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第55話 子猫の小雪

「いやー!楽しかったね!」


「そうですね!私もちょっと怖いイメージありましたが、楽しかったです!」


ちょっとしたトラブルはあったが、こと様とナイトプールを楽しんで、コラボグッズも買うことができた

大満足だ

名残惜しいが、帰宅するために車のナビに こと様宅をセットする


「じゃあ、安全運転で帰るから!」


「よろしくお願いします!」


笑顔のこと様を確認して、朝の集合地点目指して車を動かした

こと様と会話を楽しみながらドライブをして、もうちょっとで到着するところで、子猫の話になった


「そうなんです!小雪がホントに可愛すぎて!ずーっと構っちゃうんです!」


「あはは!そうだよね!配信でもそうだろうなってのが伝わってくるもん!」


「そんなに私わかりやすいですかー?」


「うん!かなりね!」


「そう思ってるのおにいさんだけですよ!」


「いやいや!コメ欄みてよ!」


「みんな私のことからかってますよね!でもいいんです!小雪の可愛さを眺めていれば、そんな意地悪も気にならなくなっちゃうんです♪

ずっと見てたくて!この前ペットカメラも導入したんですよ!」


「ペットカメラ?」


「はい!自宅のペットを自動で追跡してくれるカメラです!スマホで見れるんですよ!」


「へー!面白いね!」


そんな話をしているうちにロータリーに到着する


「あっ、、

えっと!おにいさんにも小雪の様子見せてあげます!」


言いながら、こと様がずいっと近づいてきて、スマホの画面を見せてくれる


結構近くてドキドキする


「えーと、これで見れるんです!」


ポチポチとスマホを操作すると、こと様の部屋らしき場所が映し出される


へー、これが こと様の、女の子の部屋かー


部屋の様子を見てくると、子猫がダダダッ!っと走ってきた

というか、走り回っている


「あれ?小雪?」


ポチっと、こと様が音声マークを押すと音が聞こえてきた


「に"ゃー!に"ゃー!」


と威嚇するような声をだしながら、小雪が走り回っている


「なんか興奮してるみたいだね?」


「はい、どうしたんだろう、、」


すると、小雪がピタッ止まり、大きくのけぞったあと、胃の中のものを吐き出した

そして、倒れる


「え?小雪?、、小雪!小雪!!」


こと様はパニックだ


「こと様!こと様落ち着いて!」


「でも!小雪が!」


「すぐ病院に連れて行こう!」


「は!はい!」


オレたちは車を降りて走ってビルに入る

こと様は手を震わせながらカバンをあさる

焦って、エントランスに入るためのカードキーを見つけられない


「あぁ!なんで!」


「落ち着いて!大丈夫!オレもいるから!」


「、、はい!」


すぐにカードキーは見つかってエレベーターで部屋に向かった

その間に夜でもやってる動物病院を調べる


くそっ!遠いな!

Googleマップを開き、近くの動物病院に片っ端から電話をかける


ピピピッとカード認証で部屋の扉を開いて、小雪の元に向かう

映像どおり、吐いて倒れていた


「小雪!!あぁ!どうしよう!」


こと様は壊れないように、優しく小雪を撫でている


小雪の様子をみると、息は荒いが、ちゃんと呼吸はしてる

はやく病院に連れてかないと


8件目の電話でやっと、動物病院に繋がった


「あの!夜分にすみません!子猫が吐いて倒れていて!すぐに診てもらえませんか!?」


電話しながらある物に気づく、それを確認して、ポケットに入れた


「はい!はい!すぐ行きます!15分でつきます!

こと様!行くよ!ゲージもってきて!」


「え?は、はい!」


ゲージにそっと小雪を入れて、それをオレが持って車に急ぐ


「小雪、小雪、がんばって、すぐ病院だからね」


なるべく早く、できるだけ安全運転で病院に向かった

病院につくと、女性の先生が手袋をして待っていてくれて、すぐに診てくれる


「この子が倒れた原因はわかりますか!」


「わ!わかりません!モニターで見たら、興奮して走り回ってて!そしてたら突然吐いて!倒れて!

助けて下さい!」


「落ち着いて!原因を調べますので!」


「あ、あの!たぶんこれです!」


オレはポケットの中の包装紙を先生に渡した

先生はそれを見てこくりと頷いて、


「大丈夫!すぐ処置します!」

と言って小雪をつれていった


「あぁ、、小雪、、」


こと様は泣きそうだ


「あの、、さっき、、おにいさんが渡したのは?」


「、、チョコの、包装紙」


「チョコ?」


「猫に、チョコは毒だから、、」


「そ、そんな、、知らなかった、、わ、私のお菓子を、、小雪が食べて、、

も!もし!、、もし、、小雪が、、し、しんじゃったら、、わ、、わたしの、、」


ポロポロと泣いてしまう


「大丈夫、きっと、大丈夫だから、、」


オレには、こと様の手を、握ってあげることしか出来なかった



1時間後


「もう大丈夫ですよ、今は落ち着いてます」


「ホントですか!ありがとうございます!」


「よかったね!」


「はい!あの!小雪には会えますか!」


「はい、大丈夫ですよ、今日は病院で様子を見ますが、明日には退院できると思います」


処置室に案内されて小雪を眺めながら話をする

すぅすぅと寝息をたてて眠っていた

さっきまでの苦しそうな様子はもうない


「小雪、、よかった、、」


こと様もホッとしたようだ


「薬で中和しおわれば、元気になりますからね」


「あ、、じゃあ、、やっぱり、、」


「はい、こちらが原因ですね」


先生はオレが渡したチョコの包装紙を見せてくれた


「そんな、、いえ、、ご迷惑をおかけしました

こんな時間に診ていただき本当にありがとうございます」


「ありがとうございます」


オレもこと様と一緒に頭を下げる


「いえいえ、私もペットが大好きなのでお気持ちはわかります

ですが、この子の近くにこういったものは置かないようにしてくださいね」


「はい、今後は気をつけます」



その後、しばらく小雪の様子をみて、日付けがかわったころに、帰宅することになった


小雪は翌日、こと様が自分で迎えに来るそうだ

付き添おうか?と聞いたところ、大丈夫です、タクシーで行きますから、とのことだった


こと様を車で送り届け、またロータリーに戻ってきた


「あの、、今日は、本当にありがとうございました

おにいさんがいなかったら、こんなに冷静に行動できなくて、、もしかしたら、小雪も危なかったかもしれません、、」


「いやいや、こと様なら、なんだかんだ冷静に対応できたよ

気にしないで」


「いえ、そんなことないです、おにいさんのおかげです、、

あの、、目をつむってもらえますか?」


「ん?いいけど」


目をつむると、すぐに

ちゅっ


という感触を感じる


「え?」


ほっぺに柔らかいものが当たっているのを感じて、目を開けてしまう


こと様の顔がすぐ近くにあった


「こら、、目開けちゃダメ、、」


「あ、ごめん」


呆然とする


「、、これはお礼です、今日の、、

それではまた!」


ガチャリと助手席のドアを開けて、こと様がエントランスの向こうに消えていった


オレはその様子を頬っぺたを触りながら眺めていた

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