第68話 王子と二人の妻?
第68話 王子と二人の妻?
アーサーはティアの子エルテア、ルフィアとの子ゲオルグ、フェリシアの3人のことを含め
家族会議をすることになったのだった。
———― 領主館アーサーの私室
ルフィア「ティア。 出産おめでとう」
ティア「ルフィアさん……ありがとう」
アーサー「二人ともこれからどうする?」
ルフィア「どうするって? ロギオンでこのまま暮らすんでしょ?」
アーサー「俺たちの子っという意味では3人とも王族の扱いになるはずだ、 それにティアのデニス侯爵家はエルテアを当主にしなければ断絶する可能性があるよ」
ティア「!! それは……」
ルフィア「王侯貴族の青い血に生まれた宿命よね」
アーサー「エルンスト殿にも相談したんだが、ティアの了解が得られるのなら、父にデニス侯爵位の継承の話を持ち掛けるつもりだ。 最初の婚姻の理由として、エルンスト候は家を守るために俺に嫁がせたのだから」
ティア「アーサー様。 そうですよね……」
ルフィア「ゲオルグとフェリシアはどうなるの?」
アーサー「そろそろ俺に公爵位や大公位あたりを押し付けてくると思うけど……。 俺自身領地を持ちすぎで権力も集中しているから国としてもそれを分散させたいはずだし」
ティア「そうですよね。 特にアーサー様は国王に次ぐ領地を持っていらしてますから次代、3代後とこれだけの力を持つ貴族になるのは国にとって危険すぎるから」
ルフィア「そのためのデニス侯爵の独立ってこと?」
アーサー「そうなるな。子育てが落ち着き始めたら王宮から呼び出しがかかると思うよ。 ややこしいのはクリスベルとの攻守同盟の位置づけが変わってきているからな……」
ルフィア「そうよね…… 小国だったクリスベルとシュトラールがローザリアに対抗するための同盟が、 お互いが敵に回したら一番危険な存在になっているのが一番の問題よね」
アーサー「まあ、さすがに10年20年で敵対するとは思わないけど……、そうなると俺たちの立場ってかなり危険になっているんだよな。 そして、ゲオルグ、フェリシア、エルテアの立場も当然危なくなる」
ルフィア「どうするつもりなの?」
アーサー「こればかりは情勢が変わっても動けるようにロギオンの統治を盤石な体制に持っていくくらいかな? そして、子供たちを守っていくことだ」と締めくくった。
これがアーサー達6人が最初に一緒に寝た日であった。




