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デモンズ・リベレーション~俺は転生して魔人となり、くそったれな世界に叛逆する~  作者: 宇月ナギ


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12話 便利アイテムと崩壊

 奥へと進む。

 

 ゴブリンキングを倒した先。

 

 それでも、まだ終わりではない。


 通路の空気が変わる。

 

 重く、濃い。


  ……なんだ?ここは。


 左目で見る。

 

 空間そのものが、揺らいでいる。


 そして……

 辿り着いた。


 ダンジョンの奥地。


 その中央に鎮座している青白く輝く球体。

 

 宙に浮かび、ゆっくりと脈動している。


 その奥にはもう一つ通路があるが

 そこはまた後でいいだろう。


 周囲に、もう一つ。

 

 宝箱が置かれている。


 警戒する。

 

 さっきのミミックが頭をよぎる。


 近づいて左目で確認する。


 ……反応はない。


 慎重に触れる。

 

 そして、開ける。


 ……何も起きない。


「……さすがに、もうないか」


 中を覗く。


 そこにあったのは……

 

 1つのポーチ。


 取り出す。

 

 腰に留めるためのベルト付き。


 小さい。

 

 だが……


 ……異様に軽い。


 大きさは的にも軽いのはわかる。


 しかし、それにしたって不自然だ。


 試しに、落ちていた石を入れる。

 

 そして持ち上げる。


 ……おかしい、石の分の重さを感じない。


 違和感。


 もう一度、手を突っ込む。


 奥が……ない。


「……なんだこれ」


 思わず呟く。


 ……マジックバッグ、とやらか?


 前世の記憶。

 

 ゲームやラノベの定番。


「……便利すぎだろ」


 苦笑が漏れる。


 だが、助かるのは確かだ。


 使いものにならなくなっていた腰に下げた片手剣と

 周囲に散らばっていた装備や戦利品を、まとめて放り込む。

 

 全部、入る。


 ……前世に見たアニメに登場する青いロボットが頭をよぎる。


 軽く息を吐いて思考を切り替える。


 そして…


 視線が、自然と"この空間で一番目立つ存在"へ向く。


 宙に浮かぶ球体。


 ……なんなんだ?あれ。


 異質すぎる。

 

 魔力の塊。

 

 いや……

 

 流れの中心。


 ……調べよう。


 そう思った時には、もう手が動いていた。


 左手をコアに向けて伸ばしてしまう。


 ――癖だ。


 右腕を失ってからずっと。

 

 何をするにも、左手が先に動く。


 そして。


 魔人である今。


 その左手は、喰らう。


「——あっ…」


 触れた。


 瞬間。


 流れ込んできた。


 一気に。


「え!?…ちょっ!」


 制御できない。

 

 逆流。

 

 爆発的な魔力。


 コアが、歪む。

 

 崩れる。


「ちょいちょいちょい!待って!」

 

 止めようとする。

 

 だが止まらない。


 俺の左手は意思に反してダンジョンコアの魔力を吸い込み

 喰らいつくしてしまった。


 ダンジョンコアは…消えた。


 それも、跡形もなく…


 沈黙。


「…………は?」


 一拍遅れて、理解する。


 これ、やらかした……?


 次の瞬間。


 ゴゴゴゴゴ……ッ!!


 空間が、揺れた。


「……いや、これまずくないか?」


 天井から、砂が落ちる。

 

 壁が軋む。


 魔力が、乱れる。

 

 流れが崩壊していく。


 ……崩れる!


 ダンジョンそのものが!


「ちょっ!それはマジでシャレにならん……!」


 このままじゃ生き埋めだ!


 即座に動く。


 マジックバッグを掴む。

 

 残っていたものを、適当に詰め込む。


 雑でいい。

 

 全部放り込む。


「あとで整理すればいい……!」


 振り返らない。


 魔人形態のまま、ただ走る!


 魔人の脚力。

 

 全開。


 通路を駆け抜ける。

 

 跳ぶ。

 

 砕けた岩を踏み越える。


 背後で、崩壊が追ってくる。


 速い……いや、これは追いつかれる!


 空間そのものが、閉じていくような感覚。


 すぐ背後で崩れる音。


 少しでも速度を緩めたら崩壊に捕まってしまう。


「うおおおおおおおおおおっ!」


 思わず叫ぶ。


 そして、見えたのは外から差し込む光。


 出口だ。


「――ッ!!」


 一気に加速する。


 地面を蹴る。


 跳ぶ。


 そして——


 外へ飛び出した。


 次の瞬間。


 背後で。


 ダンジョンが、崩れ落ちた。


 土煙。

 

 轟音。


 完全な、崩壊。


「……はぁ……」


 息を吐く。


 外に出れた。


 雨は既に止み、青空が広がっていた。


 しばらく、その場に立ち尽くす。


 そして、ぽつりと。


「……やっちまったな、これ」


 苦笑が漏れた。

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