表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デウス・ウルト   作者: 妖怪はらへった
第一章 天峰学園入学編
10/42

第9話 面談

 測定が終わったあと、俺はそのまま保健室へと向かい健康診断を済ませた。

 ここまでは人数が多いことや敷地の広さ以外は、普通の学校とそう変わらないな。


「面談ねぇ。何を聞かれるのやら」


 入試の時にも筆記の後に個人面談があったが、あれとは違うことを聞くのだろうか?

 志望動機とか当たり障りない内容だったし、もう少し踏み込んでくるのか?


 そんな事を考えながら向かっていると、丁度面談が終わったであろう生徒が出てきた。


「あっ、お前!」

「さっきぶりだな」


 ブロンドくんの登場である。

 しかし先生がいる手前か怒鳴ることはなく、キッと睨み付けて去っていった。


 何がそんなに気に入らないのか?

 ふぅと軽くため息をつき、ドアの前にいる先生に視線を向ける。


「このプレートに手をかざし名前を言いなさい」

「――――御影真白」


 教室のドアの横にある白いプレートに手をかざし、自分の名前を言うとプレートが淡く輝きだした。

 輝きが収まるとスライドドアがひとりでに動き出す。


「どうぞ、入りなさい」


 中から入学式で司会をしていた、教頭先生の声が聞こえてきた。


「失礼します」


 教室の中には間仕切りがあり、それを避けると教室の奥に3人が椅子に掛けていた。

 明らかに場違いなアイマスクが目に入る。

 アイマスクヘドバン幼女はやはり先生だったらしい。


「どうぞ、そこに掛けてください。えーと、君の名前は御影真白君で間違いないかな」

「はい、間違いありません」

「では今から質問をしていくので、簡潔に答えていってください」


 ここでも進行役の、正面に座る教頭が俺を見据える。


「さて君は『思創の卵(プロキシー)』をどこまで理解しているかな」

「理解・・・ですか。えーと、意思あるものならば誰しもが一つは持っている特異能力で、他者に下される評価により力が増減される、くらいですかね」

「・・・なるほど、因みに君の『思創の卵(プロキシー)』は何かな」

「俺の『思創の卵(プロキシー)』ですか。・・・俺のは『リフレクトミラー』です。鉄やガラス等の鏡にできる素材を鏡へと変質させ、そこに写るものを反射する能力です」


 俺が『思創の卵(プロキシー)』の説明をすると、教頭の手元にあるプレートが淡く輝く。


 恐らく制御装具(インペリウム)の登録作業的なものか。

 まったく原理はわからないが、教室のドアの所にあったものと同じものなのだろう。

 嘘の判定とかもできるのか?

 皆が皆正直に答えるとは考えにくいんだが。


「では、次に。君は神を信じますか?」

「は?」


 唐突な質問に思わず固まる。

 なんだこの道端でいきなり勧誘されたかのような質問は。


「言葉通りの意味です。神の存在を信じますか?」

「・・・いるとは思います」

「それはなぜですか?」

「まだ人類が理解できていないことがあるからです」


 俺から見て教頭の右側に座っている、明らかに聖職者みたいな格好の男が初めてピクリと反応した。

 何なんだろうか、スゴく睨まれている気がする。


「これで最後です。君は『思創の卵(プロキシー)』で何か成したいことはありますか?」


 俺が成したいことか・・・。


「真実を・・・、ねじ曲げられていないまっすぐな真実を見たいです」


 教頭は俺の目をじっと見つめたあと、左右に目を向ける。

 それぞれが小さく頷くとまた俺のほうに目を向けた。


「面談は以上となります。この後は最初の教室で待機していてください。お疲れさまでした」

「・・・失礼します」


 軽く会釈をし俺は教室を出る。

 この面談は一体なんだったんだろうか。

思創の卵(プロキシー)』などの登録はわかるが、神云々や最後の質問はよくわからなかったな。


 引っかかる質問に疑問を抱きながら、俺は最初の教室に向かった。







「メイ先生、ぺテロ神父、お二人ともお疲れ様でした。あの子が『御影の鏡』ですか。どうでしたか?」


 メイと呼ばれたアイマスクの少女はフフッと笑みをこぼし、ぺテロと呼ばれた壮年の男は髪と同じ色のアッシュグレーの瞳をただドアの方へと向けている。


「んー、とりあえず嘘は言ってはないかなぁ。ただ、本当の事も言ってない感じかなぁ」

「同意、嘘や誤魔化しの色は感じられなかった」

「・・・そうですか。とりあえずの所はよいでしょう。あの男が命を賭してまで守った子供、これから何かしら動きがあるでしょう」


 顎に手を当てながら教頭は天井を見上げる。

 これから起こるであろう事に苦難の色を浮かべながら。


「しかし、御影真白とは大層な名前だ。おこがましいにも程がある。しかも神の存在を認めているなどと・・・」


 ぺテロは憎々しそうに頭を揺らす。

 その様子にメイはカラカラと笑いながら机に頬杖をつく。


「まぁまぁ、落ち着きなよ。名前の通りなら使い道は幾らでもあるさ。僕は無限の可能性に心が踊るねぇ」


 満面の笑みを浮かべながらメイは指揮をするかのように指を振る。


「ようやく役者が揃ったんだ、まずは楽しまないと。『御影の鏡』に『月のお姫様』、『紛い物の王』と『天秤の御子』他にも粒揃いだねぇ。そう言えば早速『十二宮(ゾディアック)』が動いていたよ。狙いはお姫様かな」

「・・・相変わらず手が早い」

「あそこは万年人不足なところがありますからね」


 教頭は目を手で覆いため息をつく。


「明日からはお互い悔いの無いように手を尽くしていきましょう」

「りょーかーい☆」

「ようやくこのふざけた停戦協定も終わりか」


 それぞれが瞳に炎を灯す。

 決して譲ることができない己が信念を確かめるように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ