表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第1章 ~はじまり、はじまり~
47/78

夏の終わり


弾ける笑顔でダイヤモンドを回る涼風。



ルナちゃんはマウンドに立ち尽くしていた。

自分の全力投球を、渾身の一球をスタンドに放り込まれたという事実を受け止められていないようだ。



ルナちゃんが築き上げてきた自分に対する絶対的な自信。それを真正面から叩き潰された。



人生で恐らく初めてであろう屈辱に、ルナちゃん自身どう対処していいのか分からない、そんな感じなのだと思う。



天才は負けることに慣れていない。才能が絶対的であればあるほど、そのダメージは計り知れない。それでひとつの才能が消えることもあるのだ。




その後は‥‥




カキィーーーーーーン!!!


5番天海、レフト前ヒット。



カキィーーーーーン!!!


6番アーロン、センターオーバーのツーベース。



ボール!フォア!!!


7番ドンキー、フォアボール。





「‥‥‥‥‥‥‥‥っ!」





ルナちゃん、明らかに身が入っていないな‥‥

涼風との勝負で完璧に心を砕かれたルナちゃんは、泡沫の夢打線を止めることが出来ない。

ルナティックミサイルは甘く入り、フォークは抜ける。

相手打者は全て僕が作った最強選手達だ。甘い球を見逃してくれるほど、甘くはない。



実力が、違いすぎる。

それをまざまざと見せつけられている。

決して追い付くことが出来ない、そう思わせるような絶望が場を支配していた。




その時‥‥




「ふざけるなああああああ!!!!!!!!!」




センターからキャプテン小紫がルナちゃんに向けて大声を張り上げた。



「この試合は貴様だけの試合ではない!自分が勝負に負けたからといって傷心気取りか?笑わせるなっ、一年坊主が!!!そんな自己中心的な考えでマウンドにいられるとこちらが迷惑だ。今すぐ、マウンドを降りろ!!!」



小紫の一喝。

しかし、ルナちゃんうつむいたまま何のリアクションもない。




ここで‥‥




「審判、ピッチャー交替」




佐出が審判に投手交替を告げた。




リリーフの変木(かわりぎ)と入れ替わる形でルナちゃんがベンチへと下がっていく。





その横顔は、今にも泣き出しそうで、見ていられなかった‥‥





その後も泡沫の夢打線は止まらない。




カキィーーーーーーン!!!

カキィーーーーーーン!!!

カキィーーーーーーン!!!

カキィーーーーーーン!!!

カキィーーーーーーン!!!

カキィーーーーーーン!!!

カキィーーーーーーン!!!

カキィーーーーーーン!!!

カキィーーーーーーン!!!




ひたすら金属音が球場に響き渡る。





そして、こちらの打線も‥‥




ストライク!バッターアウト!!!

ストライク!バッターアウト!!!

ストライク!バッターアウト!!!

ストライク!バッターアウト!!!

ストライク!バッターアウト!!!

ストライク!バッターアウト!!!

ストライク!バッターアウト!!!

ストライク!バッターアウト!!!

ストライク!バッターアウト!!!





帝に手も足も出ない。バットにすら当たらない。




スコア 0ー12

5回コールドゲーム




帝の前に一人のランナーも出すことができず。




1年の夏の大会は、終わりを迎えたのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ