、ゲルギ語では qeraren クェラレン、カザベダ語で nazwahye ナザヘがよくある。




